TOKYOFM/JAPANFMNETWORKのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
小川哲のラジオ番組でのゲストとの対談をまとめた本。
様々なジャンルのゲストが登場するが、その度にゲストが読んできた本について何かしら返事ができる小川哲の読書量と豊富な知識に驚かされた。
さすが、「地図と拳」巻末の参考文献を全て頭に入れて小説を書き続けた人だ。
個人的には「しろがねの葉」などを書かれている千早茜との対談が興味深く、当時の直木賞を生中継で見てたこともありとても楽しく読めた。
あとは「カイジ」などの作者、福本伸行もよかった。漫画は知っているが作者の人となりは知らず、興味が沸く話ばかりだった。
ゲストは小説家が多かったが、どなたも頭が良くあらゆることにアンテナを張ってる方ばかりで、話がどれもおもしろかった。 -
Posted by ブクログ
本書は、SF作家である小川哲がパーソナリティを務めるラジオトーク番組を書籍化したものである。番組には映画監督、女優、芸人、小説家など、ジャンルを横断した多彩なゲストが招かれ、本や映画、さまざまなコンテンツについて語り合う対談集となっている。
印象的だったのは、対談の随所で語られる「本の味わい方」の多様さだ。ゲストたちは、自分がどのように小説を読み、どこに惹かれてきたのかを自然体で語る。その話を追っていくうちに、小説とは単に物語の流れを追うものではなく、言葉の選び方や語りのリズム、構成の妙といった表現そのものを楽しむ読み方があるのだ、ということが繰り返し示される。
正直に言えば、これまでの自分の読書は「物語を理解する」ことに重心が寄っていたように思う。本書を通じて、内容だけでなく「どう書かれているか」を意識して読むという姿勢は、ぜひ試してみたい読み方だと感じた。小説が、情報やストーリー以上のものを内包していることを、対談という形式が自然に教えてくれる。
また、芸能人に読書家が多いという点も、改めて腑に落ちた。芸の世界は、言葉や間、構成、感情の伝達といった表現力が厳しく問われる領域である。そう考えれば、表現が凝縮された書物から刺激や影響を受けようとするのは、きわめて合理的な営みなのだろう。
加えて、本書では小川哲自身の小説家としての考え方や書き方にも度々触れられている。創作における姿勢や、言葉との向き合い方がさりげなく語られる場面には、読み手として思わず唸らされるところがあった。単なる対談集にとどまらず、小説を書くという行為の輪郭が、読者にも静かに共有されていく感覚がある。
『StreetFiction』は、本をどう読むか、表現とどう向き合うかを、理屈ではなく会話の積み重ねによって伝えてくる一冊だった。読書の仕方そのものを、少しだけ更新してくれる本だと思う。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ本書は、小川哲がパーソナリティを務める(務めた?)ラジオ番組でのゲストとの対話をまとめたもの。作家、映画監督など表現者との対話が主であり、なかなか錚々たる顔ぶれだ。1年半ほどの番組の中からセレクトした12人、12章が並ぶ。
ざっと見て、万城目学、逢坂冬馬、九段理江、加藤シゲアキとその著作を読んだことのある作家が目立つ。芸能人作家でもある小泉今日子に太田光も、どちらの著書にも触れたことがある。映画監督濱口竜介は、ちょうど『悪は存在しない』が上映されていたころの対談か。映画も観ているので話が分かりやすい。
そう、登場人物たちの作品にある程度触れていないと、その会話の深みが味わえない部分もあるが、本書をきっかけに、それぞれの作家の作品へ目を向ける一助にもなる。
それに作家たちは、小川哲も含めて、いろいろ古今東西の作品を読み込んでいるな、とういうこともよく分かる。小川哲は、このラジオ番組の仕事のためということもあろうかと思うが、対談者の作品は実にしっかり読みこんでいて感心させられた。
しかも、その読みが、半端なく深い!!
万城目の文章について、「」の後に“と言った”を付けないと指摘して、そこに気づいたことに万城目から驚かれるシーンは圧巻だ。
逢坂冬馬、九段理江との創作談義が深みもあって面白かったかな。九段理江は、声もいい。
そうそう、この対談は、元になったラジオ番組もネットで聞ける。本書の冒頭にQRコードがあり、番組サイトへ導いてくれる。
聴いてみると、しゃべっていることの3分の1から半分ちかくはカット、本書には収録されていない。ギュッとエッセンスを要約したものが一冊に収まっていて、読んだ方が時間は早い。
でも、読んでから音声を聴きながら、改めて読み返してもみた。
万城目学は、そのまま大阪弁全面押しで文章化してもよかったんじゃなかろうか(笑) そのほうが味わいが出る。