五十嵐惠邦のレビュー一覧

  • 敗戦と戦後のあいだで ──遅れて帰りし者たち
    戦争からの遅れた帰還者たちの足跡を通じ戦後を照影する。引き揚げ、抑留、残置兵……予想以上におもしろく読んだ。エピソードのなかでは石原吉郎(シベリア抑留者、詩人)へのシンパシィあふれる筆致と、それとは対照的な小野田寛郎(ルパング島敗残兵)に対する冷徹な記述とのコントラストがとりわけ印象に残る。