ジュリアナ・グッドマンのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
警官に射殺された姉の無実を証明するために奔走する妹・ボーの必死な推理と行動の過程を瑞々しく描いた青春小説でした。
ミステリとしての謎解きという意味ではさほどの意外性はありませんが、ボーを取り巻く環境の複雑さと、その中でもがき生き抜き希望を見つけようとあがく彼女の強さと弱さが繊細に描き出されていて、とてもリアリティが感じられました。
黒人差別が歴然と存在するアメリカ社会、その中でも貧困層に位置するボーたちの犯罪と背中合わせの毎日。それでも夢を描いて通う学校での人間模様。そして友情と恋愛。そういった、彼女が日常的に出会っている困難や偏見や苦労が、事件の発生と解決に向けての謎ときとともに描かれて -
Posted by ブクログ
高校2年生の黒人の少女ボー。姉が不法侵入の疑いで警官に射殺され、姉が犯罪を犯すはずはないと無実の証明をしようとする。現在が語られていくパートと過去のボーと姉との日々が語られるパートとがある。黒人であるということで受ける差別や疑いの目のなかにあって、姉の無実と自分の権利を主張していくボーが魅力的。友情や恋愛もあるけれど姉のことを追っていく姿と、そのことで理解されない人たちとの平行線のような会話。その虚しさや孤独感が迫ってくる。差別や暴力などの社会問題だけの作品ではなく、姉妹のつながりとか友人たちとのエピソードにも魅力のある作品になっている。