古藤日子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
『ぼっちのアリは死ぬ』というタイトルから、心理学の本かと思って手に取ったが、意外にもサイエンス本だった。
たしかに、アリの“気持ち”を測ることはさすがにできないものね。
本書でいう「ぼっち」とは、集団の中で浮いている個体ではなく、隔離された1匹のアリのこと。
1匹になると子孫を残すことも、社会的な役割を果たすこともできなくなるので、「それはストレスだろうな」と思ってしまうが、本書はあくまで科学的アプローチで、からだに起こる変化に焦点を当てている。
孤立環境に置かれたアリでは、脂肪体で活性酸素が発生し、結果として短命になる――どうしてそうなるのかは、今後の研究に委ねられているという。
以下 -
Posted by ブクログ
タイトルにぞっとして購入。
ぼっちのアリは死ぬんだ。じゃヒトはどうなの?
社会性昆虫であるアリはヒトと似て、他社と関わり社会の中でそれぞれの役割を演じながら生きていく。
本書では、アリの社会構造や分業の仕組み、そして孤立したアリがどのような影響を受けるのかが詳しく解説されている。
例えば、アリは仲間と協力しながら生活する生き物ですが、孤立するとストレスを受けやすくなり、健康状態が悪化することが研究で明らかになっている。
孤立したアリは酸化ストレスが上昇する。さらに寿命の短縮とも深く関わっているのは、壁際に長く滞在してしまうというすみっこ行動であることが示された。
つまり、孤独したアリは酸 -
Posted by ブクログ
X上で見かけて、ほぼタイトルのジャケ買いをした書籍である。
書籍の内容はアリを題材として社会性の研究をするために、どのように実験を計画し、結果を評価するのか、その評価のための遺伝的手法と解析方法を説明したモノである。
生態学というよりは、遺伝子解析やその評価方法の説明を研究結果の論拠の説明のために多く紙面を割いており、遺伝子解析の基礎知識が無い人向けに解説するため苦労したのが垣間見えた。
(正直、読んでいて「なんでその結論になるんだ?」と思う箇所がいくつかあったが、
説明するためにはもっと踏み込んで解説する必要があるが断念したと認識した。)