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Posted by ブクログ
ハチクマなとの鷹の渡りの調査をしながら、調査のない時期は安曇野のわさび農園で働く著者が、天井から落ちてきたジネズミの赤ん坊を育て、看取るまでの記録。この本が初めての著書だが、とても読みやすく、情緒的になりすぎない、抑制のきいたよい文章。
ジネズミを死ぬまで飼ったことを、野性動物なんだから途中で放すべきだったと言う人がいるかもしれないが、何の情報もないまま手探りで育てたから、放すタイミングがわからなかったことは、最後の文章から伝わってくる。ジネズミを飼育した人は他にもいるかもしれないが、こんなに細やかに、愛情を持って観察した人はいないのではないかと思う。
著者の愛情が伝わってはくるが、読んでいてもジネズミ自体はなつくわけではないし、見た目がかわいいわけでもないし、食べ物は昆虫やミミズで、その点でも「飼いたい」と思う人は少ないだろう。途中でちょっとだけ出てくるヤマガラのビービーの方がよほどかわいい。
こんなに可愛くない生き物にこれだけの愛情を注げる著者に敬意を抱かずにはいられない。(それでも読んでいるうちにジネズミに対して好意を抱いたが。心を通わせるような動物ではなくても、私達と同じように母に守られて育ち、老いて気力体力が落ちて死ぬのは同じ。その生き物としての姿に同類として共感した。)
ジネズミを研究する人も参考になることが多いのではないかと思う。
絵はあべ弘士で、動物の絵は特別に上手い人ではあるが、カラーの写真がもっとあれば、より分かりやすくいい本になっただろう。対象は小学生だろうから。
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