松本元のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
脳型コンピュータの開発と光計測法の紹介が前半で、後半は脳科学から見た人生哲学と科学と宗教の関係など。
情動を司る脳の古い皮質による価値判断が新しい皮質の知性をも支配する、知性は情動の従僕である、という観点から多く語られている。
後半で語られている部分を一部紹介すると、
・関係欲求が充足されないと、たとえ生理欲求がよく充足されていても、脳活性は上がらない。
・愛をもつためには、自分自身が愛を受けた経験をもってそれを学習し、脳内にそうした回路を形成していかなくてはならない。
・困難や苦しみから逃げないで立ち向かう勇気は、愛によってのみ与えられる、愛は人が成長する源であり、心の活性化エネル -
Posted by ブクログ
脳の構造からアルゴリズムを理解し、コンピュータの仕組みに反映させる話が前半、後半はこうした脳の構造からもたらされる人間の姿、愛がもたらす力へ移る。
速度の違う二種類のループで脳は学習を繰り返していくが、その度合いに影響するのが夢であり内容に対する意欲、そして他社との関係表現の愛である。
外部刺激に対して内部でループを回していく仕組み状、快不快はあくまで内側で作られるものである。どこまでも脳は自己中心的で自分と異なる環境で成長した脳を理解できない。
生理的欲求が満たされ、人と人との関係性が心の豊かさを大きく左右する。科学の在り方の見直しと愛が大切。
◯脳型コンピューター
・生きている脳を解 -
Posted by ブクログ
1・2章において脳の物理的構造の説明が一通り済むと、3〜6章では、一般にいうところの心(情)に焦点が移る。脳科学を突き詰めると、心科学となるのだろうか?
以下は抜き書き。
「感動を多く得るような人生を送ることによって、人生を豊かに生きることが可能になるわけである(中略)いかに感動する日々を過ごして人生を送るかが、人生を豊かに生きたかどうかを決めるのである」
「脳は、強い刺激と、それにより時間的に以前に入力された事柄とを関係づけるが、それ以降の事柄とは関係づけることをしない」
「脳が損傷を受けていても『快』の情動を受け入れることは可能であるから、それによって脳の活性が向上 -
Posted by ブクログ
重大な事故に遭遇すると、一瞬で今までの人生が走馬灯のように流れてくるという話があるが、それを脳の機能として理論的に説明していたり、脳が活性化する方法についても理論的に説明している。
つまり、脳は忘れていないが、思い出す事が時間とともに難しくなる、しかし生命にかかわる事態に遭遇したり、ある言葉に反応することで、脳の活性化することがその理由らしい。
脳はできると確信すると、その確信の理論的な後ろ盾を与えるべく認知情報処理系がフル活動する。そのため「できる」と確認したことは必ずできるようになる。逆に、できないと確信すると、脳は「できない」ことの理論的理由を明らかにするように働きできる可能性をどんど