民俗学者の岸澤美希さんが、やさしく日常の習慣をキーワードに民俗学的な事柄を語った本。自分たちの暮らしの習慣に、どんな由来や人々の思いがあるのか、知れる一冊。特に、旧暦、二十四節気、新暦の解説は、節分、七夕、お盆、お月見の実施時期の疑問解消にとても役立つものでした。多くの事柄を取り扱う民俗学の入り口の本して、手に取ってみることをお勧めします。
民俗学とは、私たちはどう暮らしてきたか、という問いに答える学問で、変わりにくいモノと変わりゆくモノを明らかにしていく。変化というものに注目したときに、ある日を境に暮らしが急激に変わることはなく、例えば竈・囲炉裏から、ガスコンロ、そしてIHヒーターもグラデーションを持ちながら変化していく。そのグラデーションは、例えば地域によっても存在し、色々な地域の暮らしを比較することで、時間的な移り変わりもわかる。
フォークロアはイギリスで産業革命で急速に消えていく庶民生活の収集という性格があり、フォルクスフンデはドイツ帝国の国民性や民族性を研究する性格があり、柳田の提唱する民俗伝承の学とは異なる。民俗伝承の学(民俗学)は、古いものが固定的に伝承されない、移り変わりの中にあることを認識し、その歴史を明らかにすると区長を持つ。
暦は、太陽太陰暦(旧暦)、二十四節気、グレゴリー暦(新暦)がある。
古来、日常生活は、月の満ち欠けで分かりやすい旧暦と、季節を認識する二十四節気で運用されていた。1873年(明治6年)新暦と定時制(24hr)が採用。
年中行事は、神迎え/神送りが基本で、霊的なものを消費しながら暮らす、ケと、ケがなくなった状態のケガレ、霊的なものを充填するハレ、に紐づく、お米や大豆のような食べ物、菖蒲や笹やススキなどの植物、ひな人形や灯篭などの道具などを用いて、神を迎えたり、厄を移したりする。
柳田国男、折口信夫、瀬川清子のこともコラムで紹介されている。