山岸忍『負けへんで 東証一部上場企業社長VS地検特捜部』文春文庫。
「検察なめんなよ!」でお馴染みの冤罪製造マシン大阪地検特捜部と無罪を賭けて闘った東証一部上場企業の社長と弁護団の奮闘を描いた迫真のノンフィクション。2026年11月には映画化も決定しているようだ。
なかなか読み応えがあり、面白かった。驚いたのは著者の山岸忍の生年月日が自分と全く同じだったことだ。
テレビの報道番組でも大阪地検特捜部の田渕大輔検事が「検察なめんなよ!」などと恫喝するシーンは何度か目にしているが、本当に酷い話である。本作を読むと、冤罪が如何にして生み出されるのか、冤罪を生み出す検察側に裁判で非を認めさせることの難しさが窺える。
一代で東証一部上場企業の不動産会社プレサンスコーポレーションを企業した社長の山岸忍は、部下である子会社プレサンスリアルエステート社長の小森が持ち込んで来た明浄学院再建のための土地買収に絡み、身に覚えのない横領事件に巻き込まれる。
2019年の冬、大阪地検特捜部に逮捕された山岸はチーママと呼ばれる山口智子検事から罪を認めさせようと誘導させるような取り調べを受けるが、頑として認めなかった。
社長逮捕によりプレサンスコーポレーションの株価は見る間に暴落し、業績好調だった不動産会社は瞬く間に危機に陥った。山岸は会社の存続と従業員の生活を考え、社長を辞任し、持ち株の全てを売却する。
一方で山岸に明浄学院の土地買収の話を持ち込んで来た小森は田渕大輔検事の恫喝と誘導尋問により、山岸に不利な証言を行う。また、明浄学院の土地買収で仲介した会社のTGFの山本も末沢岳志検事から恫喝され、一度は検察の筋書きに沿った証言を行ってしまうが、思い直して、証言の撤回を求めるも、認められなかった。
全くの無実の罪で半年もの間、収監され続けた山岸は各領域のエキスパートを集めた最強の弁護団を結成し、大阪地検特捜部の杜撰な捜査と恫喝尋問の実態を暴く。
本体価格1,100円
★★★★