伴田音のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
彼女が遺したミステリは、二人が歩む物語だったんだね。
婚約者であった君を亡くして自暴自棄になっていた僕の下に一通の封筒が配達されてくる。宛名も消印もない封筒から出てきたのは、亡くなった君からの謎掛けだった。どうして今さら、君は僕に謎を解かせたいの?解いた先に君はもういないのに…。
それでも僕は君の遺したメッセージを受け止めに歩み出す。どんな結末が待っていても「きみなら大丈夫。きっとできる。」と君が応援してくれるから。
久し振りの一気読みでした。
「号泣必至」の謳い文句の帯は別としても、読みやすくて読後感も程良い作品でした。誰かに何かを遺すというのは重荷であろうし、お互いに辛いものだと思いますが1つの愛の意味として素敵だと感じました。 -
Posted by ブクログ
恋人が3ヶ月間のイタリア出張へ行くことになり、付き合いたての頃にしていた習慣を思い出して、日々の何気ない場所や気になったものを写真に収めて送り合う「交換写真日記」を始めることになった二人。
主人公の由花は、彼から届くイタリアの美しい風景写真を見ているうちに、どこか拭えない違和感を覚え始めます。そしてその小さなひっかかりは、やがて目を背けられない確信へと変わっていくのですが……。
「恋愛写真ミステリー」と謳われてはいるものの、謎解きとしての本格的なミステリー要素はそこまで強くなく、ページを開けばふんだんに掲載された写真の数々と共に、心地よいテンポでサクサクと読み進めることができました。
物語の結末を迎えてから改めて表紙を見返したとき、「この表紙にはそういう意味が込められていたのか」とすべてが腑に落ちる、優れたストーリー性もお見事です。視覚的にも物語的にも余韻を残す、巧みな構成が光る一冊でした。 -
Posted by ブクログ
ネタバレトンネル内での電車の脱線事故。
偶然同じ車両に乗り合わせていた真結と景は、暗闇の中で互いに話しかけ、励まし合って生き延びようとしていた。
救出された後、被害者の会でまた再会し…
最初の事故の描写がとても怖くて、読んでるだけでもトラウマになりそうだった。
電車の事故にトラウマがある人にはおすすめできない…。
事故後、二人が心を通い合わせていく過程はときめきを感じ、二人が幸せになれるようにと応援しながら読んだ。
しかし途中から不穏な空気…
少しずつ違和感を感じる場面が増えていき、クライマックスを見たくないのに、進むのが止められないジェットコースターの上り坂にいる気分。
そこから急降下で明かされる真実に、なんとも言えない気分になった。
ストーリー構成が巧みで、緩急のつけ方がすごい。正にジェットコースター!
景色を楽しんでいる余裕があったかと思えば、次の瞬間に急カーブ!という具合で、息つく間もなく読み終えた。
最高の幸せと最大の悲しみを同時に味わえる一冊だった。