How To STARTUP: イノベーションを起こすビジネスアイデアの育て方
著:久野孝稔
スタートアップとは未知なる世界へ挑戦をする勇気ある冒険者たちが集まる、新しいビジネスの船。彼らは、大海原に漂う未開拓の領域に向けて船出し、海流や風を利用して目的に向かいます。嵐や障害物に遭遇しながらも、自分たちのビジョンを信じて進み続けます。
常に変化する市場に対応するために、スピード感と柔軟性を併せ持ち、失敗を恐れずに新たなアイデアや戦略を試みる彼らは、自らの才能や情熱、創造性をフルに発揮し、新しいものを生み出すことで、社会に貢献することを目指します。それは波乱万丈な航海になるかもしれません。しかし、成功すれば、自らが生み出した新しい価値で、社会や人々の生活を豊かにすることができるのです。
著者の表現する上記のスタートアップについて、経験を記しながら、基本的な知識や成功するための秘訣、そしてその依頼について以下の4章により説明している。
①ビジネスのアイデアを掘り起こし、モデルに落とし込む
②OODAループ思考でビジネスに磨きをかける
③ビジネスとしてテイクオフさせるための必須スキル
④キーパーソンから学ぶスタートアップの作法
多種多様なスタートアップを捉えることは難しい。簡単に把握できない、その暗黙知が競合優位性であったり、模倣困難性を表すのかもしれないが、良いスタートアップは逆にシンプルであったり、研ぎ澄まされた故に真似できない。真似する気もおきないほど尖っていたりする。
本書は、その捉えどころのないスタートアップをビジネス理論やフレームワークで有機的なつながりとして表現することを叶えてくれている。スタートアップを定量的な側面だけではなく、真正面の定性面で表現してくれている。
そのプロセスを踏む中で、企業と事業の理解も出来、ミッション・ビジョン・バリューやパーパス等についても整理しながら長期目線でビジネスモデルを踏まえた背景の理解も出来る。
プレイヤーと支援側の両面を経験した著者だからこそわかることも多く、敢えて、単純化する中で奥深さの再認識や使える概念化スキルとしても大いに参考にできる。
熱い想いがぎっしり詰まった一冊。
ページをめくる度にこちらの体温も少しずつ上がるようなわくわく感を持って読み進めることができた。