メートル、秒、キログラム、ケルビン、アンペア、モル、カンデラ。
科目としての理科とは離れて久しいけれど、普段の生活で使う単位も多い。
そんな「単位」、いったい誰がどうやってどのようにしてできたのだろう?
メートル。
1791年、パリ。
子午線に沿って測量された北極点から、赤道までの間の距離の1000万分の1 と定められメートル原器が作られた。
しかし金属は劣化する。
長さが経年劣化により変わってしまうのだ。
そこで1960年に、再定義がなされた。
クリプトン86原子の非常に正確な定量のエネルギー遷移中に放出される電磁波(光)の波長の165万763.73倍に等しい長さ。
???????
何を言っているんだか全然わからない。
が、これが再定義の始まりとなったと思えば、身長測定も何だか感慨深い。
この間の人間ドックで身長が1.5センチ伸びていたのは、メートル原器が縮んだわけではない、ってことだけはよくわかった。
アンペア。
我が家でよく使うエボルタ乾電池。
大変長持ちしているので、高いだけある。
そんな乾電池の名前にもそこはかとなく感じる、ボルタの名前。
ポケモンで大人気のピカチュウの技、「10万ボルト」で有名なボルト単位。
実は国際単位系の基本単位ではないって?!
実はアンペールつまりアンペアの方がずっとずっと功績が大きいそうだ。
一般人の印象と、功績は比例するとは限らない。
そして、わずかなアンペアを手に入れられるか否かで人は生死を分ける。
「おわりに」で語られる言葉は様々なことを想起させる。
科学は民主的であり、真に「1の値は1である」 (つまり「一人ひとりの価値は同じだ」)(283頁)
誰が上とか下とかではない、その言葉は人の世の真理である。