シモーヌ・ストルゾフのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
タイトルから、自己啓発系の本か?と思ったけど、働く人へのインタビューと、それを通して筆者が考察したことがまとめられていた。
すごく参考になった。
今の社会の、仕事が美徳やアイデンティティになっていることに何となく違和感を持っている人は多いと思う。
「仕事の成功や成果こそ成長の証」を「労働信仰」と明確化して、警鐘を鳴らしてくれた。
何となくの違和感がこういうことだったんだと理解できた。
仕事を自己成長や自己実現と結びつけることで、企業は労働者から搾取しやすくなる。
この本を読んで、企業が定義した成功のレールに乗っからなくてもいいと思った。
翻訳も読みやすく、頭にスッと入ってきた。 -
Posted by ブクログ
▼感想
・第6章の元コンサルタント・ジョシュの話に痺れました。キャリアや収入額は違いますが、現状の葛藤から思考・行動した結果、満ち足りている心象風景が鮮やかに伝わりました。
・その他に登場する8名のお話も読み応えがあり、お勧め出来る書籍です!
▼メモ
・「愛することを仕事にすれば、1日たりとも働かずに済む」という言葉について ⇒ 「仕事はどうやったって仕事だ。一部の人は好きなことを仕事にしている。仕事以外の時間に好きなことができるように働いている人もいるどちらがより貴いということはないよ」
・「日々をどのように過ごすかは、人生をどのように過ごすかである」:作家アニー・ディラード
・元世界的コンサルティング企業に勤めたジョシュの3つの働き方の実験
(1)やる価値があると思える仕事のみ引き受けること
(2)報酬が良い仕事のみ引き受けること(時給130ドルの仕事)
(3)週に20時間以上は働かないこと
※たいていは週に10~15時間働き、6桁ドルの年収を維持している
・「人間の短い人生の価値は、経済的な報酬がある企業に貢献することだけで決まるなんて、僕はそう信じているのか?」と問いかけた。「そんなことはない。その問いに対する僕の答えはノーだ」。次に本当はどうしたいのか考えた。特に予定のない日々を過ごし、川沿いの道を何度も歩いて答えが見つかったという。「畏敬や感動に突き動かされた生活がしたい」と木々の間を縫うように進む中ジョシュは言った。「自然に身を置いて、そこで感じることを味わいたいんだ」「そういう人生を送りたい」と言った。
・あなたが価値を置くものと市場が価値を置くものを考慮に入れた、あなただけの「成功」を定義することが重要だ。神学者フレデリック・フブナーの言葉を借りれば、「個人の大きな喜びと、世界の大きなニーズが出会うところ」を見つけることである。
・ベーシックインカムの実験結果の最も励みになる部分は、お金に余裕ができたことで、「自己決定、選択、目標設定、リスクを取る余裕」が生まれたことだ。端的に言えば、個人の自律性が増したのである。
・「仕事を主役にしない生き方の対極にあるのは、人生を主役にする生き方である」 -
Posted by ブクログ
アメリカ人ジャーナリストが、仕事中心の生活や生産性向上を追求する姿勢に警鐘を鳴らす本。ビジネス界において成功した人で、高収入の待遇を捨てて自分の時間を大事にすることによって幸福を得た例をいくつか挙げつつ、ビジネスの世界で成功することが必ずしも良いことではないと述べている。富裕層が皆、幸せではないことには同意するが、豊かさや高収入を追求していくことが、資本主義の現代社会において重要なことは言うまでもない。生産性向上を否定することは、現代社会における負け犬根性のようで賛成しがたい。前向きに多様性を主張した方が受け入れやすいと思う。
「過去を振り返ると、富と労働時間は反比例するものだった。裕福であればあるほど働く時間は短くなった。当然、お金があれば働かなくて済むからだ。ところが、過去50年における労働時間の増加の大部分を担っているのは高所得層である。つまり、さほど働く必要がない人たちがそれまで以上に働いているのだ」p15
「1975年には、米国人とドイツ人の平均労働時間はぴったり一緒だった。しかし、2021年の統計では、米国人はドイツ人より30%以上も長く働いている」p18
「(米国人は教会に行かなくなった)コミュニティに参加しなくなるほど、人びとはその穴埋めを仕事に期待するようになった」p57
「労働者は生産性で、企業は売上で、国の健全性はGDPで評価される。世間は「社会の生産的な一員」とされる人たちを称賛し、社会サービスに頼る人たちを「ただ乗り(フリーライダー)」と揶揄する」p100
「(サンフランシスコ大学セラ・カーン)人間関係が濃い職場では社員は不正行為について黙っている可能性が高いことを明らかにした」p120
「平均的な米国人は、平均的なフランス人よりも週に約6時間、平均的なドイツ人よりも週に約8時間、働き過ぎで知られる日本人よりも週に3時間半も多く働いている」p141
「(スタンフォード大学ジョン・ペンカベル)労働者の勤務時間が週50時間を超えると、1時間当たりの生産性が急落することがわかった。勤務時間が週70時間以上のときの生産性は、衆56時間のときの生産性とそんなに変わらないことも明らかになった。長時間働いても、仕事の効率は上がらない」p161
「(プリンストン大学カレン・ホー(ウォール街の投資銀行))社員が午後7時までオフィスに残った場合、夕食代は会社が出す。「食料品を買う時間も料理をする時間もない社員はすぐこのサービスに依存するようになった。午後7時前に帰れる日があっても夕食のためにオフィスに残る社員もいた」と彼女は説明している。さらに午後9時まで会社にいると、帰宅するためのタクシー代を会社が払ってくれる。夕食とタクシー代の負担が、銀行員が夜遅くまで働くことを後押ししていたのである」p170
「高校の成績優秀者で、イェール大学を卒業し、世界最大の資産運用会社の史上最も若いマネージングディレクターにもかかわらず、あまりのストレスで髪が抜け落ちている」p190
「ステータスが高ければ食物や配偶者、安全を手に入れやすくなる。ステータスが高ければデートはうまくいき、ローンの申請が通り、質の高い医療を受けられる」p192 -
Posted by ブクログ
あの有名な漁師と実業家のジョークに始まる本書は、仕事が主役の生き方ではなく人生が主役の行き方をするために、仕事以外のアイデンティティを持つことが大切だと解く。
今や米国の労働時間は、かつて「働き過ぎ」と言われた日本を追い抜いて、先進国で最も長いらしい。中でも高給専門職の労働時間が長く、そこには「仕事の成功が人生の目的」という仕事信仰があるという。「やりたいことを仕事にすれば、一生働かずに済む」とか「やりがいのある天職に付くことこそが幸福だ」とかいうメッセージが仕事信仰の普及を後押ししているが、全ての人が仕事を通じた自己実現を達成できるわけではない。仕事を人生の中心に置くと、仕事で行き詰まったときに人生に行き詰まったと感じてしまうし、解雇がアイデンティティの喪失に継がる(日本では突然の解雇はそうそうないだろうが、たとえば定年退職後を考えて欲しい)。日本でも「ほどほど族」とか「やいがい搾取」といった言葉がでてきて、仕事信仰や仕事中毒に対して疑いの目を向ける人が増えてきているのは、自然な成り行きなのかもしれない。 -
Posted by ブクログ
タイトルの「静かな働き方」から想像する内容と違った。副題の「ほどよい」を生かして「ほどよい働き方」というタイトルのほうが合っている気がする。
といっても、書かれている内容の仕事主義は私にも当てはまった。
私は特にがむしゃらに仕事をしているわけではないが、この本に書かれているように仕事にお金以外のやりがいやアイデンティティを求めすぎているかも。もう少し仕事以外のものに 比重を置く、思い込みを変えることが必要かも。
内容要約
行き過ぎた仕事主義を警告する本。
仕事主義をやめて足るを知り、ほどよい仕事との付き合い方を見つけようという内容。
仕事主義とは仕事を崇拝する人のこと。
仕事を生計を立てる手段ではなく、人生の意味、自己実現の手段、アイデンティティにもなってしまっている状態。
仕事主義をやめるために「仕事で成功することこそ人生での成功」「 肩書きは社会的ステータス」「 長く働くほど 多くを達成できる 」「やりたいことを仕事にすべき 」という個人の思い込みや信念を変えることが第一歩。
また仕事以外の居場所、やりたいことを見つけるのも大事。 -
Posted by ブクログ
取材に基づくノンフィクションかな?仕事主義の蔓延,仕事がパンのための労働を超えた価値を持つようになっていること,自己実現と仕事など,テーマとしては興味深いのだが,深掘りはできていないような。あと,雇われ労働者と経営者・起業家とではまた別のような気もする。
自分自身は仕事ばかりしているようでいて,お金にならないことが多いので,それは仕事と言えるのか?と感じている。基本的には資格(肩書)に基づいた活動なので仕事なのかもしれないが,稼ぐという意味ではボランティア活動に極めて近い。
仕事を取ったとき何が残るかというと,この自分自身が残るだけで,この自分自身がたまたま今の仕事をしているという意識なので,アイデンティティにどれほどの影響があるのだろうかと思う半面,別の(それなりに満足できる)仕事がなければなかなかしんどいかもしれないなとも思う。10代の頃の何の肩書きもない開放感を思えば,目標さえあれば不安はないのだろうけれども。