八代嘉美のレビュー一覧
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推薦理由:
iPS細胞とは何かという解説と、その将来性や課題などを研究者の立場から、分り易く説明している。最先端医療技術についての理解を深めることができる。
内容の紹介、感想など:
iPS細胞についての基本的なことが理解できるように書かれている。iPS細胞とはなにか、再生医療ではどんな研究が行われているのかなどが、一般の人によくわかるように説明されており、生命科学の面白さを知ってもらいたいという著者の思いが伝わってくる。各章のはじめに、この章では何を解説するのかが書かれ、終わりにはまとめがあるので、内容を整理して理解する手助けになる。
増補版である本書は2008年に出版された初版の内容に、そ -
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数あるiPS細胞の解説本の中でも秀逸の作です。
著者の八代さんが現役の幹細胞研究者で,現職は慶応義塾大学の特任助教ということもありますが,「文化としての生命科学」の確立を試みている方だからこその,視野の広さと研究の本質への迫り方には,説得力があります。
特に,4年前の初版で「核」と人類との関わりについても,幹細胞研究に潜む本質的な問題との関連で触れていたことが,東日本大震災においてまさに不幸な邂逅を遂げてしまっていますが,この部分が増補版で追加されたのではなく,初版で既に論じられていたことに驚きと感心とが入り交じりました。
ノーベル賞受賞に湧くほぼ1年前に書かれた本だからこその落ち着きと,科学 -
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どらえもんは生物?→生物ではない。代謝と自己複製ができないから。
ES細胞・ips細胞はいろんな細胞になることができる。(分化能が残ったまま分裂する)
ES細胞は胚盤胞の内部細胞塊を培養したものである。しかし、受精卵を破壊するので倫理的に批判を浴びている(バチカンなど)。
分化しきった細胞の時計の針を巻き戻したものが、「クローン細胞」
ips細胞は、ES細胞に特有の4種類の遺伝子を組み込むことで、細胞の初期化につくられた。細胞も壊さないので倫理的問題もクリアしたとされる。が、4種類のうち1種が癌化にかかわる遺伝子だったため問題視されることもあったが、現在ではこれはクリアされてい -
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病理学の専門家による細胞研究についての解説書。難しい研究過程を素人の私にも十分理解できる程度に簡潔にまとめ、わかりやすかった。哲学的な最終章は不要だったと考えるが、今話題のips細胞に至る細胞研究や再生医療について理解できた。以下、細胞学の基礎をまとめておく。
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DNA>遺伝子>染色体>ゲノム
人の細胞:60兆個200種類
ゲノムは、同じ人間ではすべて同じ
遺伝子は、ひとりの人間で2万2000個
受精卵→桑実胚→胚盤胞→(子宮に着床)→発生
胚盤胞から内部細胞塊を取り出し培養
→ES細胞(培養によりコロニーをつくる)
胚盤胞 - 栄養外胚葉
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まず、字がでかい。タイトルからして老人向けだということなのか。しかし中身はどうみたって老人向けではない。福岡伸一のいう動的平衡に納得出来ない、人は変化もするし死ぬではないか、という海猫沢めろんが、友人でもある生物学者・八代嘉美に「死にたくないんですけど、どうしたらいいかな」と質問をする対談集。万能細胞でいろんなことが出来るようになったとしても、偶然性に担保された緩衝作用がなければ世の中がギスギスと恐ろしいことになりそうだ。
僕もこうみえて長寿世界一を狙っているので、もちろん死にたくないんですけど、めろん先生の生命に対する考え方が突き抜けていて、僕の長寿世界一なんてその前では霞んでしまった。
生 -
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現代医療はまだ、老いた病気の体を薬で整えるか、悪いところを切り取ってしまうか、幸運な一部で他人の臓器移植を受けるがそれも激しい拒絶反応覚悟となる。iPS細胞技術は自分の細胞からいろんな臓器を作れるので拒絶反応もなく画期的技術だ。本書はES細胞や再生などの話から順番になされたいへん読みやすいが詳細にも述べられている。
ノーベル賞の山中先生らは4つの遺伝子の組み込みで細胞初期化に成功した。現代はネット上で実験や遺伝子などの知識情報が膨大に公開されておりこれらを駆使し数十年かかるとおもわれた初期化遺伝子を短期間に発見できたという。遺伝子組み込み自体の危険性はまだ未解決とのこと。 -
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山中教授のノーベル賞受賞のニュースを聞き、曖昧な知識を再確認しようと思って、本屋で数種類並べてあるiPS細胞解説本の中から選んで買った。読みながら何か不思議な感覚を覚えていたが、半分ほど読んで気づいた。本書は増補版である。そう、初版を読んでいたんだ。多分10年くらい前だろう。自分の趣向の変わらなさにあきれた。
素人向けでありながらES細胞との関連性はもちろん、課題や問題点、世界中でおこなわれている研究の現状を素人が何とかついていけるギリギリの容易さで解説してある。類書の中で値段は安く内容は充実しているという意味でコストパフォーマンスは高いだろうという、10年前も今も変わらない本選びの際の期待は -
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改訂された高校生物の教科書を見て驚いた…
従来の本にくらべ、全体的にかなりの増ページになっており、
新しい知見も盛りだくさんなのだ。
それだけ、めまぐるしく変わりつつある世界なのだろう。
そんな中、山中伸弥教授のノーベル賞受賞を知った…
「iPS細胞の作製」によって授与されたのだそうだ…ん?
「iPS細胞」って、なんのことやらさっぱりわからず、
その概要が知りたくて手にしたのが本書だった。
本書は、門外漢のボクにも、わかりやすくまとめてあるように感じた。
こうした知見は、無理をしてでも追いかけておいた方が良いだろう。
生命倫理の問題は、どこまでも万人につきまとうことであるはずだから…
本書 -
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ネタバレ生物学、興味はあれど普段なかなか接する事の無い分野なのですが、読みやすそうだったので購入。海猫沢めろんさんの「死にたくない、不老不死になりたい!」という希望から、八代教授とiPS細胞やES細胞の研究で病気、ひいては死を克服できる未来は来るのか、と語り合うという一冊です。……読んでいる最中は「なるほどー」と思うのに、ちょっと時間が経つとすぐまたイメージし辛くなってしまう、そんな自分の脳を呪いたい。
とはいえ、知らなかった事も色々出てきて楽しめました。海外ではガレージやキッチン、クローゼットなど、自宅で研究をしている在野の科学者達がいて、「バイオパンク-DIY科学者たちのDNAハック!-」と -
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ちょうど4年前,京大の山中教授がヒトの皮膚からiPS細胞(人工多能性幹細胞)を作り出したというニュースが駆け巡った。本書はそれを受けて3年半前に書かれた本に,最新事情を増補したもの。iPS細胞研究について一通りの基礎知識が学べる。
以前は再生医療のためにES細胞が注目されていたが,倫理的・生物学的理由から,制約があった。iPS細胞によれば,これらの制約は克服できる。
ES細胞(胚性多能性幹細胞)は,受精卵が桑実胚を経て栄養外胚葉と内部細胞塊に分かれる胚盤胞の段階で,内部細胞塊を取り出して培養することで作られる。その過程で生命の萌芽である胚を破壊することになるので,倫理的な問題を抱えている