デボラ・ホプキンソンのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
1944年、第二次世界大戦時のロンドンはナチス・ドイツの空襲が続いていた。13歳のバーティは空襲警報を受け、民間防衛隊の伝令係として、自転車のカゴに愛犬で救助犬のリトル・ルーを乗せて出発した。その道中、アメリカ人の少女エレノアとぶつかってしまう。彼女が立ち去った後にはある一冊のノートが残されていた。そのノートには秘密諜報員の訓練と謎の暗号が書かれていたー。
数年前話題になった『自由研究には向かない殺人』を訳した服部京子さんが訳してるから絶対面白いだろなー、子どもってスパイものに弱いよなーと思い手に取った。
シャーロック・ホームズに憧れながらも、ちょっと頼りなく心に深い傷のあるバーティとしっかり者のエレノア、そして、ドイツに両親がいて養父母に育てられているユダヤ人のデイヴィッドのトリオが大人顔負けの暗号解読をしていく様が頼もしい。
時折ある暗号を解読しようかと思ったけど、なんだか大変そうで飛ばして、最後のページにある暗号解答を見ちゃったけど、こういうのが好きな人なら楽しく解読できそう。
最近、日本側の第二世界大戦の話を読んでいるけど、その時のイギリス、フランス、そしてドイツのことが理解できた。
YA向けの本だけど、本当のスパイは誰かを考えながら読んでいくと大人も楽しめる。
バーティたちの活躍も素晴らしいけど、1番のスターはリトル・ルーかな。 -
Posted by ブクログ
かわいい表紙に惹かれて購入した翻訳ミステリ。
でも、ストーリーの舞台はは第二次世界大戦中のロンドン。
ナチス・ドイツ、ヒトラーによるユダヤ人制圧の最中のこと。
この本を読みながら、改めて当時の悲惨さを思い浮かべると気持ちも沈みがちだが、フィクションとして興味深く読ませてもらった。
実在した歴史上の人物も何人か登場したり、実際に諜報員が使ったと言われる暗号も出てくる。(もっと複雑だったらしい)
そんなシビアな状況で、事件を解決していく主人公が、13歳の少年パーティと仲間たち。
相棒の救助犬リトル・リーと一緒に、活躍する姿が頼もしい。
ちょっと失敗するところが、読み手も気持ちが緩んでいい。
苦しい中でも希望を忘れず進んでいける、バーティたちを描いたこの本は、何かしらのメッセージを届けている気もした。
-
Posted by ブクログ
歴史物の児童書を多く書いているデボラ・ホプキンソンの作品。歴史部分をかっちり描いているので、子どもの本らしいほわっとしたところもありつつ、とても軽快にさわやかに読める。オーバーロード作戦のDデイ前夜の様子をイギリスの視点から見るというのは、わたしにはなかなか新鮮で面白かった。
と同時に、いつも食べ物が欠乏していること、不可抗力の出来事でも深い心の傷を負ってしまうこと、誰のことも信じられなくなってしまうことなど、戦争の残酷さもきちんと描かれている。
じつは、スパイものってちょっと苦手なので(うそをつかなきゃならないし、裏切りも必ず入ってくるので)どうかなと思っていたけど、スパイじゃなかった(笑)。なのでそれもよかったな。 -
Posted by ブクログ
戦争の厳しい現実と負の歴史… 子どもたちの生き様と成長を描いた物語 #こうしてぼくはスパイになった
■あらすじ
第二次大戦後期のロンドン、ドイツからの空種が続いていた。13歳の少年バーティは、いつも救助犬のリトル・リーと一緒に民間防衛隊として任務を務めている。
ある日バーティが急いで自転車を漕いでいると、アメリカ人の女の子とぶつかってしまう。喧嘩別れをしてしまう二人だったが、バーティはそこに落ちていたノートを見つけるのだった…
■きっと読みたくなるレビュー
子どもたちが大活躍する物語、しかもスパイものってのにワクワクしちゃいます。
しかしやっぱり戦争ってのは罪作りですよ、無限の可能性がある子どもたちを巻き込こむなんて。もちろん本作はフィクションですが、現実でも同じように子どもたちも戦争のために働いてたんでしょうね…
本作は少年バーティが、友達エレノア、デイヴィッドといっしょに、失踪したスパイを探す物語。まずなんといっても彼らの情熱ですよ!クソみたいな戦争の中、文句を言いながらも今できることをまさしく命がけで遂行していく。カッコいいなぁ~、痺れるよ。我が家にも13歳の息子がいるんですが、もう少し真面目に勉強してくれるとうれしいんだけど。
忘れちゃいけないリトル・リーですよ、もう犬好きは必読。かわゆすぎる。我が家にも猫2匹いるんですが、いつも寝てばっかり。可愛いのはいいんだが、もうすこし何かの役に立ってくれるとうれしいんだけど。
そして本作、拾ったノートに記載された暗号を解読していくのですが、これがかなり本格的で面白いのよ。どうやって解読するか説明してくれるし、実際に使われていた暗号にも通ずるものもあるらしい。途中途中で暗号クイズも挟まれるし、これはスパイに憧れる子どもたちはときめいちゃいますね。
物語の後半に入ると、失踪したスパイの謎が少しずつ明るみになってくる。さらに終盤にはXXとの出会いにテンション爆上がり。そして最後まで一気読みしたね~
第二次大戦という舞台、扱っているのも秘密諜報員といった重いテーマではありながらも、あくまで前向きなストーリーです。現代の子どもたちでも、ワクワク読める作品だと思いました!
■ぜっさん推しポイント
主人公のバーティにはお兄さんウィルがいるんです。ウィルと母とは、訳があって離れて暮らしています。その背景にはやっぱり戦争があって、胸が痛むんですよ… 子どもが苦しむような戦争なんてマジなくなって欲しい。
厳しい現実、負の歴史を伝えるとともに、子どもたちが懸命に生きる生き様、成長を描いた作品。子どもたちにも読んで欲しいですが、普段本を読まない大人こそ読んでほしい、勉強になることも多いですよ。 -
Posted by ブクログ
東京創元社「創元 初夏のホンまつり2025」にて購入。
第二次世界大戦中のロンドン。空襲警報が鳴り響く中、偶然諜報員のものとおぼしきノートを手に入れた民間防衛隊の少年バーティ。ノートには暗号文が書かれている。
ノートはアメリカ人の少女、エレノアが彼女の家庭教師でフランス人のヴィオレットから預かったもので、ヴィオレットは行方不明になっていた。
バーティはエレノアやシャーロック・ホームズ通の友人デイヴィッドとともに、暗号を解読しようとする……といったお話。
実際に作中と同じ手順で暗号を解読することもできるようになっており、子どもだったら喜んでやったかもなあと思う(ただし、解読したところで英語の意味が分からなかった気がする。そもそも子ども時代は英語が暗号みたいなものだった……いや、いまもか)
エレノアはアメリカからイギリスに来なければならず、バーティは空襲で辛い経験をしているし、デイヴィッドはユダヤ人で両親とは離ればなれだ。バーティがヘルメットのかわりに鍋をかぶっちゃうところなんか、いかにも子どもらしくてほほえましいけど、それだって空襲があるからだ。
戦時中の厳しい状況下にあって、子どもたちが知恵と勇気を振り絞っているすがたがかっこよかった。 -
Posted by ブクログ
1944年2月、ナチス・ドイツの空襲が続くロンドン。13歳のバーティは、空襲警報を受け、民間防衛隊の伝令係としてはじめての任務のため、自転車のかごにのっている相棒は、救助犬のリトル・ルーと共に街へ飛びだしていった。ところが大あわてで自転車をこいでいたため、女の子にぶつかってふたりとも転んでしまう。女の子が立ち去ったあと、バーティは通りで一冊のノートを拾う。それは秘密諜報員になるための訓練を受けた女性のもので、文章の後半は暗号になっていた。ノートを道に落としていったアメリカ人の少女エレノアに再会したバーティは、ノートを書いたフランス人女性・ヴィオレットが行方不明になったと知る。彼女を探すため、エレノアと探偵志望の友だち・デイヴィッドといっしょに、ノートの暗号の解読に取り組むが。
アメリカの参戦まで、イギリスがかなり窮地に陥っていたことは、周知の事実である。かわゆいスパニエル犬のリトル・ルーとトリオで、好奇心旺盛なトリオが駆け回るミステリ。子供はさすがに、家族の様子などで、戦争の詳細は知らないまでも、空気は肌で感じ取る。しかし、リトル・ルーにとっては、戦争はわちゃわちゃした大騒ぎ。人がいっぱいいるなぁ、とか、知らないものがいっぱいあるなぁ、とか、プレイランドの一部でしかない。とにかくかわいい!
オレゴン図書賞受賞作。 -
Posted by ブクログ
大好きな服部京子さんの訳ということで手に取りました。
児童書なだけにカバーデザインが可愛い。
イギリスの第二次世界大戦中の話で、シビアそうな内容とは裏腹に13歳の少年と愛犬が軍の機密暗号を解読するという話しで、日本でいう少年探偵とその仲間たちって感じです。
愛嬌のあるキャラが多いのと、実在した人物がモデルになってたりするので海外小説の割には人物相関がイメージしやすい。
暗号自体はヒントがあるのでちゃんと読み解けばわかる内容だと思いますが、途中で面倒で飛ばしてしまいました。
たまに息抜きで読むには軽くて、さすが服部さん。
内容的には完全に児童向きかなあと。