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Posted by ブクログ
推薦理由:
iPS細胞とは何かという解説と、その将来性や課題などを研究者の立場から、分り易く説明している。最先端医療技術についての理解を深めることができる。
内容の紹介、感想など:
iPS細胞についての基本的なことが理解できるように書かれている。iPS細胞とはなにか、再生医療ではどんな研究が行われているのかなどが、一般の人によくわかるように説明されており、生命科学の面白さを知ってもらいたいという著者の思いが伝わってくる。各章のはじめに、この章では何を解説するのかが書かれ、終わりにはまとめがあるので、内容を整理して理解する手助けになる。
増補版である本書は2008年に出版された初版の内容に、その後の研究成果などを書き加えて2011年に発行されたものである。増補版では、初版発行後に進歩したiPS細胞研究の技術の紹介に加え、iPS細胞が政治・経済の分野に与える影響なども述べられている。iPS細胞について総括的に学びたい人に適した入門書である。
Posted by ブクログ
数あるiPS細胞の解説本の中でも秀逸の作です。
著者の八代さんが現役の幹細胞研究者で,現職は慶応義塾大学の特任助教ということもありますが,「文化としての生命科学」の確立を試みている方だからこその,視野の広さと研究の本質への迫り方には,説得力があります。
特に,4年前の初版で「核」と人類との関わりについても,幹細胞研究に潜む本質的な問題との関連で触れていたことが,東日本大震災においてまさに不幸な邂逅を遂げてしまっていますが,この部分が増補版で追加されたのではなく,初版で既に論じられていたことに驚きと感心とが入り交じりました。
ノーベル賞受賞に湧くほぼ1年前に書かれた本だからこその落ち着きと,科学の域を超えた社会に広く発信するべき情報の詰まった必読の書として推薦します。
Posted by ブクログ
病理学の専門家による細胞研究についての解説書。難しい研究過程を素人の私にも十分理解できる程度に簡潔にまとめ、わかりやすかった。哲学的な最終章は不要だったと考えるが、今話題のips細胞に至る細胞研究や再生医療について理解できた。以下、細胞学の基礎をまとめておく。
=
DNA>遺伝子>染色体>ゲノム
人の細胞:60兆個200種類
ゲノムは、同じ人間ではすべて同じ
遺伝子は、ひとりの人間で2万2000個
受精卵→桑実胚→胚盤胞→(子宮に着床)→発生
胚盤胞から内部細胞塊を取り出し培養
→ES細胞(培養によりコロニーをつくる)
胚盤胞 - 栄養外胚葉
- 内部細胞塊 - 外胚葉 → 皮膚、神経
- 中胚葉 → 血管、骨、筋肉
- 内胚葉 → 内臓器官など
外(中、内)胚葉になると元に戻れない(分化)
未分化の内部細胞塊は、何にもなれる
万能性 - 受精卵
多能性 - 胚盤胞、ES細胞、ips細胞
多分化能- 幹細胞
単能性 - 各組織の細胞
Posted by ブクログ
現代医療はまだ、老いた病気の体を薬で整えるか、悪いところを切り取ってしまうか、幸運な一部で他人の臓器移植を受けるがそれも激しい拒絶反応覚悟となる。iPS細胞技術は自分の細胞からいろんな臓器を作れるので拒絶反応もなく画期的技術だ。本書はES細胞や再生などの話から順番になされたいへん読みやすいが詳細にも述べられている。
ノーベル賞の山中先生らは4つの遺伝子の組み込みで細胞初期化に成功した。現代はネット上で実験や遺伝子などの知識情報が膨大に公開されておりこれらを駆使し数十年かかるとおもわれた初期化遺伝子を短期間に発見できたという。遺伝子組み込み自体の危険性はまだ未解決とのこと。
Posted by ブクログ
山中教授のノーベル賞受賞のニュースを聞き、曖昧な知識を再確認しようと思って、本屋で数種類並べてあるiPS細胞解説本の中から選んで買った。読みながら何か不思議な感覚を覚えていたが、半分ほど読んで気づいた。本書は増補版である。そう、初版を読んでいたんだ。多分10年くらい前だろう。自分の趣向の変わらなさにあきれた。
素人向けでありながらES細胞との関連性はもちろん、課題や問題点、世界中でおこなわれている研究の現状を素人が何とかついていけるギリギリの容易さで解説してある。類書の中で値段は安く内容は充実しているという意味でコストパフォーマンスは高いだろうという、10年前も今も変わらない本選びの際の期待は裏切られなかった。
Posted by ブクログ
改訂された高校生物の教科書を見て驚いた…
従来の本にくらべ、全体的にかなりの増ページになっており、
新しい知見も盛りだくさんなのだ。
それだけ、めまぐるしく変わりつつある世界なのだろう。
そんな中、山中伸弥教授のノーベル賞受賞を知った…
「iPS細胞の作製」によって授与されたのだそうだ…ん?
「iPS細胞」って、なんのことやらさっぱりわからず、
その概要が知りたくて手にしたのが本書だった。
本書は、門外漢のボクにも、わかりやすくまとめてあるように感じた。
こうした知見は、無理をしてでも追いかけておいた方が良いだろう。
生命倫理の問題は、どこまでも万人につきまとうことであるはずだから…
本書では、こんなふうに語られている…
―ヒト胚から得られるES細胞の代替物としてiPS細胞を許容した
我々の倫理観において、すでにGlis1遺伝子の様なものを見出し、
そしてマウスではあっても、皮膚の細胞から個体を、
しかも生殖細胞の再現すら可能にしてきた私たちの世界において、
本当にその行為が「禁じられるに値する」ものなのかどうかを
問い直す時期が、もうそこまで来ているのではないだろうか。
ただ、この議論は、常につきつめてゆくことが肝要だろう。
やみくもに反対するのでなく、無批判に受け入れるのでもなく…
それにしても、日本の報道陣のなんと脆弱な知識であることか!
個人の虚偽を暴く前に、きちんと知った上で報道して欲しい!
これこそ倫理の問題に他ならない!
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