佐伯元子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ハチクマなとの鷹の渡りの調査をしながら、調査のない時期は安曇野のわさび農園で働く著者が、天井から落ちてきたジネズミの赤ん坊を育て、看取るまでの記録。この本が初めての著書だが、とても読みやすく、情緒的になりすぎない、抑制のきいたよい文章。
ジネズミを死ぬまで飼ったことを、野性動物なんだから途中で放すべきだったと言う人がいるかもしれないが、何の情報もないまま手探りで育てたから、放すタイミングがわからなかったことは、最後の文章から伝わってくる。ジネズミを飼育した人は他にもいるかもしれないが、こんなに細やかに、愛情を持って観察した人はいないのではないかと思う。
著者の愛情が伝わってはくるが、読んでいて