吉田育未のレビュー一覧

  • イエルバブエナ

    Posted by ブクログ

    全く知らない、それでいて素晴らしい本との出会いがあるから、書店通いはやめられない。とても大好きな作品になった。今年出会えてよかった1冊。

    家族にも自分自身にも様々な問題やトラウマを抱えた2人の女性が、それぞれに自分のやりたい事や生きていく道を模索しながら愛し合う、ラブストーリーであり成長譚でもある本作。2人が歩んできたこれまでの人生は決して明るく穏やかなものではないけれど、物語全体に漂う空気感はどこか静謐で、ハーブの爽やかで透明な香りが漂っていて、それでいて相手を求める渇きともいえる愛情を携えていて。読んでいて心が洗われていくような、不思議な感覚があった。
    愛の前では人はいくらでも間違う。き

    0
    2025年11月17日
  • イエルバブエナ

    Posted by ブクログ

    珍しくジャケ買いした本。大好きな本になった。穏やかで温かい時間は偶然には続かず、お互いが言葉を尽くす努力が必要なのだと思った。

    0
    2025年04月28日
  • 聖なる証

    Posted by ブクログ

    泣きたくなるくらい素晴らしい。宗教的な理由で「象徴」と崇められ、「これで飢饉も無くなるのではないか」と言われる食べない少女。傷つきの受容、身勝手さ、などなど素晴らしいミステリだった。彼女はずっと傷ついていて、でも全てが信仰に繋げられる貧しい村では本当のことは聞いてもらえない。ずっと本当のことしか言ってないのに。

    0
    2023年05月26日
  • 聖なる証

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ナイチンゲールの教えを守り、厳しく少女アナを監視しようとしていた看護師のリブが、いつのまにか少女をいつくしむ眼差しを持ち、少女を助けようと必死に前に進む姿に心をうたれました。
    男たちが女性たちの言葉をつぶす世界で「食べない少女」が「奇跡」とされ、男たちの決定で少女の生命が危ぶまれる。その中でも声を上げ続け、小さな声に耳を傾け続けたリブの物語であるとともに、強い思いをもって自分を守り切ろうとした少女の闘いの物語でもあると思います。
    後半の怒涛のような展開もすごかったです。

    0
    2023年05月19日
  • イエルバブエナ

    Posted by ブクログ

    親密さと澱みの雰囲気が常に流れている作品だった。傷ついて、傷を見ないふりして、癒やそうとして、その最中にまた傷ついて、そしてだんだん傷を受け入れてゆく、そんな過程を見させてもらったように思う。

    0
    2024年03月24日
  • イエルバブエナ

    Posted by ブクログ

    ジャケ買い。
    マットな感触良し。背表紙、裏表紙の配色も良い。

    2人の女性の物語だけど、前半は接点なく、1人ずつの話が交互に進んでいく。そして内容がヘビー。

    半分過ぎてやっと出会い、かと思ったら離れたり。その過程の心理がよく描かれていた。10代の頃のトラウマを乗り越える過程が、読んでいてきついと感じる人もいるかもしれないけど、希望が見える終わり方で良かった。

    ラクールさんの本はこれが日本語初翻訳らしい。

    0
    2024年09月17日