水沢なおのレビュー一覧

  • こんこん

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    ネタバレ

    美しい文章!キラキラと煌めく、透明な冷たいようなあったかみもあるような表現が冬を綺麗に表していて、ずっとずっと綺麗。
    そして読みやすいです。
    詩人の方が書いていると聞きました。さすがです。見えている感覚がそもそも綺麗なんだ、と思ってしまう。
    着ぐるみのこんこんに恋をしている女性。
    世の中には姿が見えないVTuberさんに恋をしている方もいる。声だけで声優さんに恋をしてしまう方もいる。ラジオのMCさんに恋をしたり、俳優さんやアイドルに恋をすることだって、自分は直接関わり合ったことがないし、ただのイメージで好きになるんだから一緒だ。
    「ああ、この人の考え方いいな」「このスタンスいいな」「この声落ち着いていて良いな、安心するな」と思うことは、こちらの一方的な認知だけで有り得る。
    着ぐるみと、その中の人を好きになってしまうことだって、何も変わらない。
    人間に対する薄っすらとした不快感、性的なものに潔癖というわけではないけどデロデロドロドロしててそれこそ鼻水触ってるみたいな体液って同じじゃない?的な考え方もめっちゃわかるから
    ずっと綺麗で、あったかくて、ニコニコしていて、純粋な存在に自分だけ認知してくれて、特別に思ってくれているように見えた時なんか、ホント沼りそうと思う。
    中の人と会いに行けば良かったのにと思っちゃったのは、結局自分が俗物的なんだろうな。
    結晶は結晶であり、期待しつつ、きっと主人公のなかでは中の人との接触はちょっと欲が出てきていて、性欲的なものにも近いんじゃないかと怖くなったから会えなかったんじゃないかとも思う。でもな〜、でも、たぶんこんこんの中の人って女の人だったんじゃないかなと思うのですよ。
    勝手なイメージですけど。
    それで、その女性とのエピソードがあったら嬉しかったな、なんて。
    主人公は低身長の男性とこんこんみたいな恋をしようとしたんだけど、可愛くてフワフワしていて自分を見てくれる性欲無しの女の人との恋愛にシフトしたほうが、ぜっっっったいに上手くいくと思うのです。
    こんこんだって性別は無いんだから、そこで「いやいや、私は同性愛者じゃないんで…」なんて言い訳使うなって思う。それでもどうしても男性を探すなら、それこそ性欲があるからで、結局性的なものだってしたいんじゃん、ってなっちゃう。そういう中途半端なところが主人公には見えたかも。本当にこんこんを求めているなら、結晶が女性だってかまわない、と無理にマッチングアプリで男性と繋がらなくたってええやんと思ってしまう。そう簡単に同性を好きになれよ!なんて言ってはいけないんだろうけど。
    それなら着ぐるみを愛してることも否定になっちゃうよ!?こんこんはこんこんだから良いのであって、結局は男性でも女性でも愛せませんでした、って言うなら仕方ないけどね!だけどね!もっと主人公が、こんこんを愛し続けるのか、結晶を愛するのか、こんこんみたいな人間を愛するのか、見たかったというだけなんです。
    シールの話も最後の詩も、キラキラで大切で優しい感じがしました。そうなの、ずっとこの物語は優しかったです。

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    2026年08月17日
  • うみみたい

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    わたしは水沢なお先生より、綺麗なことばを使う人を知らない。

    表題作の「うみみたい」がとても好き。

    理解するのが難しくて、うまく受け取れていないところもたくさんあるけれど、それでもこれは途方もなく大きい愛の物語だと思った。

    心に響く言葉が本当にたくさんあって、むずかしいけど、大好きな1冊になりました。

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    2025年10月30日
  • うみみたい

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    大好き。
    うみとみみがお互いに分かり合えないことがあって、でもお互い大切で大好きで想いあっているのが沁みた。水面に反射する光みたいに言葉たちが乱反射していて、綺麗だった。ずっと暖かくて美しい光と水を眺めている気分だった。産むことと産まれることは深く考えると苦しくてしんどくなってしまうテーマであるけれど、そのしんどさや切なさも暖かくて愛おしい気持ちにさせられた。ありがたかった。

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    2024年10月24日
  • こんこん

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    装幀が良くて手に取り、一時間程度で読み終えてしまった。こんこんが目に浮かぶ、まさに清らかな水のような文章で、いくらでも読んでいたくなる。わたしはこういったあたたかくやわらかくきよらかでやさしい、うつくしい文章の中に、その代償のような痛みや傷が見える作品を愛してしまう。そして主人公がこんこんの結晶を見つけて、そこから込み上げてくる想いみたいに、わたしもこういった作品と必然的に出会ってしまい、そうして烏滸がましくも、素性の知らない作家に対して、文章越しに、苦しいほどわかるよ、と抱きしめたくなるような気持ちを抱える。

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    2026年06月30日
  • うみみたい

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    表紙に惹かれて購入しました。個人的には少し難しかったです。ですが、詩人の方が紡ぐ言葉はとても美しくて、こんな表現もあるんだな、こんな風に見えている人もいるんだなっていう新しい発見もあって、今までに読んだことのない新しい本に出会いたい方に読んで欲しい1冊だなと思いました。

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    2023年07月02日
  • こんこん

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    半透明なカバーが、氷みたいで水みたいでかわいい。
    ほんタメのあかりん部門にノミネートされてて気になったので購入。

    微妙に世代が違うな。作者さんが私よりちょい若い。
    かわらずのいしのトゲピー…金銀かな??
    『わたしは、かわらずのいしを撫で続けているトゲピーだから』

    結局、愛ってなんなんやろうな。
    清らかで柔らかくて包み込めるものだけが愛ではない。全部がそうであれば良いのに。一方的で暴力性のある愛もある。
    恋は元々よく分からんけど、この本を読んでから愛もよく分からんくなった。

    自分が加害者になる怖さ。
    結晶どうなったんだろう。ある種のホラー。私はすごく怖く感じた。ホラーよなこれ。愛…なのか?
    推しに愛をぶつけるという怖さ。消費されていくという怖さ。それを感じ取れない怖さ。

    自分の存在を受け入れてもらったと感じて、精神的に依存して、愛をぶつけて、それって一方的な精神的束縛では?
    推してるまではいいけど、生の人間なんよな。ナマモノなんよな。
    最近VTuberにハマって色々見ているから、ちょっとかぶるなって思うところはあった。いわゆるガチ恋的な。

    いくらファンが愛だって言っても、相手方の迷惑になったらそれは愛じゃないよ。
    それで推しが辞めてしまう、離れてしまうって、責任は重いよ。
    どうか結晶のトラウマになっていませんように。


    スプリングパークの設定はとても好き。
    思わず、中の人のお仕事をしていた友達にこの本を薦めてしまった。

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    2026年08月29日
  • こんこん

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    抽象的なフレーズが多くて、終始、「詩っぽいな、、」と思っていたら、元々詩を書かれている方でした。
    この詩っぽい余白のある文章がハマる人にはハマるんだろうな〜と思いつつ、自分的には少しイメージしづらく、引っかかりながら、読んでいました。

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    2026年08月18日
  • こんこん

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    表題作の着ぐるみへの主人公の感情や行動は建前上はわかる、と思いつつも本音では理解できなかった。
    でも、ゲームのキャラクターを交換したところや、主人公が日常で接してきた人たちとの関係を読むにつれて、程度の差はあれど自分のなかにも同じような感情があって、人からみたら理解されない行動とっているのかも?と気づかされた。

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    2026年06月23日
  • うみみたい

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    「美しいからだよ」のどこか退廃的で不思議な世界観がすごく好きで。
    「うみみたい」は小説の文章量になることで少し世界の輪郭が濃くなったような、でも掴みどころはなくて、この人の目には世界がどう見えているんだろうともっと知りたくなる。
    宮崎夏次系さんが大好きなのだけど、世界観に少し通じるものがあるなあと思った。

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    2025年09月05日
  • うみみたい

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    恋をしない、生殖をしない、生き物を増やす、光を放つ。言葉を追うことで、いろんな景色が見えてきた。登場人物の名前も独特で、ひらがなの入れ方も面白くて、引き込まれるものがあった。

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    2023年09月11日