あらすじ
般若心経には、“あらゆる悩み”を解消する知恵がつまっている。小さなことにとらわれず、毎日楽しく幸せに生きるためのヒントをわかりやすく“超訳”で解説。●ものは軽く受け止めて、軽く流す(無眼)●必要な知識と財は、あとからついてくる(不増)●人は、「いま、ここ」でしか生きられない(三世)●きのうの自分は、今日の自分ではない(是無等等呪)●好き嫌いの感情は永遠、絶対ではない(受即是空)……など、ほんの少し視点を変えるだけで、人生は楽になります。過去の失敗にとらわれてしまう……、人間関係、仕事につかれた……、理想と現実の違いにむなしさを感じる……などの、不安や心配がスッと消え、人生をのびやかに、しなやかに生きるヒントが、必ず見つかる1冊。
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Posted by ブクログ
本書は、般若心経の教えを現代の我々が抱える悩みに寄り添う形で解き明かしてくれる一冊だ。読み進める中で、私たちが日々抱える苦しみや不安の正体が、実は自分自身の心が生み出した「まぼろし」に過ぎないという、衝撃的でありながらも心を軽くする事実に気づかされた。
#### 悩みの根源は「自分の考え」への執着
本書によれば、私たちの苦悩の多くは、過去の記憶や自分が作り上げた価値観に固執することから生まれる。私たちは「自分の考え」という重たい荷物を背負い、それを決して手放そうとしない。しかし、その考え自体が、外部からの影響でできあがった実体のない「仮もの」であり、「空(くう)」なのだという。
特に印象的だったのは、「色・受・想・行・識」の五蘊(悩みのタネ)がすべて「空」であるという教えだ。よかった・悪かったと感じる心(受)、頭に思い浮かべるイメージ(想)、完璧を目指そうとする生き方(行)、そして善悪を判断する価値観(識)。これらはすべて絶対的なものではなく、時や状況によって変化する。自分の感じ方や判断だけが正しいと思い込むことが、他者との不和を生み、自らを苦しめる原因となるのだ。
#### 心を解き放つ「般若の知恵」
では、どうすればその苦しみから解放されるのか。本書は、そのための知恵として「自分の考えを脇に置くこと」の重要性を説く。自分だけの都合が良いエゴを捨て、「自分より人を先に」と譲る心を持つことで、心には素晴らしい安らぎが生まれる。また、道元禅師の教えである「知足(足るを知る)」、つまり「これで十分だ」と現状に満足することを知れば、過剰な欲望からくる不安は自然と消え去る。
さらに、起こってしまった嫌な出来事に対しても、「これで、よかったんだ」「ああ、ありがたかった」と良い面を発見し、思いを転換させることで、悩みは消え、明るく次の一歩を踏み出せるという。不幸を幸福に変えるこの力こそが、「般若の知恵」なのだ。
#### 「あるがまま」を受け入れ、豊かに生きる
本書は、厳しい修行や戒律がなくとも、私たちは「いまのあなたのままで、深く悟ることができる」と語りかける。私たちの身心の中には、もとより仏が存在している(即身是仏)。大切なのは、自分の期待通りにならない現実や他者を受け入れ、「あるがまま」を喜んで生きることだ。
自分の中に眠る、悩みを解き放つ力にスイッチを入れる方法として、坐禅や真言(マントラ)が紹介されている。「ぎゃーていぎゃーてい…」という呪文は、記憶の一切を吹き飛ばし、生まれたままの純真な自分に立ち返らせてくれるという。
この本を読み終えた今、これまで絶対だと思っていた自分の価値観がいかに脆く、不確かなものであったかを痛感している。悩みに囚われたときこそ、自分の考えを手放し、すべては移ろいゆく「空」なのだと思い出したい。そして、与えられた環境の中で、すべての縁に感謝し、おおらかに生きていくことこそが、真に心豊かな人生なのだと確信した。
Posted by ブクログ
⚫︎一番大切なものは、努力して手に入れたものではなく、もともと自分に備わったているものだ。
⚫︎人は過去の世界も未来の世界も生きることはできない。今を生きるしかない。だから未来を心配しなくていい。過去を思い出して暗くならなくていい。今を精一杯生きよう。
⚫︎色即是空。世の中のものは全て変化し続けるので、実体は無いようなものだ。今の好き嫌いなどもいずれ変化してしまう。
Posted by ブクログ
学んだことメモ
・ほうげじゃく(放下著)
・知識がありすぎるとかえって迷うことがある
・声の音そのものには何の意味もない
・考えが凍結した時、人は老人となる
・おかげさま、でいいことが続けて起こる
・呪文は短く、簡単に
・美しく単純な音を聞き続ける