テア・ランノのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
12歳のユダヤ人の少年の体験をもとにした児童書。
「何としても生き延びて欲しい……」
そんな母の切なる願いと、路面電車の車掌さんたちの善意が少年の命を救う。
ユダヤ人の彼を匿うということは、本当の意味で命を懸けた人助けであり、誰にでも出来ることじゃない。
とっさに少年を救うために行動した人たちは称賛に値すると思う。
『小さなことでもいい。ひとりひとりが自分にできることをするべきなんだ。』
少年の心には、きっとあの日の車掌さんの言葉がずっと心に在り続けていたのだろうと思います。
どんな時も他者を思いやり、自分に出来ることをする。誰もがそんな風に行動できたら、きっと世界は今よりもよくなるのに -
Posted by ブクログ
実在の人物から著者が長い時間をかけて話をきき、子ども向けに書いた物語。ホロコーストものだけど、舞台がイタリアで、オーストリアやドイツとはまたずいぶん状況が違っていたのだということがわかる。
エマヌエーレ少年が乗りこんで2日半ぐるぐる回った路面電車の運転手さんがなんともやさしくて救われる。ユダヤ人をかくまったら自分にも累が及ぶかもしれないのに、マフラーを貸し、お弁当をわけ、トイレ休憩もさせてくれて。まっとうな大人がいるっていうことが、子どもにとってどれだけありがたいか、児童書を読むとたびたび感じる。
第二次世界大戦は「日独伊三国同盟」ってすごく単純化したものを教わっていたけど、そんなに簡単じゃ