クララデュポン=モノのレビュー一覧

  • うけいれるには

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    障害を持ったこどもと向き合う長男、長女、末っ子のものがたり。親の気持ちはほとんど描かれておらず、
    子供からの目線のみ。

    「普通」と「障害」の境界線が分断したり融合しながら、それぞれの想いが綴られている。

    “世間”から自らを閉じたり、逆に飛び出していったり、自分の役割を考えたり、三者三様で、人格形成に大きな影響を及ぼしていて読んでいて興味深かったし、苦しかった。

    障害を持った子どもに目を向けがちだが、
    その兄弟姉妹のケアも同じくらい重要だと感じた。

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    2025年09月26日
  • うけいれるには

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    石がストリーテラーとなり、
    家族の物語を繊細な文章で綴られてる。

    万が一、障害のある子どもを産んでも、
    親は一生懸命育てるだろう。
    でも、兄弟姉妹にとっては、
    また違った思いが生まれる。
    障害の重さや種類によっても違うだろう。
    それは、たぶん、意思疎通ができるかどうか。
    目を合わすことも、感情を表す事もままならない子どもに、幼い兄妹はどうしていいかわからない。
    長男のように、のめり込みすぎて自分を失うか、反対に長女のように、拒絶的に嫌うか。
    どちらも心の成長に大きな影響を与える。
    障害のある子どもを持った場合、その子の兄弟姉妹にもいっそう思いを寄せてあげなければ、すべての我が子達を失いかねな

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    2023年07月11日
  • うけいれるには

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    フランス 高校生が選ぶゴングール賞、日本ゴングール賞
    障がいのある子ども、家族 兄、妹、末っ子
    家族の再生、自然への共感、はるか昔からある石
    読んでいる間、静謐な空気に包まれていました

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    2023年07月11日
  • うけいれるには

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    父と母、兄と妹の4人家族に、弟が産まれた。彼には障がいがあった。目が見えず、四肢は動かなかった。小児科医は、こうした子の寿命は3年だと言った……。その後の家族に起こったことを“石”が語る風変わりな物語だ。
    第1章では活発でリーダー的な存在だった長男が、ある日を境に献身的に弟の面倒をみるようになる。第2章は弟が破壊した幸福な家族に反発する長女の姿が描かれる。第3章には思いがけず誕生した末っ子が登場し、次男の遺したものを通して家族を再生していく。
    彼らには家族の役割でしか名前がない。それがこの物語を普遍的なものにしている。ただ生きているだけの存在がもたらしたのはなにか。心に深く沁みる物語だった。

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    2023年04月28日
  • うけいれるには

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    舞台はフランス。両親と長男、長女の4人家族に3人目の子どもが生まれた。赤ん坊の頃は、愛らしく気づかなかったが、重度の障がいがある子どもだった。
    一章はかいがいしく次男の世話をする長男、二章はそんな長男に反発し不満を爆発させていく長女、そして三章は次男の死後生まれた三男を中心に、それぞれの障がいのある家族を受け入れる過程を家族が暮らす家の石が語る。

    時々メディアで障がい者の兄弟がいる子どもについて取り上げられることがあるが、それぞれに思いは違うのだろうとは感じていた。この本は、三者三様の対応を書き分け、秀逸だと思った。読後に温かい気持になれた。

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    2024年04月08日
  • うけいれるには

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    障害児の生まれた家族の、その兄弟たちの内面や行動が石の視点から描かれている。三者三様の反応だが、辛い時を経て、確固たる家族へと繋がっていく。

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    2024年03月31日
  • うけいれるには

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    障害を持った弟を甲斐甲斐しく世話する兄
    それを、見て育った妹

    兄の目線で語られる障害を持った弟への思い。
    こんな健気に弟と寄り添ったのにも関わらず
    兄は弟にいろんなものを捧げてしまった。
    もぬけの殻となった兄。
    彼は今後どうなるのかなと思った。

    妹の目線で語られる弟への思い。
    それは兄を取られてしまった戸惑いと怒りから始まる。
    その怒りはやがて妹を覆い尽くし、それを思春期まで引きずることになる。

    悲しかったのは、兄の目線では弟だけで
    妹の目線では兄も母も父もみんな気にかけているところ。
    妹を見てくれてる人はいるのかなと思った。

    障害をもつ家族を持つと言うのはどういうことなのか。
    綺麗事

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    2024年10月02日
  • うけいれるには

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     『三番目に生まれた子どもは、障がいを抱えていたーー。 フランス文学を学ぶ日本の学生がNo.1に選んだ感動作』の帯の言葉に、興味を持ち購読。

     障害を持つ弟の全てを受け入れる長男、嫌悪感と共に拒否する長女、苦しく葛藤する両親。
     著者自身の実体験をもとになっているとのこと。
    だから、リアリティに溢れ、何度も涙した。
     また、設定が面白い。彼らを見つめる中庭の赤みがかった石が、意思を持って(ダジャレではなく、本当に)物語っている。 ちょっと不思議な感覚になる。

     『2021フランスの高校生が選ぶゴンクール賞』も、受賞している。
     日本やフランスの学生たちの感性・感受性を賞賛したい。

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    2023年10月21日