畑野ライ麦のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ今回は短歌そのものの面白さだけでなく、「言葉で想いを伝えること」の難しさや尊さがより深く描かれていたように感じた。好きな気持ち、悔しさ、憧れ、不安――そうした感情を限られた言葉に込めようとする登場人物たちの姿が印象的で、短歌という題材を通して人と人とのコミュニケーションの本質を描いている作品だと思う。
また、本作は青春小説としての読後感も非常に良かった。登場人物たちは悩みながらも、自分の言葉で相手と向き合おうと前へ進んでいく。その姿を見守っていると自然と応援したくなり、読み終えた後には爽やかな気持ちが残った。短歌に詳しくなくても楽しめる一方で、言葉の持つ力や面白さを改めて感じさせてくれる一冊 -
Posted by ブクログ
ネタバレ著者初読。KU。
畑野ライ麦氏の『恋する少女にささやく愛は、みそひともじだけあればいい』は、言葉という不確かでありながらも強靭な手段を通じて、人の心が通い合う瞬間の尊さを描いた秀作である。短歌という限られた器に感情を託す登場人物たちの姿には、若さゆえの不器用さと真摯さが交錯し、その葛藤が読む者の胸に静かに沁み入ってくる。
恋愛を描く物語は多いが、本作は「言葉の重み」を主軸に置いている点が印象的だ。言い過ぎても届かず、言わなければ伝わらない──そんな微妙な距離感が、短歌という形式を通して見事に表現されている。加えて、登場人物たちの心の機微が丁寧に紡がれており、思春期の揺れる感情を追体験するよ