津田正太郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
著者(大学教授)自身のつぶやきが炎上したことを事例として、
ソーシャルメディアの問題を丁寧に分析した良書。マスメディアにも触れている。
曖昧さ、被害者意識、寛容不寛容、
そしてアメリカの共和党と民主党の分断の激しさ。
私もマナーの悪い人、、道をふさいで2人でゆっくり歩く人などにはむかつくが、
果たして私が不寛容なのか?人々のマナーは昔はもっと悪かったともいう。
そして、他人の行動には寛容になりつつある世の中ともいう。
物事をどうとらえるか、それをマスメディア、ソーシャルメディアはどう伝えるか。
自民党の総裁選をゲームのように煽るマスメディアはあほだと思うけどね。
統一教会も裏金も封印して何 -
Posted by ブクログ
ネットやSNSという言論空間の持つ特性や人の思考行動の傾向に基づいて、ネットの弊害と思われるような現象がなぜ起きやすいのかを構造的に分析している。
個別の事案についての善悪などの価値判断については時代の変化や読み手の考え方にも依るので、著者の意見とピッタリ合うとは限りません。
ですが、問題を構造的に捉えて切り口を示してくれているので、問題の読み解き方を身に付けられる=ネットリテラシー本という位置付けかと思います。
ちくまプリマー新書から出ているのとそういう事ですかね。
以下メモ。
被害者になりたがる。
相手は公正な世界にいて自分は不当に不利益を被っていると捉える人は、相手側の人間が被害者 -
Posted by ブクログ
・「自分にとって世界は不公正だが、他人にとっては公正だ」という被害者的な世界観をもつ人は、特に被害者非難を行いがちだ。そのため、相手側の被害を認めたがらない、自業自得、自作自演、あるいは自意識過剰と言ったバッシングへ走る。
・意見が似通った人ばかりが集まると、そのなかでも極端な意見を持つ人の発言力が大きくなる傾向にある。より穏健な意見の人は沈黙するようになり、結果として集団全体が極端な方向へと動いていく。
・民主主義国家でも、外国政府との結託を理由に反体制的な運動が批判されることは珍しくない。例えば日本では、沖縄への米軍基地集中の是正を求める運動について「日本を分断したい中国政府が背後にいる」 -
Posted by ブクログ
SNSが社会的な分断や、多くの人に「自分こそが被害者だ」という意識を生んでいくことを分析した本。
確かに著者のお言葉通り、これを読んだら事態がすっきり分かるというものではないかもしれない。
でも、状況も常に移り変わる世界のことだ。
自分にとって意外なことも多く、勉強になったという思いの方が強く残った。
例えば、「弱者(被害者)」になりたがる風潮の分析。
力を持つものへの不信感と、被害者であれば免罪されるお得感があいまって、「被害者」の地位をめぐる競争が生まれる。
SNSには、一見対等な関係性をもとに、注目度が過剰に評価される土壌があるという。
そこで告発したりする人物が現れると、その人がむし -
Posted by ブクログ
およそSNSに関わる視点を網羅的に取り上げたため論点が絞られず、かつ「Aが原因かも知れない。だが逆にAが必ずしも悪いわけではない。」みたいな学者らしい保険をかけまくった記述が多く、何故ネットがいつも揉めているのかはスッキリしない。
しかしトランプが立ち上げた右翼向けSNSが流行ってない事実が全てを物語っているように思う。つまり炎上しているSNSに攻撃的なリプをすることでカタルシスを感じてスッキリしたい人が一定数いると言うこと。SNSは揉めるからこそ人を惹きつけるのだ。最後にわざわざ燃料を投下するのをやめて、毒のないつぶやきをポストしたらいいんじゃね?と言っているが、そんなまったり進行はトランプ