佐野雅代のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ『その場で言語化できるメモ』を読み終え、感じたことを率直に綴る。
本書の核心は「1本線メモ」という単純なフレームにある。中央に線を引き、左に事実、右に解釈を分ける。この手法が生まれた背景には、著者が裁判所書記官として培った「情報の取捨選択」の技術がある。法廷では、感情や推測ではなく「証拠として有効な事実」を瞬時に選別する能力が求められる。その厳密性が、ビジネスパーソンの情報処理にも応用可能だと気付かせてくれた。
従来のメモ術と異なる点は「認知負荷の最適化」にある。脳科学でいう「ワーキングメモリの限界」を逆手に取った設計だ。左側に数字やキーワードだけを並べ、右側で仮説を立てる。この分業が、思考の混線を防ぐ。例えば会議中「新規ユーザー▲20%」と左に書いた瞬間、右には自然と「広告ターゲットの再検討」が浮かぶ。事実と解釈を物理的に分離することで、脳内のキャパシティを解放する仕組みだ。
実践してみて驚いたのは、メモが「思考の軌跡」として機能することだ。あるプロジェクトの初期メモを振り返ると、右欄に「外注先の選定ミスか?」とある。三週間後「→過去実績のあるA社に再発注」と追記されていた。このプロセスが、無意識のうちに問題解決を促進していた。法律家が証拠を積み上げるように、思考の断片を可視化する行為そのものが、最適解への道筋を作る。
批判的な視点も述べると、デジタルツールとの連携方法が不足している。手書きを前提とした手法は、音声認識AIやクラウドメモとの融合に課題を残す。また「全てを記録しない」という判断は、経験の浅い人には難しい。最初の一週間、重要な情報を切り捨てて後悔したこともある。
それでもこの本が光る理由は、現代人に必要な「許容可能な均衡」を見出している点だ。情報過多の時代に、完全な理解を諦めず、可能な範囲で最適化する。裁判所という「正解」が絶対的な世界で磨かれた技術が、曖昧さを抱えるビジネスの現場でこそ響く。メモ帳の中央に引かれた1本の線が、思考の防波堤となる。 -
Posted by ブクログ
積読(つんどく)が得意な私ですが(笑)なるほど!そんな使い方も…へぇ!と思っているうちにあっという間に読み終えていました。
私は小学校で講師をしているのですが、はじめてから日も浅く、活動が思ったようにうまくいかないという時も…(泣)
この本をせっかく読んだので、授業の改善のために、このメモ術を活用してふりかえってみることに。うまくいかなかったと感じる授業をピックアップして、左側に児童の発言・私の指示や発問、クラスの様子を書きだし、右側にその時の私の感情を書き込み、さらに色を変えて、どうすれば良いと思うか改善点を記入していく。
すると、自分がどんな時にモヤモヤするのか、そもそもどんな様子や姿を児童に期待しているのかなどが言語化されていく。
そして、このメモを書き進めていくと、自分の中の子ども観・教師観・教育観・授業観という価値観を深掘りせざるをえない。そしてそこを深掘りしたからこそ見えてきた自分の中でのか曖昧さや、パラドックスが、モヤモヤの一因だとわかった時にはすごくスッキリした。
おそらく、このメモを使って振り返っていなかったら日々の忙しさの中で感じる、なんかうまくいかない、なんか違うという違和感を見逃していたと思うのです。
私の教員生活のおともに一本線メモをこれからも活用できたらと思います。課題は、そのメモを書く時間を確保することです…!習慣化できたら良いな…。
余談ですが、この本を読もうと思ってたまたまリビングのテーブルに置いていたら、主人が「この本おもしろそう!読み終わったら僕にも読ませて」と。リビングに私の読んでいる本を置いておくのは珍しいことではないのですが、「自分も読みたい」と言ってきたのは初めて。わぉ!笑 その後、読んだ主人にも感想を聞いてみました。
「メモの取り方や1本線をひくという考え方・やり方の説明の後に使用場面ごとに豊富な例とともに実践の仕方が紹介されていて、とてもわかりやすく読みやすかった。自分に当てはめるとすると、今抱えているプロジェクトが4者の板ばさみ的なコーディネーターの役割で、4者それぞれの言ったことと自身のプロジェクト進行のための考えやタスク管理をするのに、「線をひいてメモを取る」ことで、頭の中を整理し、次の手を打つのに役立つと思う。」とのことでした。
男性も女性も1本線のメモ術で頭の中をスッキリできちゃいますね♪ -
Posted by ブクログ
ノート術等はたくさんあるが、とてもわかりやすかった。
多分初めての著書なのだと思う。全てを出そうと言う気込みが本から伝わってきて、充実した内容だった。
やり方は、ノートの真ん中に1本の線を引くこと、それによりごちゃごちゃした情報をはっきり分けることができると言う特徴がある。
基本は
左に事実、起きていること、自分以外の人の言葉などを書き
右側考えや感情、自分が考えたり感じたり、思いついたアイディアなどを書く
右側の自分の意見をまとめる部分についてのポイントは、違和感を見逃さない、なぜそう感じたかを深掘りする、自分の結論を言葉にする
まとめるための3つの質問は、一言で言うと、要するに何?、何か他のことに応用できそう
6 W 2エイチの4つの質問から、事実を引き出し、問題や課題を解決する
アイディアを引き出す3つのコツ
行き詰まったら勇気を出して、一旦休憩、
思い浮かんだ事は30秒以内にメモ
一旦別の視点で見直す
相手目線を意識する3つの質問
伝える目的は何か?
伝える。相手は誰か
相手にどんな反応をしてもらいたいか?
ノートに書いたものを相手に伝えるためには、左右ジグザグに伝える(構造化を意識する) -
Posted by ブクログ
ネタバレ私はメモをほとんどしない。
聞いたことを全部覚えられるからメモをしないというわけではないので、メモができないと言ったほうが正しいかもしれない。
つまりは話の要点を掴むのが下手なのだ。学生時代の授業では黒板を丸写ししていたようなタイプだ。
だが、最近は録音ツールも充実しているし、後でそれを聞いて確認すればいいやと特に気にしていなかった(実際に録音を聞いて確認したこともほぼない)。
だとすれば、今まではたまたまメモが必要ない環境だっただけで、私は運良くそれから逃れられているだけなのかもしれない。その状況がずっと続けばいいのだろうが、先のことなど誰にもわからない。
そもそも本当にメモは必要なかったのだろうか。必要だったけど気づいていないだけなのでは?きちんとメモができていれば起こらなかったトラブルや無駄な時間とかもたくさんあったんじゃなかろうか。
いずれにせよ、真にメモが必要な状況になったときに、私はその術を知らない。ただただ言っていることを全部メモしようとしてパンクするに違いない。
そのような危機感を(ちょっとだけ)抱いたからこそこの本を読んだわけだ。
この本が最も強く言いたいことはおそらく「メモ帳のページの真ん中に縦線を一本引け!」ということだ。
昔、とある受験漫画に書いてあった数学の答案用紙の使い方でこんなのがあった気がする。まあ使い方はまったく違うのだが、これを実践すれば後でメモを見返すときにわかりやすくていいなー、と小学生並みの感想を抱いた。
私は読書をするときにその本の印象深かった文章をメモして、思ったことを書いたりしているのだけど、これがまー読みにくい。読みにくいと結局読み返すということがなくなってしまう。だから学びが定着しないという悪循環に陥っていた。読みにくいとは思いつつ改善策も思いつかなかったので、そのままにしていたがようやく正解にたどり着いたらしい。
それもこの本を読まなければ永遠に気づかなかったかもしれない。著者の先生、本当にありがとうございます。
もちろん読み返しやすいということ以外にも様々な利点はあるけど、それが学べたのが私にとって一番の収穫でした。
ただ個人的には(掲載内容の都合なのかもしれないけど)本のサイズはB6判、四六判とかにしてくれたらもっと良かった。 -
Posted by ブクログ
改めて読書記録を振り返ってみると、「ノートに線を引く」という方法を紹介した本を、これまでにもたくさん読んでいることに気づきました。基本的には、3本か1本ですね。
この本で紹介されているのは、ノートの真ん中に縦に1本線を引く方法です。左側には「事実」を書き、右側には、これからノートに書いていく上での自分の「目的」と、左側に書いた事実に対する気づきや疑問を書きます。そこからさらに切り込んでいく視点を持って、自分の思いや考えを深めていきます。
こうして説明してしまうと、当たり前のことのようにも思えますが、逆に言えば、それだけ本質を突いているということだと思います。
そして、大切なのがこの「切り込んでいく視点」です。この本では、その具体的なポイントが書かれています。 -
Posted by ブクログ
突然話しかけられたとき、うまく言葉が出てこなくて「あのとき言えばよかった」と後悔することが多かった。語彙力がないのかな、経験不足なのかなとずっと思っていたけれど、この本を読んで気づきました。
思いつかないんじゃなくて、頭の中が整理できていないだけだったんだと。
ノートの真ん中に線を1本引いて、左に「事実」、右に「自分の気持ち」を書く。ただ、それだけ。でもこれがじわじわ効く。頭の中でこんがらがっていたものが、すっとほどけていく感じがしました。
言語化に悩む方以外にも、ジャーナリングをしている方にもオススメ。
私は読書メモにさっそく取り入れてます。