ルーマー・ゴッデンのレビュー一覧
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ドゥーンという天賦の才能を与えられた子が次第にその能力を開花させていくさまが本当に楽しい。その合間でクリスタルはなんて嫌な子かしらと苦々しく読み終えた上巻。ところどころ時間軸を見失いそうになりつつも、そのストーリー夢中になっていると「あれ?いつのまにかクリスタルの気持ちに添いながら読んでる?私」
上下巻の表紙がこの姉弟それぞれとなっているように下巻はクリスタルの話だった。
人というのは、自分と正面から向き合えるようになるまで、これだけの困難や葛藤を乗り越えなくてはならないのかもなぁ。ドゥーンのように純粋な気持ちだけで伸びやかに成長してきた子が羨ましいよね、そりゃ。
それにしても、進もうとする子 -
Posted by ブクログ
姉クリスタルが在籍している、王立バレエ学校に入学した弟ドゥーン。上巻に続き、姉は弟の才能を妬み、辛くあたります。このままどうなることやら、と思っていましたが……
最後の方の急展開には、驚きました。クリスタルの心の成長を表す描写は素晴らしかったです。彼女の年齢は15歳でした。新しい自分に生まれ変われる思春期。どんなに苦しくても、自分の力で自身の殻を打ち破ることのできた人の人生は、ひときわ輝きを増すのだと思います。大人が読んでも読みごたえがあり、新たな発見が児童文学にはあると感じます。
訳者あとがきの次の文が心に残りました。
「….何かの分野で、自分ならではの表現を求められる人には、ときにはず -
Posted by ブクログ
バレエダンサーを目指す兄弟の物語です。父親より母親の熱の入れようがすさまじく、初めのうち姉のクリスタルにばかり気持ちが入り、弟のドゥーンは蚊帳の外。ドゥーンの素晴らしい才能になかなか両親は気づきません。ドゥーンは両親から理解を得られない時期に、素晴らしい指導者に出会います。
人は「自分はこの道に進むたい」というものに出会えたときに、本当の意味で自分の人生を生きられるのだと思います。どんな困難にもめげずに、自分を信じて突き進むドゥーンが今後どのように成長していくか、弟の才能の素晴らしさに気づき、嫉妬心が見え隠れする、姉クリスタルの心がどう変わっていくか、下巻が楽しみです。