遠藤浩二のレビュー一覧

  • 追跡 公安捜査

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    国家権力の犯罪=大川原化工機事件の取材を通じて公安・検察・裁判所の共犯関係を暴く。
    何よりも無実(というかでっち上げ)の罪で逮捕され長期間勾留され、体調悪化で癌が発見されたにもかかわらず、保釈請求が認められず十分な治療を受けることがかなわず逝去された顧問の相嶋さんと家族の無念さは想像を絶する。
    公安の自分たちのでっち上げストーリーを十分に検証することもなく、立件に不都合な証拠や事実は隠滅し自らの組織と出世欲と保身にまみれた輩に権力を保持させることの恐怖と権力を抑制させるための有効な機関が不可欠と感じる。
    本来その役割をするべき検察も事件を立件する実績重視から人権を軽視した捜査手法がまかり通るこ

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    2025年09月21日
  • 追跡 公安捜査

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    警視庁長官狙撃事件と大河原化工機事件。警視庁公安部が犯した大きな過ちを取材したもの。
    警視庁長官狙撃事件において、公安部は一貫してオウム真理教」の犯行と断定して捜査を進め、時効を迎えたが、筆者は「真犯人の支援者」と接触し、また、別の見立てをしていた刑事部が結成した特命捜査班も取材、真犯人にたどり着いている。
    大河原化工機事件においては、国家賠償請求訴訟における現職警察官の「捏造」という証言を契機に取材を進め、公安部内部での力学も含め、冤罪事件の全容を描いている。
    筆者の取材による記事が裁判の証拠にも使われるほどの綿密な取材であり、ジャーナリズムにはこういった地道で社会的な意義のある調査報道を期

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    2025年08月13日
  • 追跡 公安捜査

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    警視庁公安部の正義とかけ離れた捜査は、人の命まで軽視する事態に波及する。権力組織に蔓延する責任所在の不明瞭が暴力性に拍車をかけていく。これを看過する事なくメディアは権力の監視を怠ることを切に願う。そうでなければ公正であるべき司法制度まで瓦解する。私たちの生活は思わぬところから不条理に陥るかもしれない。それが信頼すべき組織内の出世欲だとすればあまりにやりきれない。謝罪では済まない冤罪の非人道性、そして腐敗する組織の本質を問いただす筆致に感嘆する。

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    2025年06月30日
  • 追跡 公安捜査

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    警察組織内の役職名や序列の知識がないため読みにくいところはあったが、著者の熱い正義感と情熱は読み応えがあった。特に大川原化工機の相嶋氏の最後に関わる章は涙なしには読めなかった。同調圧力の強い日本においては、兵庫県、鹿児島県警、関西財務局の例のように、内部通報は命がけで行うことになってしまっている。このような嘆かわしい現状を、深く実感させられる本だった。

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    2025年06月15日
  • 追跡 公安捜査

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    警察庁長官狙撃事件、大川原化工機事件、
    二つの「事件」を通して、
    公安がいかに酷い捜査をしてきたかを、
    毎日新聞東京社会部の記者が取材をもとにまとめ上げた本。
    狙撃事件は結局迷宮入りしたにもかかわらず、
    公安は最後まで「オウムの犯行」といいはる。
    しかし、実際は犯人に協力したという証言をする人がいた。
    記者はその人と接触もしている。
    警察もその線で犯人を特定していたのに、
    公安が「犯人はオウム」と決めつけたため、
    正しい証拠は採用されず、犯人を取り逃がした。

    そして大川原化工機事件。
    これは青木理さんをはじめ多くの方が語っているので
    概要は知っていたが、記者はかなり掘り下げている。
    公安の

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    2025年05月19日
  • 追跡 公安捜査

    購入済み

    今読むべき

    新聞で気になってた大川原加工機事件。なぜ冤罪が生まれ、刑事手続が進んでしまうのか。腐敗した組織の様を知ることができた

    #タメになる

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    2025年03月22日
  • 追跡 公安捜査

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    信憑性の高い自供があるのに未解決で片づけた長官の狙撃事件。その病理は糺されることなく、大川原化工機事件の暴走へと続いた。当局でさえ欠陥ありと認める規制への違反。無理筋の立件も公判を維持できず。捜査員をして”捏造”とまで言わしめる。その迷走ぶりは、警視庁公安部という一組織に留まらず、日本の官僚システム全体の構造的欠陥を示唆する。…民への奉仕よりも自らの立身出世。無理を通してでも目立たねばならぬ宿命。どんな過ちでも認めてはいけない無謬性。…犠牲になった一つの命。その重さを感じることから始めねばならない。

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    2025年06月29日