中前結花のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
とてもとても良かった。
毎日少しずつ、大切に読みました。涙を流したエピソードばかりですが、優しい思い出とじんわり沁みる言葉に出会えました。
一編一編に感じ入り、心がほどけていくような心地よさ。なかでも「オトモダチ」が特に好き。優しさに包まれているみたいで、何だか泣きにそうなってしまいました。
自分の気持ちにしっかり向き合って、味わって、どんな感情も受け入れて考えて、動くことのできる中前さんは、とても繊細で柔らかい心をお持ちなのだろうなぁ。
自分の心の奥にある小さな感情の粒をもっと大切に、味わってもいいんだ。自分をもっと好きになれる。大人だから子どもだからとかなく、もっと伸び伸びそのままでいいんだと思えました。
じわりじわりと優しい気持ちで満たされ、幸せな心地にしてくれるエッセイ。
「読み終わりたくない。この文章にずっと触れていたい」と思いながら読み終えました。
素敵な読書時間でした!!
『道はある。わたしたちが出場権を握る大会はいくつだってある。輝ける舞台はきっとある。それを探して生きるのだ。「ここでいい」「ここがいい」と思える道を、そう思える場所を、居場所を探して歩くのだ。ある。絶対にある。』
『仕方のないときはある。我慢できないときはやっぱりある。そんなにずつまでずっと気張らなくたってだいじょうぶだろう。だって、まだまだ先は長くて。これからだってきっと頑張る。どうせ頑張る。そうやって毎日の山を1日1日乗り越えて暮らして、わたしたちは本当に偉いのだ。みんな弱いけれどすごくすごく強い。だって、ちゃんと拭うのも、泣き止むのもまた自分なのだ。』
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Posted by ブクログ
心が動いた瞬間がたくさん詰まっていて、その暖かさが読んでるこちら側まで伝わってきて。
過去から宝物を掘り起こして、こんなふうに愛せるのっていいなぁと。
"そうなのだ。全部全部、言葉になってたまるものか。「感動」だなんて言葉でまるめたくない、そういう胸の高鳴りが、抑えきれないものが、ぽろぽろと涙になってただこぼれていった。"
"だれが見てくれてるんだろう?と思うようなことにも意味がある。こんなにやらなくても本当はいいんじゃないの?と思うようなことにも、やっぱりちゃんと意味があるのだ。"
"やっぱり天気はちっともわたしに関係がない。雨が降ろうと、風が吹こうと。「好き」を選んで、構わずピンとしていればいい。暑い日だって、凍える日だって、その日着たい服を着る。自分の空を晴らす術なら、とっくに知っている。目の前に広がる窓と空。私は選べる。すべてはもう、ちゃんとこの手のなかにあるのだ。"
"わたしたちは気づけば、もうずいぶん「大人」だった。話す「ひとこと」もぽっちゃりなんてかわいいものでなく、ずっしり、がっしり、いつの間にかまるで大きな岩のよう。"
"戸惑いのなかで毎晩思うのは、「わたしの周りの大人たちも、こんな心境だったんだろうか」ということだった。みんな、いったいいつから大人になったんだろう。"
"すました顔をして、みんなと同じ壁にしっかりとぶつかりながら、傷つきながら、その人も暮らしていたのだった。"
"たくさんの人だかりといっしょになって、扉から吐き出され、「今日もやり終えた」というように、だれもがそれぞれの背中でそれぞれの家に帰って行く。こうやって、毎日の「暮らし」を積み重ねて時間は過ぎていくんだけれど、いったい「大人」ってなんなのだろう。"
"人は何歳になるのもはじめてなのに、みんな「平気」のような顔をして、その人だけの暮らしを一生懸命積み重ねながら生きている。それは苦しくもあるけれど、前を歩いてくれている人たちがいるということ。前を進んでくれている人たちがいるというのは、どれだけ心強いことか。「みんな、はじめての道を毎日歩いて、本当に偉いよなあ」そんなことを思いながら、今日も月の下を歩く。"
"だれもスーパーマンじゃないけれど、いつもそれぞれの暮らしの主人公を頑張って、本当に本当に偉いのだ。強がりながら、ぶつかりながら、気をつけながら、一生懸命生きている。"
"髪型や爪先の色を褒められるのもそりゃあ嬉しいけれど。どんな気分で、どんな気持ちでいまあなたと居るか。それを伝えてくれるようなその言葉に、くすぐったいようだけれど、なんて嬉しい表現だろうかとわたしはそう思ったのだ。" -
Posted by ブクログ
エッセイと言われるもので私が今まで読んだものは、贔屓の小説家が書いたものが多かったように思います。
なぜなら、エッセイは、書き手の人となりがわかっていないと読む気がしなかったからです。
でも、著者の中前結花さんのことを全く存じ上げないのに評判の良かった1作目の「好きよトウモロコシ」を読んでみたくなり、さらに2作目も読みたくなり、今回の3作目も読みました。
今回も言葉一つ一つが優しく紡がれていきます。
作品に登場する中前さんのお母様が中前さんに掛けていた言葉が優しく、そんなお母様の影響なのかなと思います。
読んでいたら、リリー・フランキーさんの「東京タワー、オカンとボクと、時々、オトン」に出てくるお母様を思い出しました。
どちらのお母様もいつでも我が子の味方でいる、そんな優しさに溢れた方だと感じました。
まだ中前結花さんを存じ上げない方にも是非おすすめです。 -
Posted by ブクログ
やっぱり中前さんとわたしは似ていると思う。色んな涙をこぼしたシーンについての短編集だけど、いろんな言葉にしきれない涙の訳がたくさんあったんだなと読み終えて思う。なんて豊かな人なんだろうって。お母さんを思い出して、自分を自分で癒すことができなくて、なぜだか分からず流れる涙もあって。大事だと思う人から教えてくれたことはなんでも試してみるとか、涙した瞬間から人としてどんな変化があったのかも勉強になった。
9月3日を読んで、わたしが幼い頃に毎年通っていたおばあちゃん家の近くの公園で開かれる夏祭りのことを思い出した。もう10年以上は訪れていないおばあちゃん家、夜中突然にあの夏祭りにまた行きたくなってGoogleMapで遡る。キャラクターの袋に入ったわたあめとくじ引きでゲットした文房具を手にるんるんで駆け上がる坂が画面越しに出てきて、涙がぽろぽろと溢れる。
わたしはこれからもいろんな涙を流していくんだろうな。 -
Posted by ブクログ
ぽろぽろと涙をこぼしたエピソードを集めたエッセイ。
ぽろぽろの涙には、いろんな思いが詰まっていて…
悲しい思いばかりじゃなくて、切なかったり、ちょっと笑えたり…。
ドロップのようにぽろぽろとこぼれてくるのは、可愛いとも思える。
優しいお母さんの思い出もあるのだが、「神様のテスト」や「アドベンチャー」などはお父さんが面白かったりする。
「湿布のアイス」は、ひとりでバレエのレッスンに行った帰りに買ったアイスが、チョコミントで食べれなくて涙したことが、なんとも切なく思えた。
ちなみに私もチョコミントは苦手だ。
ぽろぽろの涙にはいろんな記憶があった。
それは温かい涙のように感じた。