ボエティウスのレビュー一覧

  • 哲学の慰め

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    反逆罪の嫌疑をかけられた神学者・音楽理論家・数学者であったボエティウスが、死刑を待つ牢獄で書いたという「哲学の慰め」。悲しみと怒りに暮れるボエティウスと、哲学を擬人化した高貴な女性との対話という形の書物になっている。「なんで自分がこんな目に」と悲しみにさまよって哲学という「祖国」を離れてしまったボエティウスに、女性が哲学の見地からひとつひとつ物事の道理を解き明かしていくのである。
    混乱と動揺の中で自分の陥った境遇を確認し、それらがどのように哲学的に肯定されうるのかを考え抜いていくその姿は死を眼前にしたボエティウスの思考をそのまま追っていくようで、凄みが感じられる。4章の最後には「一切の運命が全

    0
    2026年04月23日