西尾哲夫のレビュー一覧
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「お姉さま、おやすみでないのなら
昨晩の楽しいお話の続きをお聞かせください」
まだ日も昇らぬ頃、
ディナールザードが姉シェヘラザードへとせがむ。
一見すると微笑ましい場面にも思えるけれど、
これはシェヘラザードが自らの命をかけて、
夫シャフリヤール王に聞かせる物語なのだ。
『ガラン版 千一夜物語 1巻』
今年の挑戦のひとつ。
ガラン版『千一夜物語』を毎月1冊読んでいこう!企画。
本屋さんで、あまりにも美しい装丁に一目惚れしたんです。
あぁ、なんて重厚で、なんてわくわくする物語なのか。
アラビアンナイトと同じ頃に生まれた文学が、
「源氏物語」や「伊勢物語」だと思うと、
そのことにもまた胸が高鳴ってしまう。
アンデルセンやアレクサンドル・デュマが
愛読したという『ガラン版 千一夜物語』が、
令和の今、日本で、しかも4000円弱で楽しめる。
こんなに素晴らしいことって、
なかなかないんじゃなかろうか。
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アラビアンナイトって、
昔からかなり性に奔放なイメージがあったんです。
でも解説にもあるように、ガラン版はそうした描写も
とても美しく、品よく表現されていて読みやすい。
日本で平安文化が花開いていた頃、
イスラム世界ではこんな摩訶不思議な物語が
紡がれていたのかと思うと、それだけで痺れてしまう。
王妃の不義に激怒したシャフリヤール王は、
その後すっかり女性不信になり、
一夜限りの王妃を迎えては翌朝に殺してしまう。
そんな暴虐な王のもとへ、
賢いシェヘラザードはみずから王妃として赴く。
妹を連れて王宮に入り、
早朝、妹に促される形で王へ物語を聞かせるのだ。
しかも、その物語が絶妙にいいところで終わる。
王は続きが気になってしまい、
処刑を翌日に延期する。
それが千夜にわたって続くという、
まさに命懸けの物語なのである。
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毎月1冊ずつ、ゆっくり読んでいこうと思う。
岩波書店のハードカバー函入りで全6巻。
この半年は、
不思議で贅沢な夢を見られそうだ。 -
Posted by ブクログ
シェヘラザードが古代ペルシアの王に夜明けに語る物語。
旅人になりすましたカリフと出会った商人が一日だけカリフになる「目覚めて眠る者の話」や少年アラジンが魔法のランプで幸せになる「アラジン、もしくはふしぎなランプの話」など収録。→
ディズニーで有名なアラジンのお話が収録されている第5巻。実はディズニー版アラジンを知らない私はいまいちピンとこなくて、お話的には「目覚めて眠る者の話」の方が好き。この話、現代日本だと罰当たりと言われそうだけど、ここまで突き抜けたら楽しすぎる。アブー・ハサンとヌズハトゥルアウダが→
お互い死んだふりするシーンとか、演劇で見たい。もはやコメディ笑
アラジンは、立身出世モノかな?アフリカの魔術師が少しだけ不憫な気もする。ランプ見つけたの彼なのに笑
巻跨ぎのハールーン・アッラシードの話は短篇集っぽくて読みやすい。
いやはや5巻目、大満足でした。次でラスト!わくわく! -
Posted by ブクログ
私の今年のひそかな挑戦。
「毎月1冊、アラビアン・ナイトを読んでいこう!」
今回もまた、重厚で美しい装丁に
感嘆のため息がもれる。
『ガラン版 千一夜物語 2巻』
本書は、女性不信になった王様が
一夜限りの王妃を迎えては、翌朝に殺してしまうという
あまりにも暴虐な物語から始まる。
けれど、賢いシェヘラザード王妃は
そんな王様に毎夜物語を聞かせる。
そして、続きが気になるところで話を翌日に持ち越すことで、
処刑を先延ばしにしていく。
まさに命懸けの物語だ。
2巻では、妹の早朝の声かけ
(そう、実は深夜ではなく早朝なのだ)
「お姉様、お休みでないのなら、お話の続きを聞かせて」
がなくなったことで、
前巻以上に物語へ没入しやすくなった気がする。
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今回は、なんといってもシンドバッドの冒険!
シンドバッドといえば、
大高忍さんの漫画『マギ』のシンドバッドが大好きなので、
あの物語がアラビアン・ナイトを
モチーフにしていたのかと思うと感無量。
ジャーファルまで登場して、つい脳内変換してしまう。笑
シンドバッドの七つの航海は、想像以上に過酷だった。
巨人や人喰い民族に捕まったり、
夫婦の片方が亡くなると伴侶が生き埋めにされたり、
何度も九死に一生を得ているというのに、
それでもろくに休まず航海に出たがるのだから、
シンドバッドは根っからのドM気質なのかもしれない。
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それにしても、本書を読んで
イスラム女性のイメージが少し変わった。
高貴で美しい女性に限る、ということなのかもしれないけれど、
夫がガーリック入りのシチューを食べて手を洗わなかった、
それだけで指を切り落とすとか、あまりにも酷すぎやしないですか。笑
それでも奥さんのことを好きなのか……
惚れた弱み、というやつなんでしょうかね。
あと、ジン?が人間の青年のあまりの美しさに惚れてしまったり。
こういう、日本ではなかなか味わえない異文化の物語が
面白くてたまらない。 -
Posted by ブクログ
お、面白い。。語彙力に問題があるかもしれないが、そうとしか言えない。
原型は1000年以上も前に、当時のアラブ世界に伝わっていた伝承の物語をまとめてできたもの。これを300年ほど前のフランス人が翻訳したところ、当時のフランスに始まり世界中で大ヒットして今に至る、ということらしい。
妻の不貞にショックを受けたペルシャ王シャフリヤールが、「もう女なんか信じない」と、毎夜新しい妻を娶り、明くる朝には裏切られる前に殺してしまうという暴挙を繰り返すようになる。これを止めるべく手を挙げたのが、宰相の娘、シェヘラザード。彼女は王と一晩を共にし、夜明け前になると、とてつもなく面白いお話を王に語って聞かせる。続きが気になって仕方がない王は、シェヘラザードを殺すのを翌日まで見送ることにする。これを毎夜繰り返していくというのが、ベースのストーリー。
そのストーリーの中に夜ごと語られるお話の中身があり、そのお話の中でもまた、様々な登場人物がお話を語る。枠物語というそうだが、こうして出来上がった迷宮のような物語の結晶体が千一夜物語だというわけだ。
物語には様々な不思議な物事が登場する。突然現れて、人外の力で理不尽極まりない暴虐を行う邪悪な精霊「ジン」(ジンは何度も出てくる。毎回容貌も性格も、登場する際のエフェクトまで違うので、固有名称ではなく、種族名らしい。)、動物と話したり、人を動物に変える魔法が出てきたり、この辺りはアラビアンナイトのイメージそのままだ。現代でも衰え知らずの人気を保ち続けるファンタジーの世界の想像力が、こんなに昔の人々によって既に培われ、それを今もなお使っているという事実に途方もない気持ちになる。
ただ、この物語が面白いのは超常現象が出てくるからではなく、そうした超常の介在によって人々の生と死、欲望や自制や、残酷さや情けぶかさ、家族への愛、異性への愛、様々なものが凝縮されることにあるようだ。一つ一つの話は数ページから10ページそこそこなのだが、そんな短い尺でもどれも面白くて、寝る前に読み始めると次々読んでしまう。これが人から人へ、年月をかけて磨かれた力なのだろうか。作り手も異なる無数の話の集合なのだから、通底する一つの価値観やメッセージなどは有り得ない。唯一あるとすれば、面白くない話は廃れ、面白い話は残る、そしてより面白くなるように少しずつ添削されていくだろうということだろうか。これを読んでいると、「面白い」ということが、人間にとって何かしらの真理を含んでいる気がする。 -
Posted by ブクログ
注)軽くネタバレ有
「海のシンドバードの話」
旅好きで全ての海をまわったとされる、莫大な財産の持ち主のシンドバード
決して楽して恵まれて財産を持っているわけではなかった(もともとはお金持ちだが、散財したっぽい)
彼の7回もの命がけの壮大な航海が語られる
毎回帰ってきては「これが最後!」「もう二度とごめんだ」と言い切るのに、また日常生活が退屈になるのか出かけてしまうシンドバード!
そしてお約束のように不思議な出来事に遭遇し、命を脅かされる恐ろしい目に遭う
子供のころ読んだことのある話でうっすら記憶があるのは
島と思って上陸したところが、クジラの背中だった!ってところだけだ
ピンポイントでここだけ
これ以上の記憶はまったくない
が、実際のお話しは盛り沢山であった
巨鳥のロック鳥、人喰い族、巨人、海賊はもちろん、結婚した伴侶が死んだら生きていても生きたまま埋葬するしきたりの国、取りついた相手を絞め殺すまで離れない老人、象を殺さず象牙を得る方法を見つけるシンドバード…
いずれにせよ強運でどうやら神に愛される人物ということらしい
改めてシンドバードを読むと千一夜物語って大人向けだ 子供に伝わるのはある一部分だけなのかも…
「三つのリンゴ」
カリフさまと宰相が見つけた大きな櫃
そこにはなんと若い女性の遺体が…
病に伏した妻が求めたのがリンゴ
その愛する妻のため夫はリンゴを探す
しかしどの市場にも店にも庭園にもない
バスラの地まで行きようやく、3つのリンゴを手にいれることができる
ある日夫が店番をしているとリンゴを手にした黒人奴隷の男が…
何処で手に入れたのか?問いただすと
好きな人からもらったと言う(しかも仲良く食事もしたらしい)!
よくよく聞くと紛れもない我が家のリンゴである(あれだけ探しまわってなかったのだから、そりゃそうだ)
妻にリンゴはどうしたのかと問いただしても「さぁ?」という生半可な返事
逆上した夫は妻を短剣で刺す
その後泣いている長男が帰宅
リンゴを持ち出して遊んでいると大きな奴隷が通りかかりリンゴを取り上げたと言うではないか!
なんという皮肉なめぐりあわせ!
まぁその先まで物語は続くのだが…
とにかく「千一夜物語」ではこのパターンは結構多く、すぐカッとなり、逆上し殺害してしまう
しかしよくよく聞くと…というオチがあったりする
悲しい人のサガと愚かさ
そう、すぐに皆さんカッとなって、殺害しちゃうのだけど、その割にいつまでも後悔したり、泣き続けたり、ひどいと病に臥せったりする
まぁとにかく日本人からもちょっと考えられないくらいの激情家が多く、感情の起伏も驚くほど激しい
それが面白いんだけど
「こぶ男の物語」
これまたややこしい
ある仕立て屋の夫婦が招待した食事の場で「こぶ男」が魚の骨を詰まらせて死ぬ(マジで⁉︎)
あせった夫婦は遺体をユダヤ教徒の医者の家へ
死体を階段の上まで運び上げ、逃げ帰る仕立て屋夫婦
何も知らない医者が死体を蹴飛ばしてしまい、階段から落ちた「こぶ男」が死んでいることに気づき、大慌て!
こちらもとにかく死体をどこかへ…
そしてお隣のイスラム教徒の煙突に放り込むことに
外出先から戻ったイスラム教徒は暖炉に人がいることに気づく
とっさに泥棒だと思い、木杖で何度も殴りつける
しかし相手がびくとも動かないことを不審に思いよく見るとなんと死んでいるではないか‼︎
こちらも他の場所へ移動させることに
街はずれのとある店に「こぶ男」をもたれさせて逃げ帰るイスラム教徒
さて外出先から戻ったキリスト教徒の商人
ひどく酔っており途中で立ち小便がしたくなり、一軒の店の壁を背に向けると…
商人の背中に倒れ込んでくる
つい物盗りだと勘違いした商人は、「こぶ男」を思いきり殴りつける
ちょうど近くを通った番人に見つかり、御用となるのだが…
スルタン(君主)の前で各人が「自分がやった」と言い出す
スルタンからすればどういうこっちゃ⁉︎
なのだが…
スルタンは今回の話に興味を示し、書き記させることに!
さらに、もっと面白い不思議な話を知る者はいないか
こぶ男の話より面白くなければ縛り首だ!と挑発(何この展開!?)
そして4人が知っているオモシロ話を「又聞き」として話すのでまぁややこしいこと!
そして運悪いことにこの巻で完結していないので、3巻に続く…なのである
本書でも感じるが豪華絢爛さが半端ない
財力の規模が違い過ぎる
当時のアラブ諸国の財力を感じさせる
日本ではこんな物語は誕生しないだろう!
またしてもなんだか病みつきになってしまう「千一夜物語」
最後に人にストレスを与えるかなりイラつく床屋が出てきており、この男がどうなるか気になるのでやはり続きも読まなくては! -
Posted by ブクログ
いわゆる「アラビアンナイト」である
誰もが知っているようで意外ときちんと読んだことがある方は少ないのではないだろうか…
(最もそのうちの一人が自分であるが)
~9世紀ごろに原型ができ、原型が作られたイスラム世界でも多様な版が存在
やがてヨーロッパに紹介されていくにつれアラビア語の写本には存在しない話が創作され、数多くのバリエーションが生まれた(ヨーロッパと中東という二つの文明の間を行ったり来たりするうちに変形が進んだ物語)~(Wikipediaより抜粋)とのこと
私たちが子供のころ触れたのはその中の一部の物語(アラジン、シンドバッド、アリババなど)に過ぎないということである
なにしろ数多くのお話が盛りだくさんなのである
こちらは千一夜物語の中の「ガラン版」
アントワーヌ・ガランさんというフランスの方の翻訳本
ガラン版では「礼儀上ゆるされない」ことは訳さないとしている…らしい
というのも、当時貴族などのパトロンに献呈し、国王による正式な許可があってはじめて印刷可能になった
そしておおぜいの前で読み上げることが多かったと推測される
そのため、男女の絡みを描いた部分は数えるほどしかなく、いたって簡潔な描写になっている
元の内容があとがきで一部紹介されているが、なかなかストレートかつ卑猥な内容である(汗)
良い子は読んではいけない
それはともかく、
19世紀に仏語・英語に編訳されたマルドリュス版・バートン版などと異なり、オリエンタリズムに彩られた脚色がなく、より原形に近いシンプルな内容構成
とのこと
比べたわけではないのでわからないが非常に読みやすかった
軽くご紹介すると…
仲の良い2人の王の兄弟がおりました
どちらも愛する妻の不貞に裏切られる
二人とも妻の罪を許さず、殺してしまう
さらに兄であるペルシアの王シャフリヤールは「貞淑な女はいない」と考え、二度とそむかれることのないようにと、一夜限りの妻を迎えては翌朝には彼女を殺すことにした(当初は良い人だったのになぁ…残酷!)
町の人々は驚き、嘆き、悲しみに暮れた
そんな中、美しく、胆力と洞察力にとんだ才如を待ち合わせる宰相の娘シェヘラザードが、立ち上がる!
彼女は王に世にも不思議な話を聴かせ、夜が明けるころになると、「王さまが明日もわたしを生かしてくださるのなら、もっとおもしろいお話をお聞かせできるでしょう」とシェヘラザードはお話を語り続け、王は話を聞くのを毎日楽しみに…そして彼女は生き延びる
お話の中に、またお話が組み込まれており、いちいち面白い
残酷な裏切りや、あっと驚く展開
知恵を凝らした報復、鮮やかな逆転劇…
いくつもいくつも現れる摩訶不思議で美しく面白い物語…
これはやめられない止まらない…
1巻を読んでみて感じた特徴
日本の感覚と違うせいか新鮮
女性が強く結構怖い
意外にも(と言うと問題発言だろうが)女性の不貞が多いことに驚く
なにかあると動物にさせられちゃう…
情けが少なく罪が重い
豪華絢爛な描写に想像力が膨らむ(半端ないっす)
必ずお話にオチがある(スッキリ!)
最後の右目を潰された3人の僧、3人の姉妹のストーリー展開はお見事!
(少々雑なレビューですみません)
当時のアラビア文化に触れるような素敵な感覚に浸れる
昔の物語が素晴らしいのは、現代と違って物や情報がないがため、逆に想像力が豊かであったのだろう
その上中東とヨーロッパを行ったり来たりして、手が加えられたのだから面白くないはずがない…
結局1巻は69夜まで進んでしまった(笑)
ええ?
このまま延々続くの⁉︎
凄いなぁ…
最近は残念ながら読むのをやめられない!という本にはなかなか出会えないのだが、これは結構ヤバい
ワクワクしてしまう
人類の文化遺産ということだけある
王さまと同じように、続きが楽しみである!
これはぜひともすべて読んでみたい -
Posted by ブクログ
2巻からの続き
「こぶ男の物語」
「こぶ男」の中の床屋の話(ややこしい)
最高に人をイライラさせる床屋は、6人の兄がおり、この全員の不幸な兄たちの話を順番に始める
一番目の兄は背中にこぶがあり、二番目の兄は歯無し、三番目は片目、四番目は盲人、五番目は耳無し、六番目は唇無しだという
(これだけで充分不幸さが伝わる…ここからさらにどう展開するのだ…)
床屋の話はあまり好みではなく、今まで読んだ中ではイマイチ(もう床屋自体が受けつけないイヤらしいタイプなのだ)
ユーモアのある不幸話は嫌いではないが、ユーモア無しかつなんとも惨めな不幸話で救いも見出せず…
最後に床屋とこぶ男のあっと驚く展開があり、床屋が欠点はあるものの、ひとかどの人物とみなされ、スルタンからも莫大な年金をもらうのだが…
うーん残念ながら響かないなぁ
床屋の話なんかより、こぶ男をもっと膨らませて欲しかった
こぶ男ってそもそもなんなの⁉︎
「アブールサハン・アリー・イブン・バッカールとカリフのハールーン・アッラシードのお気に入りシャムスンナハールの話」
タイトル長っ!
男①:ハールーン・アッラシード→カリフ
女①:シャムスンナハール→カリフのお気に入り女性
男②:バッカール→シャムスンナハールに惚れた男
という構図
三角関係のイケない恋である
カリフの女に手を出すとは、命がけの恋愛だ
まぁとにかく二人(シャムスンナハールとバッカール)の恋煩いが異常な温度で展開する
(恋煩いをして病に臥せってしまうほどだからもうそれはそれは…)
二人の秘密の関係に手を貸しているターヘルという男がクールダウンさせようとするが当然全く歯が立たず
とまぁここまでは想像の範囲内の展開(さーてここからどんな展開になるのか…ワクワク)
まず二人に手を貸していたターヘルが(たぶん)自分に火の粉がかかることを恐れとんずらする
そのあとを引き継ごうという名もなき宝石商(勝手に怪しいにおいがすると思い込むわたくし)
二人の逢引きを手助けするのだがそこへ強盗の集団が…
意外なこの展開がどうなるのか…と思いきや…
そう、びっくりするほど正統派の感動物語で終わってしまって、それがあまりにも意外で逆に驚きで楽しめてしまった
いやいや本当は(心の澄んだ方にとっては)ただただ二人の愛の感動ストーリーなのだが、
(心の澄んでいないわたくしには)、裏の裏をかかれたような意外さが面白かった
「ハーリダーンの子どもたちの島の王子カマルッザマーンと、中国の王女ブドゥールの愛の話」
またもタイトル長っっっ
タイトルに負けじと話も長い長い…
まずは遠く遠く離れた王子と中国の王女
瓜二つの美男美女
魔神であるジンと妖精の勝手な競争心により、片方が眠っている間だけ、片方がその空間で相手を見ることができる…という魔法によりお互い一目惚れする
もちろんジンと妖精の仕業なので誰も信じてくれず二人はそれぞれの国で正気を無くしたとされる
かたや王女の国では父である王が娘を治したら王女の婿としよう が、失敗したら斬首に処する
そして150人以上が首が城門に並ぶことに…
ようやく一人の救世主が現れ、二人は出会いその日のうちに祝福され結婚する
王女の国で幸せな新婚生活を送っていたある日、王子が父である王の臨終を迎えようとしている夢を見て、二人して会いに行くことに
もちろんその道のりは何ヶ月もかかるほと非常に遠い
そして道中にハプニングにより王子が一人はぐれ道に迷う
11日間もさまよい、見知らぬ町へ
そこで庭師の親切により居候させてもらいながら、商船が出航するのを待つ
一方の王女
いなくなった王子を心配するものの、我が身を守るため、自分と王子が瓜二つを良いことに、王子に成りすまし旅を続ける
ある島に到着し王子として振る舞うが、その国の王様に大変気に入られる
ぜひうちの姫の婿に…
さーて困った王女
昼間は誤魔化せても、夜の営みは誤魔化せない(笑)
とうとう王女はこの姫にすべての事情を話す
この素晴らしい姫君は王女の味方となる
そしていつものごとくややこしい出来事が起こり、ようやく王子と王女は再会する
さて、王子と王女と姫君
これでは1人の女性が余ってしまう
しかし一夫多妻が認められるこの時代のイスラム教
王子は二人の妻を持ち、二人の妃は変わらぬ友情で結ばれて3人は仲良く暮らしたのだ
ここで終わらないのが千一夜物語
さてこの二人の妃のほぼ同時期にそれぞれ息子が産まれる
二人息子王子は異母兄弟としてとても仲良く暮らす
ここで不穏な空気が
なんと妃がそれぞれ相手の妃の息子によこしまな気持ちを抱くように…
抑えられない気持ちを純粋な相手妃の各息子にとうとう書状を出して打ち明ける
純粋な兄弟王子は激怒する
しかしここは妃たちのが一枚も二枚も上手
兄弟王子たちを破滅させることに…
二人の兄弟王子は処罰されることになるが、なんとか逃げ切る
ここからさらに二人の旅物語が大きく展開する
ここからの物語はなかなか堂々巡り
ようやく脱出できたら、また元の地獄へ逆戻り
などなかなか気の毒な試練の旅が続く
想像力を越えてくるので夢中にさせられる
最後はハッピーエンドだが、個人的に二人の妃が一体どうなったのか(描かれていない)気になるところだ
それにしても、何かあるとすぐ暴力ふるうのはやめてほしい…
罵声を浴びせたり、したたか棒で叩いたり、血まみれになるまで暴力を振るったり…
すぐ処刑(よくあるのがうまくいったら褒美をやるが失敗したら処刑だ!ってやつ)
うー 何もそこまでしなくても…
読んでいても痛ましい
なんでこういう描写がこれほどに多いのかが謎だ
だから良い子には読ませられないのだ
そして女性蔑視を随所に感じさせる描写が多いこと多いこと
まぁ時代的に仕方ないのかもしれないが…
でもやっぱり面白いんだよなぁ…
想像の範疇を毎回越えてくれるこの喜び!
やっぱりやめられない!
ここまで来たらどーせ引き返せないので続きも読むぞ!