境野勝悟のレビュー一覧
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読書録「道元「禅」の言葉」5
著者 境野勝悟
出版 三笠書房
p153より引用
“今日自分がしようと思うこと、いま自分がし
なくてはいけないことに没頭して、明るく元気
に「いま」を生きることなのだ。その努力の結
果については、一切、自然まかせだ。”
目次より抜粋引用
“「本当に大事なもの」に気づく30話
「悩み」から自由になる30話
自分の中から自信が生まれる20話
「生き方」を考える20話”
鎌倉時代に活躍した、曹洞宗の開祖・道元の
著作を、わかりやすく解説する一冊。
身近な物事の尊さや自分を見つめる大切さま
で、人が生きる上で心の支えになりそうな言葉
が記されています。
上記の引用は、無目的な生き方について書か
れた項での一節。
大きな目標を立てて、そこに向かって努力する
のも大切ですが、上手く行かないとしても自然
なことなのかもしれません。
何がどうなるかは誰にもわからないのだから、
今できることをするようにしているうちに、時
間も物事も前に進んでいるのでしょうね。
あらゆるひとがここに書かれているように
考え、生きることは難しいかもしれませんが、
少しでも気持ちを楽に日々を過ごすために目
を通してみてもいい一冊だと思います。
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Posted by ブクログ
ちょうど定年を前にして読んでいました。
とりあえず仕事は嘱託で続けることになってたし、佳境を迎えて忙しく普通の人のようにじっくり自分の足跡を振り返る時間もなく、これでいいのかな?と思ってた時、たまたまReaderの電子版であったので(価格も安く)気楽にダウンロードして読み始めました。
一番驚いたのは禅僧はすべての私財、親戚血縁関係をなげうって一生自分探しをするということでした。もちろん私にはまねできませんがそれまで会社のためにこれでも働いてきましたのでこれから自分探しを始めてみてもいいかなと思い。なんとなく定年後の自分の目標を見つけることができた本となりました。えらい坊さんの信じられない実績より、こんな人生もあるんだと教えてくれたすばらしいヒントをくれた本でした。すべての方にいいとは思いませんが、なんのために生きるかなど考えるチャンスを与えてくれた本でした。 -
Posted by ブクログ
老子・荘子の言葉100選
著:境野 勝悟
老子は、その生涯を、おとなくし、柔和に、あたたかく、寛大な態度で静かに送った。そして世俗の価値を飛び越えて、もっとのびのびと、自由に明るくいきようではないかと主張する。そして、その考えは、荘子によって受け継がれる。
荘子は、難解な老子の思想を架空の話で面白く語る。動物を人間にたとえたり、植物のあり方に人間学を語ったり、その話は、自由で破格で、しかも面白い。
本書は、「老子」と「荘子」の中から、それぞれ五十のことばを選んで、日常生活の悩みを解くコツになるような解説をつけて紹介されている。以下の3章から構成されている。
①「元気の素」を与えてくれる言葉
②50語でわかる「老子」
③50語でわかる「荘子」
原文なり素の思想を読み解くには難解ではあるものの、著者により「日常生活の悩みを解くコツ」という前提を含めた解説により、ある程度の目的や仮説を持って考えに触れることで理解は進む。
「時代」も「国」もあらゆる概念を超えても、沁み入り言葉達。色あせるどころか多くの考えを経てブラッシュアップ、イノベーションを経て、今もこの時代でその考えは輝き続けている。 -
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本書は、般若心経の教えを現代の我々が抱える悩みに寄り添う形で解き明かしてくれる一冊だ。読み進める中で、私たちが日々抱える苦しみや不安の正体が、実は自分自身の心が生み出した「まぼろし」に過ぎないという、衝撃的でありながらも心を軽くする事実に気づかされた。
#### 悩みの根源は「自分の考え」への執着
本書によれば、私たちの苦悩の多くは、過去の記憶や自分が作り上げた価値観に固執することから生まれる。私たちは「自分の考え」という重たい荷物を背負い、それを決して手放そうとしない。しかし、その考え自体が、外部からの影響でできあがった実体のない「仮もの」であり、「空(くう)」なのだという。
特に印象的だったのは、「色・受・想・行・識」の五蘊(悩みのタネ)がすべて「空」であるという教えだ。よかった・悪かったと感じる心(受)、頭に思い浮かべるイメージ(想)、完璧を目指そうとする生き方(行)、そして善悪を判断する価値観(識)。これらはすべて絶対的なものではなく、時や状況によって変化する。自分の感じ方や判断だけが正しいと思い込むことが、他者との不和を生み、自らを苦しめる原因となるのだ。
#### 心を解き放つ「般若の知恵」
では、どうすればその苦しみから解放されるのか。本書は、そのための知恵として「自分の考えを脇に置くこと」の重要性を説く。自分だけの都合が良いエゴを捨て、「自分より人を先に」と譲る心を持つことで、心には素晴らしい安らぎが生まれる。また、道元禅師の教えである「知足(足るを知る)」、つまり「これで十分だ」と現状に満足することを知れば、過剰な欲望からくる不安は自然と消え去る。
さらに、起こってしまった嫌な出来事に対しても、「これで、よかったんだ」「ああ、ありがたかった」と良い面を発見し、思いを転換させることで、悩みは消え、明るく次の一歩を踏み出せるという。不幸を幸福に変えるこの力こそが、「般若の知恵」なのだ。
#### 「あるがまま」を受け入れ、豊かに生きる
本書は、厳しい修行や戒律がなくとも、私たちは「いまのあなたのままで、深く悟ることができる」と語りかける。私たちの身心の中には、もとより仏が存在している(即身是仏)。大切なのは、自分の期待通りにならない現実や他者を受け入れ、「あるがまま」を喜んで生きることだ。
自分の中に眠る、悩みを解き放つ力にスイッチを入れる方法として、坐禅や真言(マントラ)が紹介されている。「ぎゃーていぎゃーてい…」という呪文は、記憶の一切を吹き飛ばし、生まれたままの純真な自分に立ち返らせてくれるという。
この本を読み終えた今、これまで絶対だと思っていた自分の価値観がいかに脆く、不確かなものであったかを痛感している。悩みに囚われたときこそ、自分の考えを手放し、すべては移ろいゆく「空」なのだと思い出したい。そして、与えられた環境の中で、すべての縁に感謝し、おおらかに生きていくことこそが、真に心豊かな人生なのだと確信した。 -
Posted by ブクログ
老荘思想について知りたくて読書。
今まで認識なかったが、確かに著者の指摘通り動物や植物などの例えを巧みに利用して説明する莊子の方が分かりやすい。
人間は自然の一部であり、その自然も大宇宙の一部である。だから人間も自然とともに背伸びせず共生して生きることが望ましい。当時としてはとてつもなく先進的な考え方だと言える。
老荘思想は、日本文化や武士道に影響を与えたと言われるが、日本人が読むとなるほどねと納得させてくれる点が多いのではないだろうか。
空手など武道の師範の話からも世の中のあらゆることに対して筋目を通すことが武道の道と老子や莊子の考え方の一端を感じることができる。
江戸時代に流行したという『菜根譚』にも影響を与えているので、100語いずれもまったく初めてという感じはしない。日本人の血肉となり祖先から伝えられているのだと思う。それが発祥国である中国には継承されていないか、ほとんど残っていないことが残念。
もの壮(さかん)なれば、則ち、老ゆ
道は通じて、一たり
至人は己れなし
外の曲なる者は、人と之徒たるなり
和して唱えず
万化を楽しむ
人を愛するや已むことなし
最後は、愛こそ宇宙の心であると説明されている。
すごいの一言。
読書時間:約45分