牛山佳幸のレビュー一覧

  • 〈小さき社〉の列島史

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     日本にはおよそ8万社を超える神社があり、末社、小祠まで含めると20万から30万あるのではないかと言われているが、本書は「地域社会に忘れ去られたように鎮座する小社を対象に、その成立事情や存在形態、さらに変遷過程などを歴史学的に解明しようと試みた」(10頁)ものである。

     そのような非常に多数の小社の中で、本書で取り上げたものは、次の4つ。
    〇印鑰社  ~ 国衙における印を扱う際の請印作法→印鑰神
    〇ソウドウ社(崇道天皇社) ~早良親王御霊
    〇女体社  ~船霊神
    〇ウナネ社(宇奈根、宇那根)~洪水除けの神

     小社については中世にまで遡る文献史料の少ないこと、幕末から明治にかけて合祀・廃絶・移

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    2024年03月11日