マークハッドンのレビュー一覧

  • 夜中に犬に起こった奇妙な事件

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     クリストファーはおそらく、発達障碍があるのでしょう。彼がこの世界と向き合うのは、とても難しい事なのだと思いますが、彼なりの方法で向き合おうとしている様子が読み取れました。
     クリストファーの一見変わった行動には意味や理由があることを、読者の方々に理解していただければと思います。そうすれば、クリストファーのような人々にとって、生きやすい環境が広がるのではないでしょうか。

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    2024年02月25日
  • 夜中に犬に起こった奇妙な事件

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    こういう内容とは思ってなかったのですがとても面白かった。
    クリストファーは支援学校に通う少年です。
    彼の目から見る世界は本当に大変な世界です。それはクリストファーが何らかの発達障害を持っているからです。
    その彼がたくさんの困難を乗り越えてママに会いに行く。
    それからきっとその彼の行動で両親は元の鞘に戻るのではないか?と期待してしまいます。
    最後の彼の言葉は希望に輝いていました。

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    2022年07月30日
  • 夜中に犬に起こった奇妙な事件

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    ネタバレ

    リーダブルの最たるもの。
    読者を選ぶかもしれないが理系センス的なものが好きな方には勧めたい。
    原著が英語なのにめっちゃリーダブルなので思わず翻訳もかってしまったが、訳も良いのだと思う。

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    2021年04月25日
  • 夜中に犬に起こった奇妙な事件

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    主人公の思考回路がとても良くわかるし、私は共感できる
    主人公は美しく脆い世界の中で、世界に殺されそうになりながら
    懸命に愛して生きて美しい世界を探している

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    2020年11月14日
  • 夜中に犬に起こった奇妙な事件

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    これはすごい。方法(形式)と内容は不可分なのだと教えてくれる。こういう文体、こういう構成でないと、表現できない内容がある、ということの好例。たぶん、翻訳がべらぼーにうまい。

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    2020年04月02日
  • 夜中に犬に起こった奇妙な事件

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    ネタバレ

    発達障害の子はどんな気持ちでその行動をしているのか、周りの大人たちはどう接しているのか、気持ちのすれ違いの中に愛があり温かい気持ちになった。お父さんもお母さんも完璧じゃない。彼も不完全。「許す」って言葉じゃなくて身体が受け入れられるようになることなのかなって感じた。人に薦めたい本。

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    2020年08月30日
  • 夜中に犬に起こった奇妙な事件

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     この小説は、少年の成長物語であり、普遍的な親の子どもへの愛を描いた小説だと思います。

     さてこの作品は、作中では明言されていませんが”何らかの発達障害”を持った少年が書いた小説、という体裁の作品です。

     とにかく発達障害をもった主人公の一人称の描き方がとても丁寧です。作中では文章だけでなく時には図も織り交ぜて、彼の思考や脳内での情報処理が描かれます。これが面白い。

     近所の犬の刺殺事件を調べ始めるクリストファー。その過程で苦手な、人との対話に挑戦し証言を集め、そして理屈だけでは割り切れない、大人たちの世界に足を踏み入れざるを得なくなります。

     個人的には中盤の思わぬ展開と、物語の大き

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    2019年05月07日
  • 夜中に犬に起こった奇妙な事件

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    ナショナルシアターライブで劇を観て、原作が気になったので読んだ。サヴァンシンドローム?の男の子が主人公で一人称の小説。世界の見方が違ってる感じを地の文で表現していてすごく面白い。読みながら、頑張れ頑張れ!と応援したくなる。舞台版はそれを見事に表現しているのでおススメです。

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    2018年06月17日
  • 夜中に犬に起こった奇妙な事件

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    発達障害と言われる人達がどのように感じながら生活しているか、というのが、なんとなくこんな感じかな、と思っていたような視点で描かれていて、興味深い。自分が普通にできることが簡単にできない一方、彼らが普通にできることが自分にはできず、能力の向いている方向が違うのがよく分かる。相互理解が進み、みんなに優しい社会になるといい。これを劇化するのはどうやったんだろう?内面描写はモノローグやナレーションか?

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    2025年06月08日
  • 夜中に犬に起こった奇妙な事件

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    息子に薦められて読んだ。はっきりとは書かれていないものの、おそらく自閉症であるクリストファー。特別支援学校に通う彼は数学と物理が得意で、パニックになりそうになると素数を数えたりする。そんな彼が自分の体験を書いているという設定の本。

    彼は勇気を出して自分のコンフォートゾーンから出てゆき、でも怖くなると自分のやり方でちゃんと自分を守る。お父さんお母さんは彼に振り回されて大変だが、それでも彼らなりのやり方でクリストファーをサポートする。クリストファーの未来は明るい…と思える良い終わり方で良かった。

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    2023年12月16日
  • 夜中に犬に起こった奇妙な事件

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    ネタバレ

    15歳3ヶ月のクリストファーはある真夜中、向かいの家の庭で犬のウエリントンが農作業用フォークに刺されて死んでいるのを発見。一人で数学の問題を解くのが好きで他人と関わるのは苦手なクリストファーだったが、犬を殺した犯人を突き止めようと聞き込みを開始する。父は調査を打ち切るよう言ってきたが、ルールの穴をついて近所の老婦人と話したクリストファーは病気で死んだ母にまつわる重大な隠し事を知ってしまう。


    常に数学的で論理的な視点で世界を見ている少年が〈親〉という理不尽に直面する、一風変わったジュヴナイル・ミステリー。ふだん我々が"あるある"で済ませていることは論理的に考えると何も&q

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    2021年10月07日
  • 夜中に犬に起こった奇妙な事件

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    子供向けの推理小説だろう、と、気軽な気持ちで選んだ本。
    ところが、えそっち?となっていき、引き込まれた。
    この家族が抱える家庭の問題に、共感するところがあって、自分がこの本を手に取った偶然に驚いた。そして、何度か身につまされて泣いた。
    自閉症の子の目線や心の動きのまま(という設定で)書かれているので、読みにくいと感じることもあったけれど、それはそれで味わい深く、分厚い本でしたがあっという間に最後まで読みました。
    息子を持つ親御さんにおすすめ。主人公の言動にハラハラしつつ応援しながら、親としての自分のことを振り返りながら、読んで、その状況を(物語なので当然ながら)立体的にかつ俯瞰して眺めることが

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    2020年10月28日
  • 夜中に犬に起こった奇妙な事件

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    ネタバレ

    発達障害の少年が,夜中にお向かいの愛犬が殺されているのを発見することから生じる様々な騒動を描く.
    主人公は,気に入らないこと,想定外のことが発生するとパニックを起こすが,我々と同じ意味での感情は持ち合わせない.その一方,我々とは視点が異なるものの見方をしており,普通の人がスルーするところに固執し,それが物事の進行の障害になることもあり,また,何かのブレイクポイントになることもある.
    本書はこの少年が執筆した本という体裁となっており,したがって,上記の様な理由から,いわゆる「感情移入」は難しいのだが,この不思議なストーリーテラーのおかげで物語は紆余曲折しながら進行し,主人公は冒険を成し遂げ,また

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    2019年09月19日
  • 夜中に犬に起こった奇妙な事件

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    発達障害の15歳の男の子が主人公。
    タイトルや序盤の展開からミステリなのかな?と思ったけど、クリストファーの成長?というか冒険?のような話だった。

    発達障害の子の周りからみれば突飛な行動も、こうやってクリストファーの内面を読んでみるとなるほどそういうことなんだなぁと彼らのことが少しだとしてもわかったような気がした。
    いろんな人がいるだろうからこういう考えの人ばかりではもちろんないんだろうけど彼らなりのちゃんとしたルールがあるんだろうなあ。

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    2018年07月29日
  • 夜中に犬に起こった奇妙な事件

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    タイトルの通り、夜中に犬が殺害された事件を解明していく物語。
    犬殺害が一冊の物語として成立するのか、というところだが成立する。なぜねら、この作品は犬殺害事件の犯人が誰なのかというところが重要なのではなく、誰がこの物語を書いたのかが重要だからだ。

    この作品はクリストファーという少年が書いている、という設定。このクリストファーはいわゆる発達障害の少年。
    そのため、他人の心情を理解したり想像したりすることが困難である。自分の中にある規則を守って生活していたいクリストファーは、周囲の人々と円滑な関係が保てない。
    こういうクリストファーがある夜に殺された犬の死体を発見するところから物語ははじまる。

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    2017年01月27日
  • 夜中に犬に起こった奇妙な事件

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    クリストファー少年はある夜、道を挟んで斜め向かいの家で飼われている友だち=ウェリントンという名の犬が、横たわっているのを見つける。家を抜け出して、傍まで行ってよく見てみるとウェリントンは大きなフォークのような道具で刺されて死んでいた。
    クリストファーは素数が好きだが、黄色と茶色が嫌いで、赤色は好き。決められた時間に決められた行動をするのを好み、人ごみや、人に触られるのは大嫌い。言葉を使わないで喋る、つまり人の表情も理解するのが苦手。でも、数学は大好き。
    そんなクリストファーはシボーン先生から「自分が読みたいと思うようなものを書きなさい」と言われたので、自分の好きなシャーロック・ホームズの小説の

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    2016年10月15日
  • 夜中に犬に起こった奇妙な事件

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    こちらでフォローしている方の感想にひかれて読むことに。とても面白かった。わたしが知らないだけで、話題になっていたのだろうか。タイトルから軽いミステリかと思っていたが、こういうお話だったとは。

    アスペルガー症候群の少年が書いたものという形をとっている。「普通の人」による妙な意味づけや解釈抜きに、彼の精神世界が開示される点がとてもいいと思った。傍目には奇妙だったり困惑させられたりする行動の一つ一つが、彼にとっては必然性のあることなのだ。読み進むにつれ、それが胸に落ちてくる。さらに、彼を深く混乱させる大量の情報に常にさらされて平気でいるわたしたち自身、ある意味では異常なのではないかという気がだんだ

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    2016年07月06日
  • 夜中に犬に起こった奇妙な事件

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    表紙とタイトルだけで衝動買い。
    ミステリと数学の要素を取り入れた、少年の冒険小説。
    主人公の少年の心理描写が絶妙。共感せずにはいられない。
    ごく普通の都市での冒険が非常にスリリング。
    これは買って良かった!

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    2016年06月26日
  • 夜中に犬に起こった奇妙な事件

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    海外ドラマ「グリー」にハマって以来、行く予定もまーったくないのにブロードウェイで今なにやってるか見てたり、トニー賞とか気にしてたりして、昨年そのトニー賞をとったってことでこの作品も気になっていて。(たしか、わがアイドル、ダレン・クリスも見にいっててブロードウェイ版で主演だったアレックス・シャープと仲よさげにしてたんじゃなかったっけ。どうでもいいが!)

    で、予想以上にすごくおもしろかった!
    発達障害のある少年が、隣家の犬が殺される事件に巻き込まれたり、ひとりでロンドンまで電車に乗っていったり、っていう、ミステリで、冒険モノで、成長物語で。わたしは途中で意外な展開に、下手なミステリなんかよりずっ

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    2016年05月24日
  • 夜中に犬に起こった奇妙な事件

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    # 夜中に犬に起こった奇妙な出来事

    犬を殺した犯人を少年が探すミステリーと思って読んだが、犬の事件は単なるきっかけで、実は発達障害の少年ががんばる冒険譚だった。

    少年が駅や人混みで困ってしまう場面はなかなか現実味がある。少年の父と母は褒められたものではないが、実際に発達障害の子どもを持ってみればいっぱいいっぱいになるだろうということも納得できる。とはいえ、犬を園芸用フォークで刺し殺すという行為は、どう考えても受け入れられないが。

    一番の理解者である、支援学校の先生の存在が大きいと思う。

    ジュヴナイル的な趣のある読みやすい本です。

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    2018年10月30日