キース・トムスンのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
長編を読む際は、別の本と併読することが多い。
でも今回は一冊通しで読み切った…!ノンフィクションなのに、書いてある出来事が丸ごとフィクションみたいで、全然飽きなかったから。
その分、随分カロリーを消費しちゃったけど笑
「『短いながらも愉快な人生』というのが海賊たちのモットーで、本書の原題”Born to Be Hanged”(絞首刑になるために生まれてきた)に象徴されるように、絞首台に上がって早期に人生を終える者が多い」(訳者まえがきより)
これは、かの有名なカリブの海賊たち(※)の冒険譚であり、略奪劇である。それも前述の通り、全編ノンフィクションだ。
著者はなんと2年にも及ぶ航海の記録を -
Posted by ブクログ
イギリスの海賊バッカニアの物語。海賊達の日誌や記録をベースにしたノンフィクション。海賊といえば、よく映画に登場する荒くれ者で金銀などの財宝に目がくらみ 残虐行為も辞さない恐ろしい人達というイメージがあった。当然、世間のルールは無視、一般社会とはかけ離れ、上下関係の厳しい世界を想像していたが、重要な決め事は多数決、指導者は選挙で決める民主主義的な世界だったようだ。逆に掟を破ると追放されるし、船という狭い世界においては逃げ場がないので、それは当然の帰結だったのかもしれない。また航海は必ず記録を取り、各人が航海日誌をつけていた。海賊の中には、医者がいたり、博物学に詳しい人物(ウィリアムダンピア)もい
-
Posted by ブクログ
面白かったーー。
マンガ「ダンピアのおいしい冒険」読者はみんな読んだ方が良いと思う。
以前、この漫画のもとになったダンピアの手記は楽しく読んだのだけど、この本で書き手の個性もよくわかった。
戦闘の様子はあまり触れずに、植物動物のことばっかり書いてるダンピアさんよお。
複数の手記を横断しながら海賊たちの事実に迫る記録という体裁で、この本ではほぼ主役のリングローズ、準主役のダンピア、シャープ、ウェーファのみならず、ソーキンズがどんな人だったか、などもよくわかる。
(リングローズはもっとも中立的に、かつ筆豆に書いていたからこの本では中心人物になったのかも)
スペイン人に対して、残虐は残虐なんだけ -
Posted by ブクログ
17世紀の日誌を元に再構成した、海賊たちの日々。
生活の全般を描いたのではなく、本当にその特定の航海を七人の海賊の航海日誌から語っており実に興味深い。
海賊本人が書いていることから、不都合なことを省いて色々誇張、美化もある前提であり、肉付けも薄いがその分生々しい部分もある。
意外に民主主義的であったり、無駄な殺人は嫌悪したり、勇猛に戦ったりするが、所詮は違法行為。
しかしというか、この時代にある程度以上の収入を得ようとしたら、一部の大資産家、事業家になるのか、その富を奪うのか、どちらかになるくらい生産性が低かったのかなと思うところもあり。
良書。 -
Posted by ブクログ
漫画化され、復刊もしたダンピアの冒険記を読み、さらに深掘りできないかと探していたところに見つけた一冊。
本作はダンピアだけでなく、シャープ、リングローズなどの日誌を読み取って冒険を再構成したものだ。漫画や冒険記ではキャラ・人物を良く見せているが改めて海賊たちの行動を読み通すと、無計画すぎて、ヤバい。よく生きて帰って来れたな。それでまた海に戻ろうとする連中が大勢いたところがすごい。
ただし、私のように深掘り用サブテキストにするには本作は物足りない。その理由は、参考資料がまさに岩波文庫のダンピアの日誌や、海賊の生活を研究している歴史家・ベナーソン氏『海の盗賊の日常』などだからだ。
とはいえ、海賊