働く三十六歌仙のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ女性歌人たちが労働をテーマに詠んだ短歌とエッセイが載っている歌集。
ものすごーーく良かった!
全員がきわめて個人的なことを歌っていて、どの短歌を読んでも(ああ、こういう仕事してる人なんだな)と、作者の生活が伝わってくる。
変に気取ってないストレートな短歌が多く、歌で苦しみを軽やかに吹き飛ばす様が痛快。
「個人」としてではなく「女」とか「派遣社員」とかの属性で見られる苦しみとかがあらわれている歌がやや多めだったのは、女性が働くということの実情でもあるのだろうなと思った。
最後の吉澤嘉代子と俵万智の対談もとてもよかった。
特によいと思った短歌
↓
・一部を一尾と打ち間違えてつぎつぎに海老に変 -
Posted by ブクログ
31字で背景や想いを表現する短歌。現代の短歌は初めて読んだけど、おもしろいな。
吉澤嘉代子さんと俵万智さんの対談が結局1番面白かったかも。
遠藤翠さん
子の熱で休んだ人を助け合う時だけ我らきっとプリキュア
世の中は進化していくひとりでも背中に貼れてしまうフェイタス
売上と利益を追って漕ぐ船に自分の夢も忘れずに詰む
コロナ禍を機に在宅勤務するようになって、チャットでリアクションを送りあったり、画面を共有するときに映る背景から趣味の話になったり、今までになかった交流が生まれた。面倒だと思っていた。通勤も、PCに向き合うだけでは感じられない。リアルな世界との窓口になった。こうした些細な人と -
Posted by ブクログ
短歌は詳しくないが好きないほう。と思っていたが、私の知る短歌はどうもかなり分かりやすいものたちだったらしい。
ということを、久々に短歌の(入った)本を読んで思った。はっきり言ってよくわからない歌が多い。
が、それはさておき、これはとてもすごい本だ。生々しい。働くこと、女性であること、女性として働くことの標本が並んでいる。
8つの短歌と、2ページのエッセイに凝縮された1人の人の生き様が次々とやってくる。
これらは当然だがフィクションだ。小説じゃない。
しかしこれだけ並ぶとまるで作り話みたいだ。
短歌が入ることで、重そうな話がなにやら軽やかになったり、逆にしみじみさせられたり。
苦悩していても、 -
Posted by ブクログ
食っていけるの?そう笑ってた人たちをシャネルのバッグでいつか撲ちたい――会社員、パート、教師、保育士、精神科医・・・いま刮目すべき歌人36名による、心撃ち抜く労働短歌&エッセイ!
帯の短歌に撃ち抜かれて即購入。私、自分もそうだけど働く女子が好きで。なんちゃってで中途半端なママさん〇〇は苦手だけど。頑張ってるけど、心がつらいときだってある。そういうときにエールをもらえる歌が好きだな。一部は働くことにあまりポジティブなイメージがないんだろうなという歌人もいて、ちょっとそこは複雑な気持ちになった。私は仕事が好きで、働いている自分が好きだから。でもそれがみんなではないことも理解はしている。 -
Posted by ブクログ
本編は、現代女性歌人による「働くこと」をテーマとした短歌&エッセイ集。ラストには、俵万智と吉澤嘉代子(シンガーソングライター)による対談「短歌が変える女たちの現実」も収録されているが、これは同テーマで一般公募された「おしごと小町短歌大賞」の選考者であったお二人が、佳作や受賞作を取り上げて鑑賞するという内容になっている。
正直なところ、ラストの対談やそこで挙げられていた一般公募の作品の方が面白かった。おそらく理由のひとつは、短歌だけを生業としているわけではない(そんな人日本に何人いるのだろう)にしても、「歌人」という肩書きを持つ人たちのお仕事短歌よりも、そうではない人のお仕事短歌の方が共感ポ