笹倉明のレビュー一覧

  • 遠い国からの殺人者

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    この時代感が。1992年でこんな感じだったのか、というのが驚きでもあるけど、 でもバブルの頃だし、こんなもんかもなぁ。そういう意味じゃ、事実かどうかはさておき、歴史小説としても興味深い。
    いやそんなごたくはさておき、日本に出稼ぎに来た若い女性がひどい目に遭って、というお涙頂戴というより、けっこう淡々と進むのが面白い。
    おまえ甘い話には裏があるんやで、という裁判官の言葉も正論な感じで趣深い。いや今の日本でも騙されるのがいっぱいいるし、そういうのっていつの時代も変わらんよね。

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    2025年05月24日
  • 老作家僧のチェンマイ托鉢百景

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    前作に引き続きとてもおもしろい。最初は日記形式はどうだろうと思ったがすぐに気にならなくなる。タイ仏教のリアルな姿を知ることができる。著者の仏教と生活についての思惟も深まっている。日本社会批判は凡庸で退屈なので読み飛ばす。僧侶ひとりひとりの内面がどうであれ、サンガとして仏教を社会に成立させている律の偉大さを感じる。律があっての経ということか。

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    2024年12月23日
  • ブッダのお弟子さん にっぽん哀楽遊行 タイ発――奈良や京都へ〈影〉ふたつ

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    文章がうまくてうらやましい。新米僧侶の内面や出家の経緯を赤裸々にかいておりとてもおもしろかった。結局はこの人は恵まれた人生にもかかわらず自己憐憫に浸っているように見えるし、根本的な原因を時代のせいにしたい他責性は出家後も変わっていない。それを自分でも理解していて率直に書いているのがとても好ましい。正直な人だ。

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    2024年12月13日
  • 詐欺師の誤算

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    面白そうなタイトルだったので読んでみた。詐欺師が最後にしくじってすっきり、という話ではなかった。騙された側は犯人がどう裁かれるかよりお金返ってくるかのほうが重要。

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    2025年07月24日