ゴルのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
高校デビューでコケた木島道歩はさらにGW前に尿路結石で倒れて入院、退院後ソッコー病名バレし、クラスの笑い者になり、そのままいじめルートに乗る。しかし入院した病院で余命宣告を超えてかろうじて生きている同じ年の綿野詩織と出会う。綿野は外の世界が生きる価値のないくらい汚いものだと教えてくれと木島に頼む。任しとけ。不幸ネタはバッチリだ。
壮絶なイジメや最低の学力、停学処分、母親の早世、親の進学強制などなどこれでもかと出てくる。そこに極楽鳥花のいびつな美しさと若者特有のきらめきと目前の死が絡み合い、笑わせるようなやっぱり泣けるような絶妙な面白さ。ポプラ社のカタログで見かけて気になり、読んだが、大当たりだ -
Posted by ブクログ
古くは”世界の中心で、愛を叫ぶ”や、近年だと”君の膵臓をたべたい”のようの、最期を前提としているボーイミーツガールな物語でした。
主人公の少年、道歩の辛くも折れない行き方と、絶望感のある人生を抱えながらも生きている少女、綿野、この2人の交流が切なく、美しく、そして儚い、何とも表現しがたい青春ストーリーでした。
物語中、道歩は、この世界には、物語のような青春ストーリーは存在しないと言い放ちましたが、2人はだれから観ても生きていた時間、そして出会っていた時間は素晴らしい時間だったと思います。
色のない道歩の人生に、鮮やかにしたのは儚い時間でしかなかったものの、間違いなく綿野だったのではないかなと思 -
Posted by ブクログ
ネタバレ最初の数ページで「忍耐のない読書が楽しめる」という確信に至る軽妙なリズムと文字触り。
なんと、デビュー作!
ありがたい装備済み納品だが、完全に包んじゃっててカバー外したとこが読めない…慎重に切り裂いて読める形で再装備予定。
尿路結石で高校デビューに失敗した道歩と、余命わずかな綿野。
そして道歩の愉怪な同級生たちによる「生きる」ことの意味を問いかける自省促進小説。
テーマとしては激重なんですが、ツッコんでいいのか悩む塩梅のボケと自虐。
そして主人公であるにも関わらず、やたら冷たい扱いを受ける道歩とそんな自分を俯瞰で語る不思議な笑い。不思議と深刻さとか切実な悲哀みたいな空気は薄くて。
でも人