赤江瀑のレビュー一覧

  • P+D BOOKS 罪喰い
    赤江瀑の妖美で端麗な幻想的ワードセンスが目眩する程に耀く短編集。表題作「罪喰い」や電子版のみ追加された「獣林寺妖変」も勿論名作だが、それ以上に花香ただよう庭の魔力に翻弄される「花夜叉殺し」が酔わされる大傑作。
  • 八雲が殺した
    黒い水脈につらなるひとりとして数えられるこの作者、初めて読んだ。

    現代を舞台として、そしてゆめまぼろしとは距離を置いた題材でありながら、
    この妖しさ。

    皆川博子と一緒に名前が提出されるのにもうなずける。
  • 獣林寺妖変
    いや、初版を手に入れたのでつい。3版だとちょいとカバーの色が違うらしい。とまれこれを読んでから血天井めぐりなぞしてしまったのであった。
  • 海贄考(電子復刻版)
    表題作が一等に好き。
    全話がとても身近に死があるからこそ生きる人の話。そうでなければとっくに消えていたんだろうと感じる。
    明確な見えない隔たりがある死を、丸呑みした味は様々であろうが、甘美であれと祈りたい。狂ってしまっているならば。
  • 灯籠爛死行
    『七夜の火』の、「辰之はやらないよ」という台詞がすごいよかった!

    『忍夜恋曲者』も好きです。赤江さんが書く伝統芸能のロマンは素敵だなあ。
  • 灯籠爛死行
    私の大好きな鬼会含め13篇もの短編があります。
    力強く暴力的で男性的耽美。
    それと赤江瀑の知識量に驚きます、深くて広い。
  • 舞え舞え断崖
    ¥380
    その昔、金精神の祠があったという断崖。一愛読者からの手紙が縁で、断崖の上下に住むことになった閨秀詩人日折真船と画家流子の姉妹。二人はともに妖精をモチーフに名を成した。妖精にまつわる遠い過去の記憶を秘めて……。表題作のほかに「女形の橋」など艶にして妖、情念の壁にせまる珠玉の六編を収録。
    女形...続きを読む
  • 花曝れ首
    360
    地獄が恐うおすのんか?修羅がそんなに恐ろしおすか?好いた男と見る修羅や。おちる地獄や。おちよみやす――夏の北嵯峨、陽ざらしの化野に立ちあらわれた妖かしの影、秋童・春之助二人の色子が物語るはかない栄耀のはてのはて。表題作ほか四篇、魔に憑かれた魂の官能美の極致を描いた伝奇ロマン集。
    花曝れ首・恋...続きを読む
  • 春喪祭(電子復刻版)
    320
    相思相愛の野田涼太郎と初めて結ばれた翌日、なぜか吉村深美は野田の前から姿を消した。そして一年後、牡丹で知られる奈良の長谷寺の門前町・初瀬で、死体となって発見された。琵琶の撥で手首を切り、琵琶の裏甲には万葉集の恋歌三首が書き遺されていた。野田は深美の死因を求めて初瀬に赴くが、そこでみたのは不思...続きを読む
  • 獣林寺妖変
    340
    関ヶ原合戦のおり千数百名の血を吸って落城した伏見桃山城。その床板を使った洛北・獣林寺の血天井を学術調査中、ルミノール鑑定にひときわ青く燃えたって発見された、新しい血の斑痕……歌舞伎の魔に挑み、燃え朽ちていった魂の彷徨を描く表題作の他、阿片的魅力の代表作三篇を収めた伝奇ロマン集。
    獣林寺妖変・...続きを読む
  • 鬼恋童
    420
    萩焼の窯元に代々秘蔵されてきた古萩“白虎”。凶々しい伝説に包まれた名器が歴史の闇から浮かび上がった時、惨劇は始まった。表題作「鬼恋童」の焼物、「阿修羅花伝」の能面、「炎帝よ叫べ」の隈取り――その美に囚われた人達は、官能の暗い情動のままに破滅への道をひた走る。耽美派の鬼才が描く妖美世界。
    鬼恋...続きを読む
  • 獣林寺妖変

     赤江瀑作品も全て素晴らしいので、「赤江瀑全集」を収納したいですし、正直どの作品が好きなの?と
     聞かれても、迷ってしまって選べません。

     赤江作品の中には美しいものがたくさん出て来ます。京都の寺、花の庭、刀、香水、錦鯉、焼き物、歌舞伎、
     バレエ、能、祭り、ETC。
     そしてそのモノや芸術に対...続きを読む
  • 花曝れ首
    地獄が恐うおすのんか? 修羅がそんなに恐ろしおすか? 好いた男と見る修羅や。おちる修羅や。おちとみやす…」
    表題作より。
    でも一押しは「熱帯雨林の客」
  • 花曝れ首
    惚れるという修羅道、たとえそれが己のみならず相手をもズタズタに切り裂くのだとしても堕ちずに居られようか。脳髄の痺れるような、陽炎立つ京の都の魅せる幻に囚われる作品。※絶版
  • 荊冠の耀き(電子復刻版)
    思わせぶりな事件が続くものの、それらとは全く無関係な破局が唐突に訪れる表題作に代表されるように、伏線を張って結末で落とすような、一般的な短編小説の結構を無視したような作が多く、その壊れ方が小気味よい。無理矢理にオチを付けたような作が並ぶのだが、それが荒になっていないのが不思議。
  • 春喪祭(電子復刻版)
    「七夜の火」の読後、なんだかジトーっとするようなものを感じた。春喪祭という本は、全体を通して何か拭えないものがあるように思えた。これも赤江瀑という作家の魅力なのかもしれない。
  • 鬼恋童
    鬼恋童
    阿修羅花伝
    闇絵黒髪
    炎帝よ叫べ
    寝室のアダム、の5編。

    たったひとつのものに対する執着を捨てられない人たちの物語。

    本当にご無沙汰だった赤江瀑さん。
    この後ろ暗いストーリー… 親には、ちょっと知られたくないっていう、ね!

    耽美という言葉を知ったのは、この頃だったかなぁ、と思うと懐かし...続きを読む
  • 花夜叉(はなやしゃ)殺し
    愛と憎しみの入り混じった短編集。
    妖艶な雰囲気を感じさせる時代背景と文章がグイグイお話に引き込まれて行きます。
    人への愛やモノへの愛、対象はイロイロですがどれも狂気の愛を感じさせます。
  • 灯籠爛死行
    改めて見たら「恐怖編」だったんですね。怖くない……。いや、昔は怖かったんですが、年齢のせいか怖くなくなってきた……。本当の恐怖は人間の心理の奥底にある、というわけですが、そりゃそうだろうと思っちゃうんですよ。そんな即物的な内容じゃないけど。再読すると思わせ振りな感じが……。いや、面白いんだけど……。...続きを読む
  • 海贄考(電子復刻版)
    そう言えば未読だったなぁ……と、ふとタイトルを思い出し、古本屋さんで購入。
    赤江さんの本は短編選集だったら多分新品で入手可能なはずだけど、
    読みたい作品が入っていたりいなかったりするので、
    またしても中古本に走ってしまうのだった。
    表題作は諸星大二郎ファンなら「妖怪ハンター」シリーズ《水の巻》で
    ...続きを読む