赤江瀑のレビュー一覧

  • P+D BOOKS 罪喰い

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    赤江瀑の妖美で端麗な幻想的ワードセンスが目眩する程に耀く短編集。表題作「罪喰い」や電子版のみ追加された「獣林寺妖変」も勿論名作だが、それ以上に花香ただよう庭の魔力に翻弄される「花夜叉殺し」が酔わされる大傑作。

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    2021年06月09日
  • 八雲が殺した

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    黒い水脈につらなるひとりとして数えられるこの作者、初めて読んだ。

    現代を舞台として、そしてゆめまぼろしとは距離を置いた題材でありながら、
    この妖しさ。

    皆川博子と一緒に名前が提出されるのにもうなずける。

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    2016年07月14日
  • 獣林寺妖変

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    いや、初版を手に入れたのでつい。3版だとちょいとカバーの色が違うらしい。とまれこれを読んでから血天井めぐりなぞしてしまったのであった。

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    2014年01月07日
  • 海贄考(電子復刻版)

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    表題作が一等に好き。
    全話がとても身近に死があるからこそ生きる人の話。そうでなければとっくに消えていたんだろうと感じる。
    明確な見えない隔たりがある死を、丸呑みした味は様々であろうが、甘美であれと祈りたい。狂ってしまっているならば。

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    2013年04月16日
  • 灯籠爛死行

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    ネタバレ

    『七夜の火』の、「辰之はやらないよ」という台詞がすごいよかった!

    『忍夜恋曲者』も好きです。赤江さんが書く伝統芸能のロマンは素敵だなあ。

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    2011年04月20日
  • 灯籠爛死行

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    私の大好きな鬼会含め13篇もの短編があります。
    力強く暴力的で男性的耽美。
    それと赤江瀑の知識量に驚きます、深くて広い。

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    2009年10月29日
  • 舞え舞え断崖

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    ¥380
    その昔、金精神の祠があったという断崖。一愛読者からの手紙が縁で、断崖の上下に住むことになった閨秀詩人日折真船と画家流子の姉妹。二人はともに妖精をモチーフに名を成した。妖精にまつわる遠い過去の記憶を秘めて……。表題作のほかに「女形の橋」など艶にして妖、情念の壁にせまる珠玉の六編を収録。
    女形の橋・水鏡の宮・燿い川・舞え舞え断崖・悪戯みち・柩の都・黒馬の翼に乗りて

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    2009年10月04日
  • 花曝れ首

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    360
    地獄が恐うおすのんか?修羅がそんなに恐ろしおすか?好いた男と見る修羅や。おちる地獄や。おちよみやす――夏の北嵯峨、陽ざらしの化野に立ちあらわれた妖かしの影、秋童・春之助二人の色子が物語るはかない栄耀のはてのはて。表題作ほか四篇、魔に憑かれた魂の官能美の極致を描いた伝奇ロマン集。
    花曝れ首・恋怨に候て・ホルンフェルスの断崖・影の風神・熱帯雨林の客

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    2009年10月04日
  • 春喪祭(電子復刻版)

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    320
    相思相愛の野田涼太郎と初めて結ばれた翌日、なぜか吉村深美は野田の前から姿を消した。そして一年後、牡丹で知られる奈良の長谷寺の門前町・初瀬で、死体となって発見された。琵琶の撥で手首を切り、琵琶の裏甲には万葉集の恋歌三首が書き遺されていた。野田は深美の死因を求めて初瀬に赴くが、そこでみたのは不思議な無明世界であった。(「春喪祭」)。耽美派の気鋭、泉鏡花賞受賞の著者が描く妖かしの世界。
    夜の藤十郎・春喪祭・宦官の首飾り・文久三年五月の手紙・百幻船・七夜の火

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    2009年10月04日
  • 獣林寺妖変

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    340
    関ヶ原合戦のおり千数百名の血を吸って落城した伏見桃山城。その床板を使った洛北・獣林寺の血天井を学術調査中、ルミノール鑑定にひときわ青く燃えたって発見された、新しい血の斑痕……歌舞伎の魔に挑み、燃え朽ちていった魂の彷徨を描く表題作の他、阿片的魅力の代表作三篇を収めた伝奇ロマン集。
    獣林寺妖変・ニジンスキーの手・禽獣の門・殺し蜜狂い蜜

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    2009年10月04日
  • 鬼恋童

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    420
    萩焼の窯元に代々秘蔵されてきた古萩“白虎”。凶々しい伝説に包まれた名器が歴史の闇から浮かび上がった時、惨劇は始まった。表題作「鬼恋童」の焼物、「阿修羅花伝」の能面、「炎帝よ叫べ」の隈取り――その美に囚われた人達は、官能の暗い情動のままに破滅への道をひた走る。耽美派の鬼才が描く妖美世界。
    鬼恋童・阿修羅花伝・闇絵黒髪・炎帝よ叫べ・寝室のアダム

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    2009年10月04日
  • 獣林寺妖変

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     赤江瀑作品も全て素晴らしいので、「赤江瀑全集」を収納したいですし、正直どの作品が好きなの?と
     聞かれても、迷ってしまって選べません。

     赤江作品の中には美しいものがたくさん出て来ます。京都の寺、花の庭、刀、香水、錦鯉、焼き物、歌舞伎、
     バレエ、能、祭り、ETC。
     そしてそのモノや芸術に対しておびただしい量の情報、解説がなされていて、文章を読んでいるだけで、
     総天然色の映像を見ている気分にさせてくれるんです。

     この獣林寺妖変に出てくるのは「血天井」です。
     関ヶ原の戦の時、伏見城で留守居をしていた鳥居元忠の軍が石田三成の軍に攻め滅ぼされ、落城のさいに
     鳥居軍380名以上が自刃

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    2009年10月04日
  • 花曝れ首

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    地獄が恐うおすのんか? 修羅がそんなに恐ろしおすか? 好いた男と見る修羅や。おちる修羅や。おちとみやす…」
    表題作より。
    でも一押しは「熱帯雨林の客」

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    2009年10月04日
  • 花曝れ首

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    惚れるという修羅道、たとえそれが己のみならず相手をもズタズタに切り裂くのだとしても堕ちずに居られようか。脳髄の痺れるような、陽炎立つ京の都の魅せる幻に囚われる作品。※絶版

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    2009年10月04日
  • 八雲が殺した

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    タイトルに八雲が入っているわけで、そこも含めて現代の怪談って感じなわけですよ。いやホラーって気もしつつ、微妙な余韻とかを含めてそこは怪談っていうのがふさわしかろう、と。
    てなわけで文芸作品って感じの作品が並ぶけど、ちと怖いのが含まれるのって良いよな。ジャパニーズホラーって表現もあるけど(いやなかったっけ)、ここは現代作品も含めて怪談って呼び方で行こうじゃないか。

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    2025年08月25日
  • 舞え舞え断崖

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    エッセイで紹介されていたので手に取った本。
    紹介されていたからかエッセイの作者っぽいと思ってしまった作品もあり。
    舞え舞え断崖の姉妹の齟齬というか全く違うキャラクターにも関わらず間が気持ち良いのは、絵描きの筆豆と物書きの筆無精という一点へ向けての感情は同じでも環境と行動が違う事が面白いからか、お互いに内側の始末をつける気持ちが重なったからか。
    好きなのは黒馬の翼、勘違いの落ち着き先が思春期の欲望の加速度を思わせて、燃える藤の花房がふと見た鏡で自分の欲情を突きつけられるような、そんな印象を受けた。

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    2024年08月22日
  • 荊冠の耀き(電子復刻版)

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    思わせぶりな事件が続くものの、それらとは全く無関係な破局が唐突に訪れる表題作に代表されるように、伏線を張って結末で落とすような、一般的な短編小説の結構を無視したような作が多く、その壊れ方が小気味よい。無理矢理にオチを付けたような作が並ぶのだが、それが荒になっていないのが不思議。

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    2021年06月08日
  • 春喪祭(電子復刻版)

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    「七夜の火」の読後、なんだかジトーっとするようなものを感じた。春喪祭という本は、全体を通して何か拭えないものがあるように思えた。これも赤江瀑という作家の魅力なのかもしれない。

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    2021年05月03日
  • 鬼恋童

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    鬼恋童
    阿修羅花伝
    闇絵黒髪
    炎帝よ叫べ
    寝室のアダム、の5編。

    たったひとつのものに対する執着を捨てられない人たちの物語。

    本当にご無沙汰だった赤江瀑さん。
    この後ろ暗いストーリー… 親には、ちょっと知られたくないっていう、ね!

    耽美という言葉を知ったのは、この頃だったかなぁ、と思うと懐かしく…

    その人にとっての、たった一つの美に魅せられ、破滅へと堕ちていく者たちには特有の美しさがあり、それを描き続けた作家さんですよね。

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    2015年09月24日
  • 花夜叉(はなやしゃ)殺し

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    愛と憎しみの入り混じった短編集。
    妖艶な雰囲気を感じさせる時代背景と文章がグイグイお話に引き込まれて行きます。
    人への愛やモノへの愛、対象はイロイロですがどれも狂気の愛を感じさせます。

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    2015年03月04日