城戸川りょうのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレTSフードサービスの三年目社員 高宮麻綾は社内コンペで新規事業「メーグル」の提案を行い、見事に優勝した。しかし提案した事業は突然白紙に戻されてしまう。会社の過去の事故や上層部の思惑が関係していることを知った高宮は、迫りくる困難に立ち向かい、メーグル事業化のため奔走する。
会社のむかつく上司や同僚、降り注ぐ理不尽を吹っ飛ばしていく痛快なお仕事ストーリーにミステリ展開も絡んできて引き込まれる。そして帯とかを見た印象では、むかつく上司や理不尽なことを跳ね飛ばす痛快さが強調されているけど、実際はすごく熱量のあるお仕事小説。「海を漂う小瓶が太陽の光を受けてきらりと輝くみたいな、キラキラした愛おしい瞬間。」というフレーズが述べられていたが、お仕事ってそうだよなあという気がする。海を漂う小瓶って言ったらゴミなのに、それが海面で揺らめきながら煌めいて綺麗に見えることがある。仕事も一般的には嫌なことが多い。そんな中でキラリと輝く瞬間があるということを示すすごく良いフレーズだなと思った。
引継書というタイトル通り、冒頭から異動による高宮からの引継書の内容が書かれていて、飛ぶ鳥後を荒らすといった感じの内容だけど、この引継ぎっていうのは、先人たちの想いを引き継いで仕事をするということを指していることに最後気付かされた。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ作家、東大経済学部卒、35歳。
事業経営に詳しく、会議内容も現実化した文体で
読者をどんどん引き込んで行く!
TSフードサービス 営業部トレーディング三課
鶴丸食品戦略統括室
引継者: 高宮麻綾 被引継者:
1.あたしが勝たなきゃいけない理由
天恵が三ヶ月前に親会社の鶴丸食品からうちの会社に出向してきて以来、高宮が天恵の教育係を務めていた。
弊社の少額出資先であるデメテル株式会社が開発中の新製品『LENZ』を製造時に添加することで、特定の食品の風味や美味しさを飛躍的に長く維持することができます。
フードロス問題を解決する『メーグル』を、どうかよろしくお願いいたします」
高宮のボスであるTSフードサービスの温水柔助社長
デメテルの社長である出目豊照
食料品ビジネス本部 戦略統括室 真砂壮太郎室長。
―― カンコーの爆発は事故ではない。志村さんは、会社とFBに殺された。
2.会社と戦るなら徹底的に
『神田酵素研究有限会社に於ける爆発事故の顚末書、後任への引継書』文責:バイオテクノロジー部 飯山信繁
代表取締役社長の出目豊照と、技術部長の梅村忠義、それから製造部長の尾藤正介だ。
3 さらば愛しき密告者
「鶴丸食品広報部次長の沢北です」
『鶴丸食品、酵素バイオベンチャーと共同開発 フードロス問題解決の一助に』
4 窓際のいびり姫
『神田酵素研究有限会社に於ける爆発事故の顚末書、後任への引継書』
「志村さん、飯山くん、恩賀くん、そして高宮ちゃん。脈々と引き継がれてきたのね」
「志村さんと飯山くんの無念を、晴らしてちょうだい」
5 事業が死ぬのはいつだと思う
高宮 麻綾(現)人事総務部 (新)デメテル株式会社 調達部(出向)
殿岡本部長の一言で、
「デメテルへの出資継続を認める。指示事項は研究開発費の大幅削減と、三年以内の黒字化。
志村でウィルソン、若村でジャクソンと同じだわ。梅村さん、あんたが人殺しのFBよ!」
6 高宮麻綾の引継書
―― 高宮 麻綾(現)営業部トレーディング三課 (新)鶴丸食品株式会社 食料品ビジネス本部 事業推進部(出向)
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会社への不満を抱えるすべての人へ捧ぐ!
\こんな会社辞めてやる! そう思ったことがある人、全員集合!/
精魂込めて作り上げた新規事業が、親会社に潰された。理由はリスク回避。
「なんであんたたちの意味わかんない論理で、あたしのアイデアが潰されなきゃなんないのよ!」
怒りを爆発させた三年目の社員・高宮麻綾は、社内外を駆けずり回り、“リスク”の調査に乗り出す。
私は私の仕事をモノにしてみせる――
だってそういうたまらない瞬間のために生きているんだもの。 -
Posted by ブクログ
大手企業の子会社に勤める主人公高宮麻綾が、親会社で行われるビジネスコンテストで優勝するも、その企画が白紙撤回される、というところから始まるストーリー。
純然たるミステリーというよりは、ミステリー要素のあるお仕事作品といった感じ。
主人公のバイタリティーがとにかくすごい。うまくいかないこと、逆境の中にあっても、立ち直り、立ち向かい、仕事に取り組んでいく姿には力強さしか感じない。
そして企画の白紙撤回に絡む謎と真相、散りばめられた伏線の回収は読み応え十分であった。
あと、登場人物が多くてついていけるかな、と思ったが、読んでいくとまったく問題なく読み進められたのも良かった。不要な人物はおらず、その配置も絶妙と言える。
ただ、内容量300ページ強はちょっと長さを感じたかな。
読み進めるのにエネルギーが必要な作品かもしれない。 -
Posted by ブクログ
ミステリー要素も入った痛快お仕事小説。食料原料の専門商社「TSフードサービス」に勤める3年目社員・高宮麻綾が、丹精込めた新規事業案をリスク回避を理由に親会社に潰されたことに憤慨し、なんとか新規事業を復活させるために奮闘するというあらすじ。著者の城戸川りょう氏は、東大卒の現役商社社員で、本書がデビュー作とのこと。
デビュー作とは思えない、よく作りこまれた小説で、エンタメ的なお仕事小説として、とても楽しめた。「たまらない」と思える瞬間が仕事の原動力という高宮麻綾の感覚に触発されるなど、仕事に向き合う上での示唆も得られた。
冒頭に掲載されている登場人物のイラストが、それぞれの文章上のキャラとよく合っていて、話のイメージがしやすくなり、グッドポイントだった。
ただ、主人公の高宮麻綾が、あまりに高慢、強引すぎて、共感できない部分も少なくなかった。