藤原正範のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ自分がいかに刑事裁判において表面的なイメージを持っていたか気づかされた。少し時間が出来たら裁判の傍聴にも行ってみようと思うくらいには興味を持った。
刑事施設と更生保護機関はそれぞれ独立しており、連携はあまり見られない。それが治療や支援が必要であったとしても、それは刑の執行後という刑事司法の考え方が未だ続いている一要因なのではないか。だがその被告人の更生にどれだけの時間を要するかも個人差が存在することに加え、同時進行で行うこともそれに伴う諸問題が多く発生しそうで自分でも正解がわからなかった。
高齢者に合わせた処遇の改善は実践に至っていないと著者は感じているとあった。本当に後ろ盾・サポート -
Posted by ブクログ
本書は、後書きにあるように学術研究の成果ではなく著者の体験を主観的視点でまとめた本だ。
自分はタイトルから推してもう少し刑事司法の場における福祉的実践の実情や福祉的処遇に地域格差があると思っているのでその辺りの解決や問題点などの話が出てくるのかと期待していたが、思っていた内容とは正直違っていると感じて少し残念だった。
4章からの具体的な裁判における福祉的支援の話に向かうために前段の3章が語られて来ているのはわかるし、逮捕から裁判まで行く(あるいはいかない)流れを川に例える説明と図説はわかりやすかった。
けれど傍聴した裁判の話自体に文章を割きすぎている感が否めなかった。
いつ福祉的支援の実践の -
Posted by ブクログ
家裁調査官だった著者が、社会福祉士を取得し、少年犯罪だけでなく、罪を犯した人たちの実態を裁判傍聴、犯罪統計などの分析などを通して、良心に満ちた主張を展開しており、刑事司法が今のままで良いのか、自分には刑事問題は全く無縁の世界だと思っていないか?と覚悟を以って真剣に問いかけておられる。後書きではそのことに触れておられることが感動的でもあり、凄い人だと思う。刑事被告人の多くが決して凶悪犯ではなく、窃盗・詐欺・傷害・覚せい剤などの地味な事件によるものであり、社会の被害者とでもいうべき弱弱しい姿であり、裁判所において「執行猶予」判決を受けた瞬間から、ありとあらゆる具体的な手助けがなくしては、生きてい