finalventのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「何者かになりたい」
そういった言語化をせずとも、くるりのハイウェイで歌われるように「でっかいことしてやろう」という願望がまだ私にはあります。
私は日頃から抱くやり切れない虚しさのもとで、何も残せていない悔しさをどう消化すれば楽になれるだろうか。そのように考えて悶々とした日々を過ごしています。高校3年生の現在まで、数々の可能性を決断の遅さや出逢うタイミングにより捨ててきました。自分のプライドや欲望に振り回されてきたと言っても過言ではないかもしれません。「仕事」という概念に関しても、「普通に働きたくない」というような漠然とした考えではなく、「自分だからこそ出来る、そんな働き方が良い」と感じていま -
Posted by ブクログ
人気ブログの著者の自伝。前置きもなくいきなり話しかけられるような表紙が印象的だ。
家族のトラブル、結婚、移住、病気、人生にはいいこともわるいことも含め、意図しないいろいろなことが起きる。それらの偶然を解釈する思考力を持っているのが著者だと思う。偶然を受け入れる。それ自体を深く知ろうとする。知ることを楽しむ。そしてその偶然を自分の物にしてしまうのだ。それが自分の人生をつくりあげること、ほかでもない自分の人生を生きることなのだと著者は教えてくれる。
気になった言葉。
「仕事というのは、つきつめると「市民であるかが問われる」ということだ。仕事とは分業である。社会のなかで自分がどういう役割を果たし -
Posted by ブクログ
達観してるというか、絶望感というか。恐ろしいほどクールでそれでいて惹きつけられる文章が最初から最後まで続く。
・人間にはどうしようもない孤独というのがあるものだと知ったし、そうした孤独な心を持つ人は、他者と誠実に対応していったり、或いは読書なりを深めていけば、心の深みの中でしか見えてこない世界で生きていけるだろうと、理解した。
・孤独を通して人の心を深く理解することが人生というものだった。
・人生には、幸せとか成功とかいうのと違った、何か深い意味がありそうだ。それなら、生きてみますかという感じがした。
・どう生きるかという岐路に立つときは、結局、孤独なものだ。しかたない。
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Posted by ブクログ
ブロガーとして有名なfinalventさんが、ブログを書いて10年の区切りで書いた自伝のような書です。ブログでは語っていない自身の半生を振り返っての思いが、いい大人がこんなに素直に文を書くことなんかないんじゃないかというくらいに、丁寧に丁寧に記されています。
「自分の人生はからっぽだった」なんて言いながら淡々と語るのですが、自分の人生の意味を実感できずに元気が出ない人たちを勇気づける言葉と思いました。
普通に暮らしているうちにいつの間にか年を取って行く日々の中で感じる思いに共感するところが多く、また、そのうち自分もこのように考えるようになるのかもしれないななどと気づかされるところもあり、 -
Posted by ブクログ
ネタバレ世の中で語られる「成功者」の伝記は数多ありますが、一方で、その成功者以外の人々、おそらくほとんど大多数の人々のうちの一人が、自分の人生について語った作品が本作品です。
冒頭、というか表紙に記される筆者の心情「自分の人生はなんだったんだろうかと思うようになった。なんだったか?からっぽだった。特に人生の意味といったものはなかった気がする」に、偽らざる本音だと感じてしまいます。
自分自身、30歳を過ぎて、本当に思い通りにならないこともいくつか経験して、それでもまだ人生の意味というか、ある目標に向かって走っていくということを諦めていない。けれども、思いもよらない事柄が自分に起こるし、それを受け入れるし -
Posted by ブクログ
ネタバレ冒頭で「失敗した人生」であるということが書いてあったので、偏見ではあるがいわゆる底辺社会を這いずり回り55歳まで生きてきた人の本だと思った。
読み終わってみて「普通の人」だと思った。
「普通の人」であるかがいかに難しいか、を考えるならばこの人は決して「失敗した人」ではない。
失敗の定義がかみ合っていない可能性があるので、なんとも言えないが
とにかく「失敗した人でない」と思った理由は、この人が「常に前向きで自然体」だからだと思う。
何があっても最終的には「甘受している」点、これが大きい
難病然り、子ども然り。
社会的意義が在るとも思った。
昔ならこういう本は出なかっただろう。
エッセ -
Posted by ブクログ
極東ブログはかなり前から知っていて、一時期は更新される度にきちんと読もうとした時期もあったが、いつの間にか読まなくなっていた。とにかく内容が濃いというか、長い。それでもfinalventさんはtwitterてフォローしているし、何となくチラチラ横目で見ているような状態。そんな中で、この本を読み始めたが、正直、ブログよりはるかに読みやすいと言うか、ぶっちゃけている。finallentさんは私より5歳上なので、ほぼ同年代。書かれている事もほとんど共感できるし、よく分かる。もっとも、私は難病にかかっている訳でもないので、よく分かるというのは、極めておこがましいのだが。読みながら、なぜこの本のタイトル