北村浩子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
日本語教師が、日本語を会得した外国人9人に、日本語を学習する上での苦労話などについてインタビューし、それを元に書かれた本。
インタビューの相手に選ばれた人は皆各界で活躍する人ばかりで、また魅力的な人物なので、その内容はとても面白いものになっている。
韓国出身で日本で芸能活動活動している人は、あるインタビューで、「韓国の親戚は私の活躍を見て喜んでいますよ」と答えた後、マネージャーに日本人は自分が活躍してるなどとは自分から言わないと言われ衝撃を受ける。
イタリア語を母語とする人は、日本語を学び始めた時、名詞に男性や女性がないのに、どうやって会話が成り立つのか不思議だったそうである。
ドイツ語を母国語とする人は、日本語の教科書の最初の方に必ず載っているのに、実際にはほとんど使われない言葉があるという。それは「いいえ」。(「いや」は使う)
フィンランドでは、感動を伝え合うことがなく面白かったやおいしかったとは普段言わない。
ウクライナ語やロシア語は感情を表す言葉が豊かでなく、そのためウクライナ人のある男性は日本語で声優をやることで新たな自己表現の手段を手に入れたと語っている。
あるベトナム人は稲盛和夫さんの本を一年かけて読み通す。
また、日本語に侮蔑語や賞賛する言葉が少ないのも驚きのようだ。代わりに贈り物などで感謝を表現したりすると思えるらしい。
外国人が日本語学習を通じて知り得たことは、日本人にも面白いことばかりだった。 -
Posted by ブクログ
日本語教師になるために勉強中の私ですが、とってもよい学びになりました。
日本語の具体的な教え方が書いてあるわけではありません。
外国人が学んだ方法を具体的に考察するわけでもありません。
ただ、日本語がすごくうまくなった外国人9人が、それぞれの考え方や日本語に対する思い、とかを話しています。
独自の学び方をした方、ポジティブマインドでコミュニケーションを積極的に交わしていった方、もっと日本語を話したいと思いながら、間違いが恥ずかしくて話せない方など、いろいろ。
やっぱり性格と合致した学習方法を確立した方は、やっぱり上達しているのだなということがわかる。そして、教科書で習う日本語で使わないものは多いし、実際にない場面もあるよね、という指摘も笑えた。
「いいえ」はたしかに、使わないし、大家さんに旅行のお土産を渡すなんてこともあまり考えられない。
現代はファミレスでもスーパーでもセルフ化が進んで、行政か病院、美容室くらいでしか会話がない、というのも納得。
ほんとうに、日本語を学ぶ外国人はすごい! すばらしい!
他文化に興味をもって、恥ずかしい思いや悲しい思いをしても挫けずに、日本語を学び続けようとしてくれている、そんな外国人の方をほんとうに尊敬するし、そんな人を支援できるよう、私も頑張ろうと思えました! -
Posted by ブクログ
常々日本人の側から外国語を習得することについて興味があり関係の本をいろいろ読んできた。特に語学を勉強していてどの段階で言葉が「わかる」「話せる」と感じるようになるのかを知りたいと思っていたらなんと、外国人側から日本語にアプローチした人たちへのインタビューとは!とても面白かった。間に挟まれる日本語クイズにも新しい発見があり、自然に母語になった言葉なのに知らないわからないことがあることが驚きだった。(わりと簡単と思われる問なのに)
へーと思った箇所がたくさんあったが、日本語を話すようになって一度も使ったことがないことばが「いいえ」という人がいて、なるほどそうかもと納得した。私も会話で使ったことがないかも。アンケートに回答するときぐらいしか目にしないような。あと外国人力士がなぜ日本語がうまいのかの説明を最後の章でされているのだけど、以前に読んだ同じようなタイトルの本よりも納得の答えだった。このインタビュー企画第2弾も読みたい。 -
Posted by ブクログ
外国人から学ぶ日本語で気になったのが、日本人にも解説が難しい日本語ルール、連濁:「葉」+「桜」=はざくら、「タメ口」=「昨日車で海に行ったんだ」=「だ」「よ」「ね」、日本語には名詞に男性・女性の区別がなく、単数複数もない:「私」「私たち」、意味の違い:「ありません」と「ないです」の違い、「大事」と「大切」の違い、「〜ばかり」と「〜ところ」の違いなど。日本語を覚えるには日本文化を理解することが一番の早道で「間違えることを恥ずかしいとは全然思わなかった」とあるように会話は勇気を持って話すことで上達する、と言う。また、日本語は感覚、表現豊かな言葉が多くあり、フィンランド人は感情等を表現するのが苦手で「愛しています」は絶対言わない、と言い、「好きです」「美味しい」「かわいい」なども滅多に使わない国らしい。日本語の難しさは相手によって言葉使い(敬語尊敬語など)が変化すること、またオノマトペ(擬音語+擬態語)が多く感覚的なニュアンスが理解し難いという。
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Posted by ブクログ
日本語を母語話者と同様に話すことが出来る外国の人々に、どのように学んできたのか、どんな苦労があったのかを日本語教師である著者がインタビューしている。
日本語教師として働きたいと考えている私にはとてもためになる内容だった。もちろん、日本語教師とは無縁の人が読んでも面白いと思う。
母語では伝えられることを日本語で伝えられないことのもどかしさに激しく同意した。私自身、英語の学習でそれを感じているからだ。そして、おしゃべりな人ほどそれを感じるのかもしれない。
また、ある人は高校時代の日本語の先生に「やばい、超、めっちゃ」は使っちゃいけないと教えられた。これらは万能な言葉であるから、これらを使うことによって表現力が育たなくなることを危惧したアドバイスだと思われる。「単純な言葉って化石化しがちで、慣れちゃうとそれに頼ってしまう」という彼女の言葉にも激しく同意した。これは、日本語母語話者にも当てはまる話ではないだろうか。私自身、「すごい」という言葉はなるべく使わないようにしている。これも単純であるから、多用しがちで、それによって表現力ばかりでなく、思考力も低下する気がする。すごいが頭に浮かんだら、何が?といつも考えるようにしている。
日本語教師ならではの日本語クイズもあり、改めて日本語について考えさせられた。私たちは普段何気なく使って、何となくその違いが分かる言葉でも、日本語学習者には、その違いが分からない。そんな表現を深く掘り下げて考えられるクイズだ。答えを考えるのも面白い。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ私も非常勤講師として、専門学校で留学生たちの授業を担当しています。
もう、数年経ちますが、なかなか思うように、伝えられていません。パソコン用語などでも日本語化しているものもあり、一苦労。
英語もできないので、日本語英語の発音を留学生たちに笑われたりしています。
そんなわけで、少しでも参考になればと思い手にしました。
9カ国9名の日本で活躍する外国人が登場。
日本語教師でもある著者が、それぞれの日本語との出会いや勉強方法をインタビューしています。
日本語の何に戸惑うか、日本語の教育や教材について、日本語とそれぞれの母語の違いについて、という「言語」としての日本語についての気づきも多くありました。
しかし、私が一番、この本で学べたのは、日本語を学ぶ外国人との接し方です。
フィンランド出身のラウラ・コピロウさんは、高校で日本に留学した時のホストファミリーが「(前略)『おはよう』って言うと『〈おはようございます〉だよ』というような感じで、面倒くさがらず指摘してくれました。『いいよいいよ、外国人だから』みたいに扱われなくてほんとうに良かった。いいご家族に恵まれました。(後略)」(126p)
中国料理の大家、孫成順は「(前略)(日本に来て) 3年くらい経って、東京に来てからですね、大変だった。まだ言葉が出来ないから、分からない時に『すみません』って聞くでしょ。東京の人、逃げるんですよ。残念でした」(43p)
著者も書いているが、わざわざ日本に来て、学び、働く人たちには尊敬しかない。
私も日本語しか話せない、異国の地で母国語ではなく、その地の言葉で生活していくことがいかに大変か。二カ国語を話せるという、私よりもずっと能力の高い人たちに教えているなんて。 この本に登場する人たちはいわゆる成功者。しかし、私たちが普段接する、日本で働く人たちはより苦労が多いはず。私の接する留学生たちも、アルバイトに追われ、がんばって生活している。
そんな彼・彼女らに寄り添って接してくれる人々が増えることを願う。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「イタリア語では言えないけど日本語では言えることもあるし、その逆もある。パターンをたくさん知ると、自分の世界が内側からどんどん広がっていくし、心も豊かになるような気がします」
「…表現が増えると感情も増える。言葉と感情は連動しているからだ。逆に同じ言葉ばかり使っていると、気持ちも単純になるし、表現も平らになる」
留学などで、初歩の英語のみが伝達手段であるとき、思考も単純化してしまうというような記事を新聞で読んだことがあり、驚いたのですが、上記のふたつも同じようなことを言っているのだと非常に興味深く読みました。
それは外国語と母語で起きるだけでなく、母語のなかだけでも起きることだと思います。
本をたくさん読んで、使える表現のパータンを増やし、より複雑な思考ができるようになりたいと思いました。
外国語に関しては、なかなか学習が続かないのですが、思考をより深く複雑なものにするためという動機に基づいて学んでいく方式をとれば、私のようなタイプは長続きするのではないかと思いました。