アンソニードーアのレビュー一覧

  • すべての見えない光

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    新潮クレストブックスで。

    なんとなく、自分の中で思っていた2024年の課題図書のうちの一冊。

    第二次世界大戦の最中のドイツ兵とフランスの盲目の少女。
    重なるはずのない二つの命は、危機迫る中、細い糸のような希望になる。

    なぜこんなに理不尽に何もかも奪われるのだろう。
    自由、親、家、興味の追究、食べるもの。
    戦争がすり減らすもののどんなに大きく容赦ないものか。

    息苦しさのなか、ほんのちょっとのピュアな部分。
    それだけが救い。
    善人でいるのが難しい時代。
    そんな時代は2度と来ないで。

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    2024年11月21日
  • すべての見えない光

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    違う時間、違う場所にいる登場人物たちの視点で語られる断片的な情景がひとつの物語に集約されていく描写に圧倒された。映画を観たというかもはや自分で撮ったように感じるくらい引き込まれた。

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    2024年04月18日
  • すべての見えない光

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    第2次大戦のフランスの盲目の少女マリー=ロールとドイツの機械に強い少年兵ヴェルナーの邂逅の物語です。マリー=ロールの物語とヴェルナーの物語が交互に入れ替わる形で著され、物語の先が徐々に明らかになっていく技法は小説独特で、盲目の少女の感覚と重なるようなイメージを読者に与えているような気がします。マリー=ロールの持つ宝石の行方も気になる読者も多いと思います。物語の終わりは、世代の移り変わりによって、消えゆく者の定めを著しているように思えました。傑作だとは思うのですが、過去に読んだ名作と比べてののめり込み度合の部分で星4つにしました。

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    2024年01月25日
  • すべての見えない光

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    まだナチス・ドイツが台頭してくる前の時代。
    パリの国立自然史博物館の錠前主任を父に持つマリー=ロール・ルブランは幼い頃に目木見えなくなる。手先が器用でさまざまな難解な鍵を作る父は彼女の為に正確な街の模型を作り、マリー=ロールはその模型を手で辿る事で街の構造を覚え、盲目でも目的地まで街中を歩けるようになる。

    一方でドイツ、エッセン地方のツォルフェアアインという炭鉱の街では炭鉱夫だった父を落盤事故で亡くしたヴェルナー・ペニヒと妹のユッタ。二人は孤児の集まる施設で育つが、ヴェルナーは科学に興味があり、ラジオを自作して遠い異国から流れてくる電波を受信して妹と二人で夢中になる。

    ナチスが台頭してくると、ヴェルナーはその才能を買われ、ユッタを残してヒットラー・ユーゲントに入り、そこで敵軍の無線機を探知する仕組みを作るなどして、ドイツ軍に。
    フランスがナチス・ドイツに蹂躙されマリー=ロールと父は海辺の街サン・マロに疎開し、引きこもりとなった大叔父と、彼の面倒を見る老婦人の世話になって暮らす。

    盲目となり光を失ったマリー=ロール。電波という見えない光を追いかけるヴェルナー。全く知らない同士の二人が、第二次大戦のサン・マロという海辺の壁に囲まれた要塞のような街で交錯していく。

    大戦前の豊かなフランスと、貧しいドイツ。
    大戦初期のナチス・ドイツがフランスを占領しようとする頃。
    そして戦争末期、連合軍と戦いを続けながらもフランスから撤退し、滅びようとしているナチス・ドイツ。
    という三つの時間を行き来しながら、さらにはフランスのマリー=ロールとドイツのヴェルナーの周辺が交互に短い文章で断片的に語られる。
    短い断片の積み重ねが読みやすい一方で、場面が頻繁に変わるので物語としては読みにくいところもある。
    物語自体は歴史的な背景を知らなくても楽しめるが、ヒットラーが各国の美術品や宝飾品を集めていたこと、サン・マロはナチスの侵攻によって崩壊した連合軍が海に逃れた拠点であったことなど、歴史を知っているとまた違う読み方ができる作品。

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    2023年12月16日
  • すべての見えない光

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    ネタバレ

    ビルゲイツのおすすめ。
    まずはNetflixで。マークラファロは私の好きな俳優さんの1人です。
    彼が出てる映画は面白いものが多いです。

    その後に観たNetflixのドラマ、マニフェストでこの本がずっとテーブルに置いてあった。
    それで気になり、今更ですが本も読むことにしました。
    いつも思いますが、日本語で読めることに感謝です。
    翻訳家さん、ありがとうございます。

    見えない光とは、つながり。
    悪い空気も同調させる空気もある。思想。
    ネット、ラジオ、亡くなった人達。

    自分の時間、人生を一生懸命に生きる。
    自分の意思で。
    国家や誰かの駒では無く。

    何年、生きたかでは無く、自分の人生を生きたか。
    日々やらされている事ではなく、自分で選んでしている人生。
    物語を信じる。自分を信じる。

    愛。

    参考 海底2万マイル
    ビルゲイツがお勧めの本って難しい。

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    2026年01月04日
  • すべての見えない光

    Posted by ブクログ

    WW2の時代。盲目の少女マリーとドイツの若い兵士・ヴェルナーのラジオを通した物語。
    「空気は生きたすべての生命、発せられたすべての文章の書庫にして記録であり、送信されたすべての言葉が、その内側でこだましつづけているのだとしたら。」

    印象に残った場面は、戦争が激化していく中でドイツ国内でフランス語を使うことをためらうエレナ先生。戦争終結後ユッタ(ドイツ人)がフランスへ行くとき、拙いフランス語を使うことでドイツ人とばれるのを恐れる描写の対比。
    また、ユッタがフランスのサン・マロで見た銘板(あれは実在だそうです)。そこにドイツ人兵士の名前はない。立場が変われば見えてくるものも違う。

    ただ、1つ1つの話が3,4ページで変わっていくので、ストーリーに入り込むことがうまくできなかった。炎の海というダイアモンドの話も浅い部分で終わった気がする。マリーの父は主要人物かと思いきやそうでもなく、ヴェルナーの妹・ユッタもそう。ちょっと物足りなさを感じた。

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    2024年01月01日