エーリン・ペーションのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
物語は難民児童を保護する施設で働く、新人職員レベッカの視点から見た、アフガニスタンからの難民ザーヘル、アフメド、ハーミドについて描かれている。
レベッカの緻密な心情表現や、施設以外での生活の様子は省かれているため、特定の感情誘導(例えば、難民の子供たちに対する可哀想、哀れみ、同情)もなく、淡々と進んでいく。
余計なレベッカの心情表現に左右されず、世界情勢、難民政策などを考える必要もない。
私たちは、ただレベッカの目をとおして、自分の中に物語を落とし込んで咀嚼することができる。
読み終わったあと、どんなふうにこの感情を消化すればよいのか。石を飲まされたように胃が重くなった。
日本でも難民へ -
Posted by ブクログ
スウェーデンの難民児童保護施設で働く若い女性レベッカ。彼女の視点から、日々の彼女の仕事、彼女が世話を担当するザーヘル、アフメド、ハーミド、3人のアフガン出身の少年たちとの出来事が、静かに、淡々と描かれる。
静かであって、レベッカについても、少年たちについても、詳しく過去に何があったのか、どのような人生を送ってきたのかは、断片的にしか書かれていない。
それでも、少年たちと過ごす、明るい日々、暗い日々を、切々と描く。心が動かされる。
難民が他国で保護され生活するとはどのような日々なのか、まったく知らなかったところに本書を読んだ。
当たり前のはずだが、想像以上に不安で苦しくて、恐ろしくて拠り所がない -
Posted by ブクログ
ネタバレスウェーデンにある難民児童入居施設で働くレベッカの視点で語られる、3人のアフガニスタンの少年の話。18歳になると成人扱いになり、審査の結果強制送還と決まったアフメドは最終的に自殺してしまう。その後施設の閉鎖が決まり、寡黙で信仰心の厚い少年だったハーミドはお祈りのための絨毯を残したままドイツを目指して逃げていき、14歳のザーヘルは里親が決まる。
アフメドは、信じていた神に裏切られたから新しい神が必要だと言って、キリスト教に改宗し、facebookのアイコンもキリストにしている。ハーミドは想いを寄せるレベッカを部屋に呼んで、お祈りの絨毯に立たせたりしているが、最後はその絨毯を置いて出ていってしまう -
Posted by ブクログ
ネタバレ静かなで穏やかなトーンだけど、複雑な事情が絡む社会問題にモヤモヤが残る物語。
死を選んだアフメドは、母国に、人生に、どれほどの絶望を感じたのだろうか。
身近にいたら、長いものに巻かれるしかない状況に、歯痒い気持ちを抱くと思う。自分がなんとかしてあげられたら、救える言葉をかけてあげたらと。きっと無力感を抱くだろう。
当たり前だが、どの社会問題もミクロな視点で覗けば、そこには一人一人の人生がある。感情や想いや家族がある。ニュースのその先まで考えられる自分でありたい。
ザーヘルが最後に、目をつぶって「ドアをあけたら母さんに会えて、母さんが僕のほっぺたさわるんだ、こういうふうに」とわたしに教え