米本昌平のレビュー一覧

  • バイオポリティクス 人体を管理するとはどういうことか

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    ネタバレ

    [ 内容 ]
    人の命はいつ始まるのか―この問いがアメリカで大統領選挙の争点となり、ヨーロッパで法制化が急がれる原因となっているのはなぜか。
    臓器移植や人体商品の売買が南北問題を激化させ、韓国で起きた科学史上稀に見るスキャンダルも、そうした動きの一例として位置づけられる。
    今や生命倫理は政治問題となったのだ。
    生命をめぐる急速な技術革新と人類の共通感情との間にあるギャップを埋めるために必要な視座を提示する。

    [ 目次 ]
    プロローグ ES細胞捏造事件
    1 バイオポリティクス―身体政治革命
    2 科学革命としてのヒトゲノム解読
    3 バイオバンクとは何か
    4 ヒト胚の政治学―クローンとES細胞研究

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    2011年03月30日
  • バイオポリティクス 人体を管理するとはどういうことか

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    ゲノム情報の取扱いや臓器売買、ES細胞など、バイオテクノロジーによる人体の細分化・商品化に対して倫理学はインフォームド・コンセントと自己決定という手続き論に終始し、こうした流れを推し進めるばかりであった。これには政治的な関与が必須であるが、医療を経済活動(米国)とみるか、福祉(欧州)としてみるかによって、自己決定が重視されるか父権的になるかが決まるし、キリスト教に代表される宗教的な価値観も大きい。iPS細胞のように、めまぐるしく状況が変わる中、立ち止まってゆっくり考える材料を与えてくれる良書。

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    2011年08月07日
  • バイオポリティクス 人体を管理するとはどういうことか

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    ゲノミクス/プロテオミクスの技術革新からズレるバイオエシックス(生命倫理)の限界からバイオポリティクスへと転換する現状。自己決定の個人主義的自由を重要視する米と、人体的自然の公共管理として政治化する仏、臓器ツアーで産業医療化するインドなど。また、どこからが人間(生命誕生)かを問う欧米キリスト教圏と、どこ迄人間かを問題(脳死倫理)とした日本の医療デバイド。

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    2009年10月04日
  • 独学の時代 : 新しい知の地平を求めて

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    ある意味では、自分が通っていた大学の学部に対する一種のルサンチマンが、筆者を独学へと向かわせたと言えるであろう。それにしても、すごい執念である。

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    2025年05月09日
  • バイオポリティクス 人体を管理するとはどういうことか

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    フーコーは「バイオ=ポリティクス」という言葉を、『性の歴史第1巻:知への意志』で用いており、そこでは人間の身体機能の利用に関する支配と対を成すものとして、生物学的な「種」の側面に介入し管理する権力の働きが考えられています。具体的には、繁殖や誕生、死亡率、健康の水準、寿命などの管理に関わる権力を意味しています。本書では、こうしたミクロな権力に関わる問題を念頭に置きながらも、先端医療や生物技術に関する政策論という意味で「バイオポリティクス」という言葉を用いると述べられています。

    20世紀型の生命倫理学は、医療などにおける個別的な身体に対する働きかけが問題となっており、インフォームド・コンセントと

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    2014年07月30日
  • 独学の時代 : 新しい知の地平を求めて

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    アカデミズムの外で生命科学や科学史の研究に取り組んできた著者が、みずからの知的変遷を語った本です。

    大学紛争の経験を経て、アカデミズムの権威主義と、講壇生物学の知的硬直性に批判を抱いた著者は、京都大学で生物学史を教えていた白上謙一から知的刺激を受けます。さらに、生気論の立場を取ったためにほとんど禁書扱いされていたドリーシュの著作を入手したエピソードなどが語られています。

    著者は、科学史家のクーンが提唱した「パラダイム」という概念には、「正パラダイム」と「逆パラダイム」の二つがあると考えます。正パラダイムが研究の範例なのに対して、逆パラダイムは「何をしてはいけないか」を示すことで、パラダイム

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    2014年07月30日
  • バイオポリティクス 人体を管理するとはどういうことか

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    『バイオポリティクス―人体を管理するとはどういうことか』(米本昌平、0206年、中公新書)

    本書は、現代の科学技術が可能にした生命科学分野の先端研究がもたらす倫理的な問題について、どのように対応していくべきかということを各国制度の比較論的立場から論じた書である。


    (2010年6月20日)

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    2010年06月21日