装幀が良くて手に取り、一時間程度で読み終えてしまった。こんこんが目に浮かぶ、まさに清らかな水のような文章で、いくらでも読んでいたくなる。わたしはこういったあたたかくやわらかくきよらかでやさしい、うつくしい文章の中に、その代償のような痛みや傷が見える作品を愛してしまう。そして主人公がこんこんの結晶を見つけて、そこから込み上げてくる想いみたいに、わたしもこういった作品と必然的に出会ってしまい、そうして烏滸がましくも、素性の知らない作家に対して、文章越しに、苦しいほどわかるよ、と抱きしめたくなるような気持ちを抱える。