宮崎拓朗のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
農協の闇を追った「対馬の海に沈む」という本が面白かっので、その郵便局バージョンのような本書。
「対馬の・・」の方は農協の保険の違法契約の話で、謎解きのような面白さがあったのですが、こちらの方は保険業務だけでなく、配達業務、局長人事、選挙運動など幅広く、根深く、より大変な話だった。
読んでいて辛い本でした。綿密な取材に基づく労作なのに解決の糸口が見えず暗澹たる気持ちになった。
この本は西日本新聞の記事を元に書かれているのですが、書かれる前にNHKのクローズアップ現代で郵便局の問題が取り上げられたのに一向に改善されないところから話が始まります。
1.日本郵便という巨大な組織が闇を抱えているのに、い -
Posted by ブクログ
ブラック郵便局 西日本新聞記者 宮崎拓朗
「かんぽ生命」が高齢女性を狙い、保険を押し売りした「事件」の詳細から、この本は始まる。
信頼されている郵便局の人が来たとなれば家にあげる。
今は言っている保険を変更することを提案される。
断ってもしつこく粘る。あるいは認知症が入っていれば、任せる。
結果不要な生命保険に加入される。
後で気づいた家族がクレームを言う。
本人がサインしていれば有効と言い張る、、、
信頼を裏切る詐欺行為。
局員の良心をマヒさせるノルマ。
郵便配達員にもノルマは襲い掛かる。
無理な配達ノルマ。残業はするな、時間通り配達しろ。
さらに販売ノルマ。かもめーる、年賀状、通販、、 -
Posted by ブクログ
もう10年以上も前だけど新卒で郵便局(当時は郵便局株式会社)に勤めてた身としては、まぁそういう組織だよなあ、といった感じ。保険も貯金もノルマがあって、いかに目標達成するかに気を取られて全然仕事のやりがいみたいなのは感じなかった。ただ私の勤めてた局は業務が多忙だったのと、局長が社員を守ってくれるタイプの人だったので自爆営業やパワハラみたいなものはなかった。(お客が多いと割と目標達成しやすい)ただ業務後に部会で集まる勉強会はあったし、年賀はがきは両親の友達まで巻き込んで買ってもらってたし、なんなら当時付き合っていた彼の両親にまで購入をお願いしてた。年賀はがきの出張販売所は見せしめというよりは普通に
-
Posted by ブクログ
西日本新聞がなかなか骨のある記事や社説を出すことは知っていたが、この本はあっぱれ! だ。
郵便局は悪の巣窟だね。働く人の大変さは聞いていたがこれほど酷いとは。
なぜ局の数が減らないのか、過疎地を含め全国津々浦々の人々のために頑張って守ってくれているのかと思っていた。
郵便局長の世襲の問題とかこれまでもあった既得権益を守りたいという心理の上に、いうことを聞かない者への恫喝も加わって、もう滅茶苦茶な会社を信用する気持ちは一滴もない。
自民党が利用する(利用される)組織は統一教会をはじめとして法を法とも思わないところだね。大企業も似たようなものか。 -
Posted by ブクログ
暗黙の了解だったこと、周知の事実だったこと、それらを読める形(残る形)にしてくださり、すばらしいと思います。
パワハラや、選挙違反の加害に立つ人たち(ただの噂好き、周囲に無関心な人も含め)は、読まないかもしれない。そして、何も感じていない。
被害にあった人たち、被害にあうかもと怯えながら日々疲弊している人たちは、たぶん本書を手に取り、身につまされていると思う。
闇が多すぎて、これは浮かんできたほんの一部。
毎日あの環境で働いてくださる善良な職員の方たちの存在も忘れない。
善良であるないに関わらず、そこで給料をもらうために働いている、という人たちのことも忘れない。
公務員として職に就いたか -
Posted by ブクログ
西日本新聞の記者がえぐる日本郵政グループの闇。
厳しいノルマ消化のため犯罪行為や自己購入(「自爆営業」)に手を染める末端の局員(や外注スタッフ)たち。
人格否定レベルで部下を追い詰め、時には死に追いやる上司と見て見ぬふりをする本社役員。
まるで昭和の悪しき慣行をそのまま(むしろ拡大して)踏襲しているようで、暗澹たる思いに駆られる。
明治初年の逓信制度発足以来の特定郵便局の局長は家業となっており、当初は報国精神が勝っていたのだろうが、百余年後の現在に至ってはむしろ既得権益化し、一任意団体である局長会の意向を独立企業(とはいえ半官半民)の郵政Gに押し付けるなど、弊害は大きい。
局長の世襲率 -
Posted by ブクログ
JAの次は郵便局…しかも“ブラック”です。
郵便局ってどこにでもあって、だから安心できるしそれなりに信頼もあったけれど、なにこれ?って感じでしたよ。かんぽ生命の保険勧誘とか、産直品のノルマがあることは薄々感じていたけれど…これほどまでにひどいことだったんですね…。年賀状とかかもめーるとか…郵便料金もあがって、私もだけれどますますもういいんじゃないかって思うようになった方も多いんじゃないでしょうか?今年はどうなんでしょうね?局員の皆さんのノルマがきつくなってしまっているんじゃないかと心配です。それに、パワハラ体質と世襲制…選挙の票あつめとか??追い詰められて、心身のバランスを崩したり、自ら -
Posted by ブクログ
実に清々しい。
実に、清々しいほどの、クズっぷり。
書いてあることが正しい前提だが、多分、正しい。全く違和感もない。
保険の押し込みとかは多分銀行あたりでも昭和の最後から平成の頭でも同じようなことをやってたはずで、何を今やってんだと思ったが、局長会の話になってから、こいつら完全に頭がおかしい。
反省をしない。
アレだよね、民間金融機関がそれでもあったことを認めてごめんなさいして来たことがあったとして、こいつら、事実を認めず事実があっても意味を認めず、なし崩しだよね。
既得権守るために。
小泉純一郎が郵政解体をやったが、結局、解体して意義とか価値とかギリギリあった上澄を蒸発させて、クソな