アグネス・ザッパーのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
家庭小説!と思って読んだが、なかなかのエンターテイメントでした。
たしかに道徳くさいところもありますが、家族みんな、それぞれ欠点などもあって、人間くさくて楽しい作品でした。とくに父。
主人公?が兄弟の下から二番目、というのが新鮮。
フリーダーは、ボンヤリしてて、自己評価の低い、でも優しい子です。
バイオリンを父に渡すシーンは本当にかわいそうで、読んでいて、胸が詰まりました。
また、伯父さんがなぜ、フリーダーを選ぼうとしたのか、ハッキリ理由がなくて気になりました。
聾唖のお手伝いさんの描き方、今なら確実にアウトですが、時代を表してますね。
とにかく、読んで良かった。もっとみんなに広く読まれてほ -
Posted by ブクログ
ペフリング一家の愉快な毎日。
幼い頃に読んだのは抄訳とか子ども向けだったのかもしれない。とにかく覚えているのは階段の真ん中がすり減る話だけ。再読してみて、こんなに大事件が起こらない話だったのかと驚いた。たとえば同じ貧しい子沢山一家の『ふくろ小路一番地』では、もっと大冒険だったり大事件だったりが起きている。しかし、この愛の一家は、なぜか静かなのだ。落ち着いているというか。
アコーディオンやバイオリンを手放せない小さな音楽家のフリーダーが一番気になる。この物語には前史と続編もあるという話だが、やはりフリーダーが気になってしまう。そしてこの物語の舞台はおそらく出版された1907年あたり、つまりド