ヴェルコールのレビュー一覧
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映画にもなりましたが、終始静かな作品で心に残ります。レジスタンス、運動に加われなくとも、私達に出来る、出来たのは、海よりも深い沈黙を徹すこと。Posted by ブクログ
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フランスを愛し、フランスに憧れた他国人が、戦争という非常時において挫折し、希望を失って去っていくまでを、抑えた筆致で描いている。これは、「暗殺された愛」という言葉で表現されている。「星への歩み」では、主人公を殺すのは敵国人ではなくフランス人である。それが一層悲壮である。
(2016.2)Posted by ブクログ -
何度も読み返した記憶があります。
レジスタンス文学は今や時代遅れかもしれません。
しかし哀しさ、切なさが静かな音楽のように流れるこの小説、今でも読む価値は十分あると思います。Posted by ブクログ -
フランスとドイツという二国間にあるものは複雑で、日本人にはおいそれと理解出来ないものだと思うけれど、これを読むとその末端には触れられる気がする。
抵抗文学、というにはあまりに繊細で切ない。Posted by ブクログ -
岩波文庫赤
ヴェルコール 「 海の沈黙 星への歩み 」 ナチス占領下のフランスを描いた 抵抗文学2編
「海の沈黙」ナチス将校に対して、沈黙により抵抗したフランス人の物語。ナチス将校の巧みな懐柔策に対して、徹底して 沈黙を貫く姿を描く。沈黙であることが 自由と正義に基づく抵抗を より一層 際立たせ...続きを読むPosted by ブクログ -
抑制された怒りの迫力を体感する読書。
敵国の非を糾弾することに終わらず、内なる敵も睨んでいる。「星への歩み」の主人公は帰化してフランス国籍を取得した男であり、生まれながらにフランス人だったものとの比較の中で、愛国感情についても一考察入っているところが、この物語の深みであると感じる。Posted by ブクログ -
海の沈黙
静謐な物語。
重く垂れ下がった空気が存在する。
そして、かぎりない 沈黙が。
ドイツ人将校が、私の家にやって来た。
そして 2階に住むようになった。
寒い夜に 暖炉にあたりに来た。
蜂の羽音のような声で、いろいろ語った。
かれは 作曲家で フランスが好きだった。
しかし、私と姪はひとこ...続きを読むPosted by ブクログ