G.K.チェスタトンのレビュー一覧

  • 聖トマス・アクィナス

    Posted by ブクログ

     本書は読者を選ぶ本である。山本芳久氏の解説で興味を持った読者もいることと思うが、哲学史で語られるような概要やトマス哲学の体系を学ぼうとする人にとっては期待外れの一冊となってしまうかもしれない。しかし、その山本芳久氏の解説にも詳しく述べられているように、生涯にわたってトマスを突き動かした確信が如何なるものであったのかをこれ以上にない仕方で表す稀有なトマス入門である。
     評者は原著をすでに読んで感動していた。ヴィクトリア王朝の英語を代表するチェスタトンだけに印象的な言葉の数々が心に刺さってくる感覚を幾度も覚えた。それに比してしまうと、もうちょっと訳し方があるのではないかと思ったのが読み始めたとき

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    2025年12月08日