青山ヱリのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
四月に絶対読みたくて、ずっと温めていた一冊。
『あなたの四月を知らないから』というタイトルに惹かれた。
自分の中にも似たような感情があったからだと思う。
「桜が咲いていますようにと祈る」という文章が、相手を想う最上級の表現の仕方で、とても美しくて素敵だった。
由鶴の宇治への気持ちや、家を買うことに対する考え方、周囲の人たちとの関わり方とか、一見すると少し距離を取っているように見えるけど、実はとてもよく考えて行動している子なんだなって思った。
セラピストを通して出会った二人だったけど、二人にしか分からない空気感や感情が確かにあって、その特別さが心地よかった。
『ゼログラムの花束』では宇治 -
Posted by ブクログ
まず表紙が素敵。
女性専用の風俗のセラピストと、そのお客さんの話となると、ちょっと購入を躊躇ったけどネットで軽く読んだら好みの文体で即購入。
いやらしい感じも全くなく、文章が綺麗で関西弁もまた読んでいて心地よい。
39歳で彼氏もなく仕事もパッとせず、拠り所はコツコツと貯めてきた貯金のみ。
兄夫婦の子供誕生で、実家が二世帯住居に建て替えるとなり、なんともいえない孤独を感じてしまった主人公の気持ちがなんとなくわかる。
セラピストを好きになってしまい、胸の内を必死に仕舞い込み、折り合いをつけようとしてるのもなんかよかった。
そのセラピスト、宇治の話もとてもよかった。
嶋との会話が軽妙で笑ってしまった -
Posted by ブクログ
公式より
「恋人もおらず仕事も冴えない三十九歳の由鶴の支えは一千万円の貯金だけ。家族から家の購入を勧められる中、片思い中の宇治とは3月で会えなくなることを知り……。」
この本の紹介文を見てすぐに「読みたい!」
と思いました。
なんだか、ワクワクするテーマだなと。
由鶴が主人公の『大阪城は五センチ』と
宇治が主人公の『ゼログラムの花束』の二篇からなります。
どちらの主人公も、女性風俗という点で
自分の知らない世界の人…として読み進めていたのですが、読後は 仕事や家族のことで悩んだり、友達と楽しく過ごしたり…
どこにでも本当に居そうな、愛おしい二人の物語でした。
軽い感じの関西弁が読みやす -
Posted by ブクログ
ネタバレ39歳女性由鶴が主人公の「大阪城は5センチ」。
そのスピンオフのような、アラサー君・宇治の「ゼログラムの花束」。
独身である由鶴が、風俗サービスのセラピストである年下の男性・宇治との関わりを中心に、扱うテーマはとても現実的であると感じました。
そしてその切実さも関西のノリに飲み込ませているところに、一段と現実味と親しさを感じる。とくに第二話とか、真面目に書いたらなかなかのないような気がするけれど、一種ネタになっててそのトーンに安心するというか。
実際、日々ずっと切実に真摯に生き続けているわけではなくて、物事や現実との距離は近づいたり少し離れたりしている。気分にもよる。
そんなふうに、 -
Posted by ブクログ
恋人もなく仕事もパッとしない39歳の八木由鶴はやっと貯めた一千万円だけが唯一の拠り所。そんな由鶴が女性向け風俗で知り合ったセラピスト・宇治との出会いをきっかけに自らの人生を掴んでいく「大阪城は五センチ」
借金返済のために女性向け風俗のセラピスト・宇治として働く31歳の真山氏久。数々の女性を癒す宇治を演じながら、幼い頃に生き別れた母への鬱屈した思いを捨てきれずにいる氏久が母への感情に折り合いをつけていく「ゼログラムの花束」
連作の中編2作はこれがデビュー作とは思えないほど文章も、構成も見事。
独身で生きづらさを抱える女性を描く小説にありがちな過剰な自意識や押し付けがましさはなく、独特の比喩 -
Posted by ブクログ
今4月だから手にとった1冊。ニュアンスちっくな素敵な装丁から中は以外に大阪城からの描写。大阪の話なんだと思いつつ出てくる人はみな少し他人と距離を保つ東京のような人々ばかり。独身アラフォー女性が男の人を「買う」のは、「余命一年、男をかう」でもあるように今回はホストではなく女性向け風俗。最近独身女性は貯金が趣味で大金を持て余す、そこに現れるプロの男性。の図がパターン化してる気がするが、実際独身女性がお金を持て余してる事なんて恐らく幻想。今や自分の為の美、推し活、趣味に好きなだけお金をかけて自由に自分で自分を楽しませる事が多い人が多い印象。やはり物語りだからなーと思いつつ家を買う事への話にシフトして