アンソニードーアのレビュー一覧

  • すべての見えない光
    時間軸や人物の視点が次々に入れ替わっていく、パズルのような構造の物語。第二次世界大戦を背景に、戦争が人々の人生を否が応でも変えていってしまう中盤まで、膨大な文章量も相まって読むのにエネルギーを使う。しかし、それまでの伏線を回収しながら全ての話が繋がっていくラストの約100ページは圧巻。

    長編小説で...続きを読む
  • すべての見えない光
    余韻の残る読後感、心がしばらくこの小説の中を漂いました。深く考えさせられる内容であり戦争のむごさに震えましたが戦後の主人公達の生きる姿にも触れられていて少しホッとしました、また人が生きる強さも感じました、
  • すべての見えない光
    第二次世界大戦下。フランス・パリの博物館で働く父と暮らす盲目の少女。一方は、ドイツの炭鉱町にある孤児院に妹と暮らすラジオに興味を抱く少年。

    国も境遇も違う、戦争が無ければ決して巡り合わなかった二人の人生が、時間軸を前後しながら短い断章として交互に語られていきます。次第に戦争に巻き込まれて行く盲目の...続きを読む
  • すべての見えない光
    違う時間、違う場所にいる登場人物たちの視点で語られる断片的な情景がひとつの物語に集約されていく描写に圧倒された。映画を観たというかもはや自分で撮ったように感じるくらい引き込まれた。
  • すべての見えない光
    第2次大戦のフランスの盲目の少女マリー=ロールとドイツの機械に強い少年兵ヴェルナーの邂逅の物語です。マリー=ロールの物語とヴェルナーの物語が交互に入れ替わる形で著され、物語の先が徐々に明らかになっていく技法は小説独特で、盲目の少女の感覚と重なるようなイメージを読者に与えているような気がします。マリー...続きを読む
  • すべての見えない光
    まだナチス・ドイツが台頭してくる前の時代。
    パリの国立自然史博物館の錠前主任を父に持つマリー=ロール・ルブランは幼い頃に目木見えなくなる。手先が器用でさまざまな難解な鍵を作る父は彼女の為に正確な街の模型を作り、マリー=ロールはその模型を手で辿る事で街の構造を覚え、盲目でも目的地まで街中を歩けるように...続きを読む
  • すべての見えない光
    WW2の時代。盲目の少女マリーとドイツの若い兵士・ヴェルナーのラジオを通した物語。
    「空気は生きたすべての生命、発せられたすべての文章の書庫にして記録であり、送信されたすべての言葉が、その内側でこだましつづけているのだとしたら。」

    印象に残った場面は、戦争が激化していく中でドイツ国内でフランス語を...続きを読む